今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年8月6日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はADP雇用者数が予想に届かなかったことで、124円02銭まで下落したが、その後に発表されたISM非製造業景況指数が大きく上振れたことでドル買いが強まり、2ヵ月ぶりに125円台を記録。
  • ユーロドルもドル買いに押され、1.08台半ばまで下落したが、その後はユーロ買い戻しが活発となり1.09台に戻す。
  • 株式市場はまちまち。ダウは5日続落したが、ナスダックはIT企業の決算内容が良かったことで反発し、34ポイント高。
  • 債券相場は続落。利上げ観測が強まり、2年債を中心に売りが優勢に。長期金利も2.27%近辺まで上昇。
  • 金、原油は続落。原油は在庫が膨らんでいたことが重石に。

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    7月ADP雇用者数     → +18.5万人
    6月貿易収支        → −438億ドル
    7月ISM非製造業景況指数 → 60.3
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    ドル/円 124.02 〜 125.01
    ユーロ/ドル 1.0850 〜 1.0940
    ユーロ/円 135.22 〜 136.20
    NYダウ −10.22 → 17,540.47ドル
    GOLD −5.10 → 1,085.60ドル
    WTI −0.59 → 45.15ドル
    米10年国債 +0.046 → 2.269%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪10月雇用統計
    • 日  6月景気動向指数
    • 英  英6月鉱工業生産
    • 英  BOE金融政策発表
    • 英  BOEインフレ報告
    • 米  新規失業保険申請件数
    • 加  カナダ7月失業率

    堅調に推移していたドル円は、ついに昨日のNY市場で125円台に乗せました。125円台はそう遠くないタイミングであるだろうとは予想していましたが、明日の雇用統計を前に記録するとは予想外の展開でした。経済指標が良好だったことがきっかけでしたが、124円台後半から125円の重要なレベルは、以外にあっさり抜けてしまった印象です。

    昨日のドル円は124円40銭近辺からはなかなか活発な動きを見せず、NYではADP雇用者数が予想より悪かったことで、一旦124円02銭までドルが売られる場面がありました。しかし、そこからの反発はかなり急激で、ISM非製造業景況指数が「60.3」と、約10年ぶりの高水準だったことからドル買いが強まり125円に乗せました。

    ただ125円台に乗せたといっても、ワンタッチ程度であったことから、まだ125円台回復ということでもありません。ここからは、やはり明日の雇用統計に頼るしかありませんが、これで6月10日の黒田日銀総裁が国会で発言し、ドルが急落した「黒田ライン」は突破したことになります。

    この間、ちょうど2ヵ月ほど要しましたが、結局元の水準を回復してきました。ギリシャ・ショックや、中国株の暴落、あるいは原油価格の下落などで、リスクオフの円買いも何度か見られました。専門家の中には、ドル高傾向はもう終わったといった極端な意見も散見されました。しかし先週後半あたりから、再びドル高傾向が強まり昨日の125円につながっています。

    この背景は、日米の金融政策の方向性の違いに尽きます。FOMCメンバーである連銀総裁も、徐々に利上げを示唆する発言を繰り返してきました。昨日もメンバーの一人である、FRBのパウエル理事がCNBCのインタビューで「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」と発言しています。(ブルームバーグ)さらに「今後は極めて強くデータを意識して焦点を合わせていく」とも述べており、明日の雇用統計を含め、ここ1ヶ月ほどの経済指標に注目していることを説明しています。

    ドル円がひとまず125円に達しましたが、米国の長期金利が反転したものの低水準であることに変わりはなく、ここからのドル支援材料にはまだ乏しいと考えられます。125円台を安定的に維持でき、その後に6月5日につけた125円86銭をテストすると見ていますが、時間はかかるかもしれません。9月のFOMCで、「利上げは確実」といったセンチメントが醸成されるまで、あと2回の雇用統計を残しています。もっとも、そのような状況になった場合、利上げ決定の一報では当面の材料出尽くしでドルが売られることがあるかもしれません。本日の予想レンジは124円40銭〜125円40銭程度と見ています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
    7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------
    7/31 ブラード・セントルイス連銀総裁 「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円123円台半ば →124円手前まで上昇
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和