2015年8月20日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 124円台でもみ合っていたドル円は、FOMC議事録をきっかけにドル売りが優勢となり123円68銭まで下落。長期金利の低下や株安、原油安など、中国株の下落とともに、リスク回避の流れが強まる。
- ドル売りが進む中、ユーロはドルに対して反発。一時は1.1134までユーロが買われる。
- 株式市場は大幅に続落。資源価格の下落に加え、アジア市場で株価が下落したことが影響。ダウは162ドル下落し、年初来安値を更新。
- 債券相場は上昇。FOMC議事録を受け、9月利上げの可能性がやや後退。長期金利は2.12%台まで低下。
- ドル安が進んだことから金は反発。原油は在庫が増えていたことで2ドル近い下落を見せ、2009年3月以来となる40ドル台に。
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7月消費者物価指数 → +0.1%
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ドル/円 123.68 〜 124.47 ユーロ/ドル 1.1018 〜 1.1134 ユーロ/円 137.06 〜 137.84 NYダウ −162.61 → 17,348.73ドル GOLD +11.00 → 1,127.90ドル WTI −1.82 → 40.80ドル 米10年国債 −0.067 → 2.127% 本日の注目イベント
- 独 独7月生産者物価指数
- 英 英7月小売売上高
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 8月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 7月中古住宅販売件数
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
124円台で長くもみ合いを続けてきたドル円は、FOMC議事録の公表を境にドル売りが進み、1週間ぶりに123円台をつけています。NY株式市場では株価が大幅に続落し、長期金利も2.12%台まで低下。さらに原油価格も約6年半ぶりに40ドル台まで下落するなど、リスク回避姿勢が強まっており、ドル売り円買いが進みました。ただ、それでも円の上昇幅は従来のイメージと比べると、それほど急激ではなく、むしろドル円は底堅いといった印象さえ残ります。
公表された7月のFOMC議事録では、利上げに向けた環境は整いつつあるとした一方、労働市場に一段の改善余地があるとしています。また、インフレ率が目標に向けて上昇することの確信を深める必要があるとの認識も示したことが明らかになりました。(ブルームバーグ)
この結果、9月利上げ観測が後退し、ドルが主要通貨に対して売られました。議事録では特に、インフレ率が目標値である2%まで上昇するデータが必要との意見が見られ、この日発表された7月の消費者物価指数も、予想を下回る結果になっており、利上げへのネックになっていると見ることもできます。
9月利上げがやや遠のいたのであれば、本来株価にはプラス材料のため株価の反発が見られるはずですが、昨日のNY株式市場では主要株価指数が揃って大幅安になっています。これは中国景気に対する懸念や、昨日は日経平均株価や上海総合指数も大幅に下落したことが影響したと見られます。
そしてさらに株価の下落を加速させたのが、原油価格でした。下げ基調が続いているWTI原油価格ですが、昨日は米原油在庫が予想に反して増加していたことが明らかになり、原油価格は一時40.46ドルまで下げる場面もありました。引け値では40.80ドルと若干値を戻しましたが、前日比4.27%と大幅安となり、2009年3月以来の安値で取引を終えています。原油価格もいよいよ40ドルの大台割れが視野に入ってきたと思われ、原油価格の一段の下げはエネルギー株の下げを通じてNY株式市場全体の下げにつながり、さらにインフレ圧力の後退から利上げが先送りとなり、ドルが売られるといった状況になります。まさに昨日のNYで起きた現象そのものです。今後もチャイナ・リスクとともに、原油価格からも目が離せない状況が続きそうです。
ドル円は短期的な動きを示す「1時間足」では、明らかに下値を探る形を見せています。しかし「日足」ではドル高トレンドは依然として維持されています。先月27日と28日のドル下落時には、52日移動平均線が下落を止めた格好になっていますが、現在その移動平均線は123円58銭あたりに位置しており、目先はこの近辺が最初のサポートレベルとして意識されそうです。
昨日は株価の大幅安のわりには、ドル円はしっかりでした。今日も株価は軟調な展開が予想されますが、日経平均株価が2万円の大台を割り込むような事態になればドル円も上記水準をテストする可能性がありそうです。ドル円が123円台半ばに向かう際、M&Aがらみなど、実需のドル買いがどれほど出るのかも今日のポイントになりそうです。予想レンジは123円40銭〜124円40銭程度と見ます。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。 6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落 6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------ 6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------ 6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------ 6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に 6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------ 7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------ 7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------ 7/31 ブラード・セントルイス連銀総裁 「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円123円台半ば →124円手前まで上昇 8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇 8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる



