2015年7月9日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 昨日の日経平均が683円下げたことで、ドル円は121円台まで円買いが進み、NYではさらに不安心理が拡大したことで円は120円41銭まで買われた。主要通貨全てに対して円が上昇。
- ドル安が進んだことや、ギリシャが欧州安定メカニズム(ESM)に支援を要請したことでユーロドルは反発。1.11近くまでユーロ高が進行。
- 株式市場ではシステム障害が3時間半も続き混乱。中国や日本株が大きく売られたことでNY株式市場もほぼ全面安。ダウは261ドル下落し年初来安値を更新。
- 世界的な株安から資金は債券市場に。米国債も4日続伸し、長期金利は2.19%台まで低下。
- ドルが売られたことで金は反発し、原油は続落。
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5月消費者信用残高 → 160.8億ドル
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ドル/円 120.41 〜 121.53 ユーロ/ドル 1.1022 〜 1.1093 ユーロ/円 133.30 〜 134.11 NYダウ −261.49 → 17,515.42ドル GOLD +10.90 → 1,163.50ドル WTI −0.68 → 51.65ドル 米10年国債 −0.059 → 2.197% 本日の注目イベント
- 豪 豪6月雇用統計
- 日 6月マネーストック
- 中 中国 6月消費者物価指数
- 中 中国 6月生産者物価指数
- 独 独5月貿易収支
- 英 BOE金融政策発表
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 ブレイナード・FRB理事講演
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
底堅い動きを見せていた日本株も、さすがにギリシャのデフォルトリスクが高まり、さらに上海株が下げ止まらないことから、昨日は638円も下げ、今年最大の下げ幅を記録しました。リスク回避の流れが強まり、円は主要通貨に対して全て買われ、NY市場では120円41銭まで円高が進んで来ました。122円前後がしっかりサポートされていましたが、一旦抜けると「堰を切ったように」ドルの下落が進んでいます。
今週の月曜日に600円近い下げを演じた日経平均価は、昨日はそれを上回る下げで、2万円の大台を大きく割り込み、1万9700円台まで下げました。昨日のシカゴ先物では、さらに一段と下げて1万9285円台で引けており、本日も株は売り先行で始まりそうです。それに伴って円買いが進めば、120円割れも株価次第ではないとは言えなくなって来ました。
この流れを断ち切るには、ギリシャへの支援問題が合意に達し、これを好感して、日本株と中国株が揃って大幅に反発するしかありません。そうなると、円が再び売られる展開も予想されますが、同時に今回の混乱によってFRBの利上げ観測に影響がないかどうかを見極めることも重要です。
昨日FOMCの議事録が公表されました。議事録では6月の利上げを主張するメンバーが一人いたようですが、それ以外は特に9月の利上げを示唆するような内容はなく、市場への影響はほとんどなかったようです。もっとも、この日は世界的な株価の下落と、NY証券取引所のシステム障害の影に隠れて注目されなかった面もあったようです。
残り時間が少なくなっている中、ギリシャはESMによる新たな金融支援をEUに要請しました。ギリシャはESMで3年間の融資を受けることで、税制と年金改革を来週から実行するとし、金融上の義務全てを「全額かつ適切なタイミングで」履行することを約束しています。(ブルームバーグ)このためギリシャは本日にも具体的な財政緊縮策を提示する見込みになっています。ユーロ圏首脳が期限を「12日のユーロ圏首脳会議まで」ときめたことで、チプラス首相も態度をやや軟化させてきたような印象もあります。
同首相は8日欧州議会で演説を行い、5日の国民投票結果について「ギリシャ国民は欧州との決別を選んだのではない。持続的で正当な解決に至るための取り組みの強化を政府に託したのだ」と説明しています。また、「ギリシャは緊縮の実験場になってしまった。この実験が失敗に終わったことを認めなければならない」とも述べており、これまでの「ユーロ圏はギリシャを域内から追い出そうとしている」と述べて、強硬姿勢を貫いてきた状況からは劇的な変化が見られます。またユーロ首脳がここに来てさかんに「ユーロ圏からの離脱」と言う言葉を、表立って使い始めていることも影響を与えているかもしれません。欧州委員会のユンケル委員長は「ギリシャ離脱の詳細なシナリオを準備している」と明確に語っています。
ギリシャ発の混乱が世界的な株価の下落を引き起こし、場合によっては米国の利上げを遅らせる可能性も出て来ました。世界経済は2008年のリーマンショックからようやく立ち直りを見せているところです。ギリシャのデフォルトがリーマンショクほどの影響を与えることはないと、多くの専門家が口を揃えますが、すでにその予兆は出ています。ユーロ圏首脳もそのあたりは感じているはずです。12日までに何とか合意に達する可能性はまだ残っていると思われます。
本日のレンジ予想は難しいですが、120円〜121円90銭程度にしたいと思います。日本と中国の株価が引き続き大きく下げるようだと、120円の大台割れもあるかも知れませんが、定着はしないと考えています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------ 5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------ 5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。 5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。 6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。 6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落 6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------ 6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------ 6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------ 6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に 6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------ 7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------



