今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年8月5日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 124円を挟んでもみ合っていたドル円は、アトランタ連銀総裁が9月の利上げに前向きな発言をしたとの報道にドルが買われた。長期金利も上昇に転じ、ドル円は124円40銭まで買われ、この日の高値圏で引ける。
  • ドル買いが進行し、ユーロドルも1.09を割り込み、1.0879までユーロが売られる。
  • NYダウは4日続落。決算発表への失望売りに加え、9月利上げ観測が高まったことで主要株価指数は軟調。ダウは47ドル下落し、年初来安値に近づく。
  • 債券相場は反落。連銀総裁発言や、原油価格の反発に利益確定の売りが優勢となり、長期金利は2.22%台まで急上昇。
  • 金、原油は小幅反発。
    ドル/円 123.89 〜 124.40
    ユーロ/ドル 1.0879 〜 1.0982
    ユーロ/円 135.27 〜 136.13
    NYダウ −47.51 → 17,550.69ドル
    GOLD +1.30 → 1,090.70ドル
    WTI +0.57 → 45.74ドル
    米10年国債 +0.074 → 2.223%

    本日の注目イベント

    • 欧  ユーロ圏7月非製造業PMI(改定値)
    • 欧  ユーロ圏6月小売売上高
    • 米  7月ADP雇用者数
    • 米  6月貿易収支
    • 米  7月ISM非製造業景況指数

    米国の年内利上げはある程度予測できても、それが9月なのか、あるいは12月になるのかを巡っては市場の意見も分かれています。昨日のNY市場では、FOMCでの投票権を有しているアトランタ連銀のロックハート総裁が、9月の利上げが適切との認識を示したことで、株価が下落。債券も売られて金利が上昇し、ドルも主要通貨に対して買われ、ドル円は124円40銭まで上昇しています。

    ロックハート総裁は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙とのインタビューで、「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」と発言し、FOMCは利上げの用意が整う位置に接近しつつあると指摘し、その上で、データが顕著に悪化した場合は、先延ばしすることにも納得すると述べています。(ブルームバーグ)

    先週7月末にも、セントルイス連銀総裁が利上げに前向きな発言をしてドル買いが強まった経緯もありましたが、ここに来て要人による利上げ発言は増えてきています。個人的には一貫して9月利上げを予想して来ましたが、FOMCでの投票権を持っている連銀総裁の発言だけに、心強い援軍と受けとめています。

    この発言により、124円を挟んでもみ合いが続いていたドル円は、124円40銭まで買われ、ユーロドルも再び1.09台を割り込むなど、ドル買いが強まっています。また、利上げを嫌ってNYダウは4日続落し、堅調に買われていた米国債も一転して売られ、長期金利の上昇につながっています。

    もっとも、このまま125円台に乗せるかどうかは不透明ですが、先週の雇用コスト指数や、ISM製造業景況指数などの経済指標の悪化にドルが売られても123円台後半までで、反発しています。市場は徐々に、「9月利上げ」を織り込んできたと見れないこともありません。

    124円40銭までドルが買われたことで、「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を形成しつつあった「1時間足」では上抜けを完成させています。7月30日の124円58銭を頂点とする抵抗線を、昨日抜けています。これは「1時間足」という短期的な動きを示しているに過ぎないため、ここから上記124円58銭を抜いていくかどうかはまだわかりませんが、安易なショートメイクには注意が必要でしょう。

    今週は124円近辺の動きが続いていますが、雇用統計を控えていることを考えると、発表前までに125円をテストする可能性は低いと思われます。雇用統計が予想よりも上振れしてはじめて、125円を試しにいけるのではないかと思われますが、その雇用統計も、開けてみなければ分からない部分もあります。今夜のADP雇用者数にも注目が集まります。

    先ずは124円台を維持できるかどうかが重要ですが、上値のメドは上記124円58銭近辺です。本日のレンジは123円90銭ー124円90銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
    7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------
    7/31 ブラード・セントルイス連銀総裁 「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円123円台半ば →124円手前まで上昇
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和