今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年8月19日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は依然として124円台前半から半ばで推移。住宅着工件数が予想を上回ったもののドル買いは続かず、124円40銭近辺で取引を終える。
  • ユーロドルは徐々に値を崩す。前日1.11を割り込んだことで、上値を確認したとの見方もあり、1.1017まで売られる。
  • 株式市場は反落。住宅着工件数は良かったものの、ウォルマートの通期の利益予想が下方修正されたことで売りが優勢に。3指標ともに揃って下落。
  • 債券相場は小幅に反落。住宅着工が8年ぶりの高水準であったことが材料視された。長期金利は2.19%台まで上昇。
  • 金は反落。原油は在庫が4週連続で減少したとの観測から反発。

    *********************
    7月住宅着工件数 → 120.6万件
    7月建設許可件数 → 111.9万件
    *********************
    ドル/円 124.22 〜 124.46
    ユーロ/ドル 1.1017 〜 1.1066
    ユーロ/円 137.05 〜 137.51
    NYダウ −33.84 → 17,511.34ドル
    GOLD −1.50 → 1,116.90ドル
    WTI +0.75 → 42.64ドル
    米10年国債 +0.025 → 2.194%

    本日の注目イベント

    • 日  7月貿易収支
    • 米  7月消費者物価指数
    • 米  FOMC議事録(7月28、29日分)

    ドル円は動きません。昨日はユーロドルでユーロ安が進んだ分、ユーロ円は137円台前半まで下げています。ユーロドルは先週末には1.11台後半まで買われましたが、そこを頂点に下落し、ドル円は水準を変えていないことから、ユーロ円も138円台後半から137円台前半まで落ちてきました。ドル円が動かない以上、足元のユーロ円はユーロドルの動きそのものとなっています。

    7月の住宅着工件数はほぼ8年ぶりの高水準で、前日発表されたNAHB住宅市場指数も10年ぶりの高水準だったことと合わせて、米住宅市場の好調さを端的に表しています。ただ、今後の先行指標である建設許可件数は市場予想を下回っていましたが、全体としてみれば労働市場の堅調さを背景に、住宅市場も好調さを維持していると見られます。

    今朝のNYからのニュースを読むと、NY株式市場では9月の利上げを嫌って軟調な展開が続いていると見られていますが、株式のトレーダーはむしろ世界経済の減速を気にし始めているとの報道もあります。中国が景気減速への対応に苦慮していることが、世界景気にとって大きな懸念材料になっているとの指摘もあります。

    今週発表された日本の4−6月GDP速報値はマイナス1.6%でした。これは3四半期ぶりのマイナス成長でしたが、7−9月期は大幅な伸びを見せると予想しています。安倍首相のブレーンである本田内閣府参与は、ブルームバーグとのインタビュ−で、「前回の増税の影響は薄れつつあるものの、賃金の伸びは予想よりも小さい一方、食品や日常品は値上がりしている」として、3兆円〜3兆5千億円の経済対策が必要との認識を示しています。また現時点での追加緩和は不要なものの、インフレ期待が低下した場合には追加緩和があり得るとの持論も展開していました。

    本日もドル円は動きにくい展開かと思われますが、NYではFOMC議事録が発表されるため、ひょっとしたら、との期待も膨らみます。仮に9月に利上げがあるとすれば、7月のFOMCではこれまで以上に突っ込んだ議論がされている可能性があります。先日、パウエル・FRB理事はCNBCとのインタビューで「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」と述べていたことが思い起こされます。もっとも、議事録で特に突っ込んだ議論がなかったとしたら、失望からドル売りが進む可能性もあります。本日の予想レンジは123円70銭〜124円80銭程度にしたいと思います。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
    7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------
    7/31 ブラード・セントルイス連銀総裁 「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円123円台半ば →124円手前まで上昇
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和