今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年7月24日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は124円を挟んだ展開が続く。新規失業保険申請件数が予想を大きく下回ったことで124円19銭までドルが買われたが続かず。
  • ユーロドルはユーロ買戻しが優勢となり、1.10台に乗せる場面もあったが、その水準は維持できず。
  • 株式市場は続落。雇用関連指標はよかったものの、この日決算発表のあったキャタピラーや3Mが業績見通しを下方修正したことが響いた。主要3指数とも下落し、ダウは119ドル下げ、1万7700ドル台に。
  • 債券相場は続伸。原油価格の下落が続き、インフレ見通しが後退したことで債券に買い物が集まる。長期金利は2.26%台まで低下
  • 金は反発したものの上げ幅は小幅。原油は続落し、3ヶ月半ぶりに48ドル台に。

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    新規失業保険申請件数  → 25.5万件
    6月景気先行指標総合指数 → 0.6%
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    ドル/円 123.73 〜 124.19
    ユーロ/ドル 1.0952 〜 1.1018
    ユーロ/円 135.87 〜 136.43
    NYダウ −119.12 → 17,731.92ドル
    GOLD +2.60 → 1,094.10ドル
    WTI −0.74 → 48.45ドル
    米10年国債 −0.058 → 2.269%

    本日の注目イベント

    • 中  中国 7月HSBC製造業PMI(速報値)
    • 独  独7月製造業PMI(速報値)
    • 独  独7月サービス業PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏7月非製造業PMI(速報値)
    • 米  6月新築住宅販売件数

    ドル円は前日とほぼ同じような展開です。124円台には乗せるものの、124円台が維持できずに一進一退です。昨日のNY市場では、新規失業保険申請件数が25.5万件と、何と40年ぶりの低水準となったことでドルが買われる場面もありましたが、上昇傾向は長続きしません。124円15−20銭あたりで上値が抑えられる展開が続いています。

    もっとも、来週にはFOMCを控えており、声明文に利上げに向けたヒントがあるのではないかといった見方も根強く、ドルを売る動きも限定的です。それでも株価が大きく下げ、長期金利が低下する動きに、ドルの一段の上昇も一服といった感じです。

    IMF(国際通貨基金)は日本経済に関する年次審査報告書で、日銀に対し2%の物価目標の達成に向けた強い姿勢を示すため、追加緩和を行うよう要請しました。報告書では「アベノミクスには追加緩和が必要だ」とし、一層の構造改革を求めています。原油価格の下落に伴って、2%のインフレ目標達成が危ぶまれるものの、日本の株価は世界の主要国に比べ堅調に推移しており、ドル円も依然として円安傾向です。従って、現時点では追加緩和が実施される可能性は極めて低く、黒田総裁もことあるごとに「現時点では追加緩和は必要はない」と明言しています。

    さらに総裁は先の講演でも「秋口以降インフレが加速し、2016年春には2%の物価上昇は十分可能」と繰り返し述べています。その背景にあるのは、原油価格の下落による物価への影響は秋口には剥落すると予想しているからです。しかし一時は60ドル台を回復した原油価格は、このところ下げ足を早め、昨日は48ドル台と、今年3月末以来の水準まで下落しています。このまま50ドル以下で推移するようだと、黒田総裁は再び原油安に苦しむことになりそうです。IMFがあえて追加緩和に言及したことで、「年内はほとんど可能性がなかった」追加緩和も、ややその可能性も出てきたと言えそうです。IMFが異例の要請を行ったことで、仮に追加緩和を実施してさらに円安が加速したとしてもこれで「円安誘導を意図したものではない」と、明確に答えることができるのではないでしょうか。

    ドル円は今日も方向感のはっきりしない動きが続きそうです。連休明けから今朝まで、ドル円は123円台半ばから124円20銭程度の狭いレンジ内で動いています。やや材料不足の感は否めませんが、本日も同じような展開が予想されます。レンジは123円30銭〜124円30銭程度と見ています。

    今年の訪日観光客は2000万人に迫る勢いとか。お陰で、東京や大阪のホテルは稼働率が記録的な高さで、サラリーマンが出張の際に泊まる所を確保するのが難しくなっているそうです。私の友人も、年に何回か上京しますが、週末の予約がとれないと嘆いていました。空いているホテルを見つけても、値段が高く、かつてのように5000円程で泊まれるビジネス・ホテルはないようです。出張族にとっては、苦難の時代が続きそうです。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
    7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------
    7/23 IMF年次審査報告書 「アベノミクスには追加緩和が必要だ」日銀に追加緩和の実施を要請。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和