今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年7月30日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • FOMC声明文では労働・住宅市場は改善しているとしたものの、利上げの時期を巡るヒントはなく、ほぼニュートラル。ドル円は株価が上昇し、金利も上昇したことで124円台に乗せる場面も。
  • ドル高の流れに、ユーロドルも前日の水準からやや下落。1.09台半ばまで売られたものの、方向感は依然として不透明。
  • 株価は続伸。FOMCで景気の改善が指摘されたことや、企業決算に反応し、ダウは121ドル上昇。
  • 債券相場は続落。声明文ではニュートラルだったが、株価の上昇から売りが優勢となり、長期金利も小幅に上昇。
  • 金は続落し、原油は続伸。

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    6月中古住宅販売成約指数 → −1.8%
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    ドル/円 123.54 〜 124.03
    ユーロ/ドル 1.0967 〜 1.1080
    ユーロ/円 135.97 〜 136.94
    NYダウ +121.12 → 17,751.39ドル
    GOLD −3.60 → 1,092.60ドル
    WTI +0.81 → 48.79ドル
    米10年国債 +0.039 → 2.289%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪6月住宅建設許可件数
    • 日  6月鉱工業生産
    • 独  独7月雇用統計
    • 独  独7月消費者物価指数(速報値)
    • 欧  ECB経済報告
    • 欧  ユーロ圏7月景況感指
    • 米  4−6月期GDP(速報値 )
    • 米  新規失業保険申請件数

    注目されたFOMCでは市場予想通り政策変更はなく、声明文でも、労働市場と住宅市場の改善は指摘されたものの、利上げの時期については特にヒントはなく、概ね前回声明文と同様な内容でした。ドル円は声明分発表直後は売られたものの、これは利上げを正当化する条件として、労働市場がさらに「幾分か」改善することとあり、「幾分か」(SOME)という1語が加えられていたことに反応したものと思われます。ドル円はその後、株式市場が前日同様大きく上昇したことや、長期金利も上昇したことで、わずかですが124円台に乗せています。

    今回のFOMC声明文を受けて、利上げが9月なのか、あるいは12月なのか市場の見方は分かれています。言えることは、現時点でも9月の利上げの可能性は排除されていないということです。労働・住宅市場の改善は指摘されたものの、インフレ率については原油価格の下落が、FOMCメンバーの自信をやや後退させていると見られます。今回のFOMC声明文を評して、「ややハト派的だった」との意見もありますが、全体的にみれば、米ウェルズ・ファーゴのストラテジストがコメントしていたように「1歩進んで、1歩下がる」という表現が適切だったと思われます。(ブルームバーグ)

    ドル円は先週金曜日以来の124円台を回復する場面もありましたが、まだ124円台で安定するかどうかは不明です。依然として、利上げの時期については読みきれないことに加え、原油価格、あるいは中国株など波乱要因は消えていません。また、米長期金利が2.28%台で推移していることも、市場がリスクに対して警戒感を持っている証左ともいえます。

    ドル円は今週月曜日に123円近辺まで売られましたが、「日足」ではしっかり「雲」の上限でサポートされていました。短期的な動きを示す「1時間足」では、一旦「雲」を下抜けしましたが、現在は再び「雲」を上抜けし、上昇傾向を見せています。FOMCを無事通過したことで、市場の関心は今夜のGDPに移りました。

    米第2四半期GDP速報値は、事前予想が2.5%と見られていますが、どちらかといえば上振れ予想が多いようです。仮にこの予想を上回る結果が出れば、9月の利上げ観測が強まり、ドル円には買い材料になりますが、一方で利上げを嫌気して株価が下落すれば、こちらはドルの下落材料になります。どう反応するのかは、その時の市場参加者の思惑やポジションの傾きなどで異なるため、何とも言えません。

    依然として株価を睨んでの展開になりますが、本日の予想もGDP発表を踏まえて、123円30銭〜124円70銭程度と、ややワイドレンジを予想します。上値のメドは先週も何度か試して抜けなかった124円台半ばです。ここを抜ければ、約1ヶ月半ぶりのドル高水準ということになります。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
    7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------
    7/23 IMF年次審査報告書 「アベノミクスには追加緩和が必要だ」日銀に追加緩和の実施を要請。 ------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和