2015年7月14日(火)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ユーロ圏首脳会議で、ギリシャ支援への協議を行うことで合意との報道に、ドル円は123円台を回復。NY市場では123円54銭までドルが買われたものの、その後は終始もみ合いで上値も重かった。
- ユーロドルは合意報道を受け1.2台目前まで買われたが、そこを頂点として反落。1.10割れまでユーロ安が進むなど、ユーロの上値も重い印象。
- 株式市場はギリシャ情勢の好転に大幅続伸。ダウは217ドル上昇し、先週末に続いて2日連続で200ドルを超える上昇を見せる。
- 債券相場は3日続落。ギリシャ支援への明るい材料に、安全資産の債券に売りものが集まった。長期金利は2.45%台まで続伸。
- 金、原油はドル高の影響もあり続落。
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6月財政収支 → 518.8億ドルの黒字
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ドル/円 123.32 〜 123.53 ユーロ/ドル 1.0996 〜 1.1070 ユーロ/円 135.74 〜 136.57 NYダウ +217.27 → 17,977.68ドル GOLD −2.50 → 1,155.40ドル WTI ー0.54 → 52.20ドル 米10年国債 +0.055 → 2.455% 本日の注目イベント
- 独 独6月消費者物価指数(改定値)
- 独 独7月ZEW景況感指数
- 欧 ユーロ圏5月鉱工業生産
- 英 英6月消費者物価指数
- 英 英6月生産者物価指数
- 米 6月小売売上高
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
- 米 企業決算 →JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、ジョンソン&ジョンソン
昨日の夕方4時前、「ユーロ圏首脳、ギリシャ支援への協議で合意」との一報が伝えられると、ドル円は直ぐに123円台を回復し、その後も堅調に推移しています。122円台半ばでの取引でしたが、日経平均株価が底堅く推移し、前日比300円を超えると、引っ張られるようにドルが買われる展開でしたが、これで先週の底値から3円以上ドルが買い戻されたことになります。
17時間かかった会議では、イタリアなどギリシャに理解を示す国と、ドイツなど強硬派との隔たりもあったようですが、条件つきでギリシャへの金融支援の再開について協議することで合意しました。ただ、ギリシャにとって条件をクリアするのはそう簡単でもなく、これまでユーロ圏が要請してきた付加価値税の引き上げや、年金受給開始年齢の引き上げなどを15日までに議会で承認することが必要です。
先の国民投票では緊縮財政に、国民が「ノー」と判断を下した後だけに、国民だけではなく、議会でも与党内からの反発も予想されます。事実昨日は、緊縮財政反対派のデモもあったようです。チプラス首相としては、何とか破綻を避ける道筋はつけたものの、今度は国内での信認を大きく失うことになり、政治的な混乱に飛び火しそうな気配です。
ギリシャが最後の最後に破綻を回避することができるのかどうかはまだ予断を許さない状況ですが、先ずは議会を説得する必要があり、ここが難問です。またユーロ圏の中でもドイツなどでは、金融支援について自国の議会に諮らなければなりません。さらに、仮に破綻が回避できたとしても、今後財政的にやっていけるのかどうかの疑問も残ります。観光立国のギリシャでは、観光客の減少も続いており、税収の増加も見込みにくいと思われます。
昨日の合意で、15日にまでは時間を稼ぐことができたことで、金融市場はこれを好感しています。ドル高が進み、リスク資産の株価は日米欧で大きく上昇しました。反対に、安全資産の債券はドイツでも米国でも売られ、金利が上昇しています。リスクオンの流れが加速した結果ですが、まだまだ注意は必要です。
ギリシャ問題が落ち着きを見せれば、残るリスクは米国の利上げと中国株です。明日にはイエレン議長の議会証言があり、秋以降の利上げに関して何かメッセージがあるかもしれません。先日の講演では、年内に最初の利上げを行うことが適切であると述べると同時に、想定外の事態があれば利上げを遅らせることもあり得ると、強調していました。
また明日には中国の4−6月期GDPが発表されます。中国政府が目標としている「7%成長」が危ういと見られている状況の中、この数字を大きく下回るようだと、上海株の下落要因になることも考えられます。本日も、日経平均株価は上昇するでしょう。前日比300円を大きく超える上昇を見せるようだと、ドル円も昨日のNY市場の高値を抜くことも十分ありえます。「日足」のMACDでは、「マックディ」と「シグナル」が交差し、もう一段上昇すると「ゴールデンクロス」も点灯します。予想レンジは123円〜124円20銭程度と見ています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。 6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落 6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------ 6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------ 6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------ 6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に 6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------ 7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------ 7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------



