2015年7月10日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は昨日中国株と日本株が急反発したことで、120円台から反発。121円53銭までドルが買われたが、ギリシャ情勢が依然として不透明なことから上値も限られた。
- ユーロドルもギリシャ情勢を睨みながら一進一退。1.10から1.10台半ばで推移。
- 株式市場はアジア株が急上昇したことを受けて大幅な上昇で始まったが、失業保険申請件数が予想以上に増加していたことで徐々に上げ幅を縮小。ダウは前日比33ドル高で取引を終える。
- 債券相場は5日ぶりに反落。中国株に下げ止まり感が出てきたことが売りを誘った。長期金利は2.31%台まで上昇。
- 金は反落し、原油は6日ぶりに反発。
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新規失業保険申請件数 → 29.7万件
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ドル/円 121.20 〜 121.53 ユーロ/ドル 1.0992 〜 1.1069 ユーロ/円 133.31 〜 134.22 NYダウ +33.20 → 17,548.62ドル GOLD −4.30 → 1,159.20ドル WTI +1.13 → 52.78ドル 米10年国債 +0.122 → 2.319% 本日の注目イベント
- 米 グアテマラ・ボストン連銀総裁講演
- 米 イエレン・FRB議長講演
- 加 カナダ6月失業率
昨日の為替は、上海株と日本株の動きに翻弄された1日でした。朝方、日経平均は寄り付きから売りが殺到し、すぐに前日比600円を超える下落となり、日経平均株価は1万9000円を割りこむ勢いでした。前日にNYダウが261ドル下げた影響から日本株にも売り圧力が強まり、この時点で2日間で1250円ほどの下げを記録しました。
10時半から取引が開始された上海株も下げて始まったものの、その後上昇に転じたことで、日経平均も徐々に下げ幅を縮小。ドル円も120円台で底堅い動きを見せるようになりました。そして、午後には株価が前日比プラスに転じると、ドル円も121円台を回復し、121円57銭までドルの買戻しが進みました。
アジア市場ではドルも株価も反発したことから、海外市場でももう一段の上昇を予想しましたが、結果的にはアジア市場ほど伸びませんでした。やはりギリシャ情勢が重石となった他、IMFが世界経済の成長率を下方修正したことも響いたようです。IMFは、ユーロ圏と中国の成長率は据え置きましたが、米国と日本を引き下げています。
ギリシャと債権国側との交渉期限である12日までは、本日を含めても残り3日となりました。昨日ギリシャは債権団に新提案をしました。それは、3年間の支援を要請することを条件に、付加価値税(消費税にあたるもの)と法人税の引き上げ、さらに年金の給付抑制により2年間で100億ユーロ(約1兆3400億円)から120億ユーロの収支改善を目指すというものです。法人税は26%から28%に引き上げ、レストランなどの付加価値税(VAT)を23%に統一するという内容です。
昨日もこの欄で述べましたが、チプラス首相はさすがに残された時間がないことを意識してか、これまでの強硬な姿勢を変えて来たように思います。今回の提案も、これまでにない譲歩した内容になっています。問題は、この提案をEUなど債権国側が受け入れるかどうかです。債権国側はこの提案を受け入れるかどうかを12日の首脳会議で議論することになりますが、メルケル独首相は「12日の首脳会議は非常に重要だが、その結果を予言することはできない」と述べています。ユーロ圏首脳は声をそろえて、12日が最終期限だと言っている以上、今回は議論の引き延ばしはないと考えられます。ギリシャ悲劇の最終章も、いよいよ幕が下ろされる時が来たようです。
本日は、引き続き上海株の行方と、先行して始まる日本株には注目です。NYでは企業決算の発表も始まり、こちらも株価への影響に注意しなければなりません。上で述べたように、12日には最後の大詰めの会合が開かれるため来週月曜日は、結果がどうであれ、「窓が開く」可能性が高いと予想されます。資金管理には注意して下さい。予想レンジは121円〜122円50銭程度と、やや上値を意識しています。もちろん、上海株が再び大幅安になるようだと、下値を狙ってくる可能性もあります。
金融市場が大きく売れ動いています。ギリシャと中国がその震源地ですが、この混乱をどう乗り切るか女性3人の判断にも注目が集まります。「ジャネット」、「クリスティーヌ」、「アンゲラ」が、その3名の名前ですが、これだけでその人が誰か分かったら国際金融にかなり精通していると言えます。順番に、イエレンFRB議長、ラガルドIMF専務理事、そしてメルケル独首相です。いずれも男性顔負けの要人です。それにしても、結構可愛いファースト・ネームだと思いませんか?良い週末を・・・・・。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 5/12 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「今の段階で今後の金融政策の方向性を決定する必要はない。データを注視し、様子を見ている」講演で。 ------ 5/18 エバンス・シカゴ連銀総裁 「私の経済見通しやリスクのバランスの評価からは、来年の早い時期まで利上げ開始に十分な自信が持てるようにはなれないというのが現在の認識だ」講演で。 ------ 5/22 イエレン・FRB議長 「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上の最初の措置を講じることが適切になるだろう」講演で。 ドル円、ユーロドルともに ドル高が進行。 5/28 麻生・財務大臣 「足元の円安方向に、この数日間を見れば荒い動きがある」G7に参加する途中で。 ドル円124円台半ばから123円台半ばまで急落。 6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。 6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落 6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------ 6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------ 6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------ 6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に 6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------ 7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------



