今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年8月21日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 124円を挟んでもみ合っていたドル円は、NY株式市場の大幅下落と長期金利の低下を材料にドル売りが進み、123円33銭まで売られる。
  • ドル売りは対ユーロでも進む。ユーロドルは1.1245まで上昇し、約1ヶ月半ぶりのユーロ高を記録。
  • 株式市場は大幅に続落。世界景気の減速懸念や原油安を背景に、売りが優勢となる。これまで上昇してきたブルーチップを中心に下げが加速し、ダウは358ドル下落し、一気に1万7000ドルの大台を割り込む。
  • 債券市場は続伸、世界的な株安と原油安で、リスク資産が売られ、安全資産の債券が買われた。長期金利は2.07%台まで低下。
  • ドルが大幅に売られたことで金は上昇。25ドル高で1153ドルまで買われる。原油価格は小幅に反発して40ドル割れは回避。

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    新規失業保険申請件数    → 27.7万件
    8月フィラデルフィア連銀景況指数 → 8.3
    7月中古住宅販売件数    → 559万件
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    ドル/円 123.33 〜 123.97
    ユーロ/ドル 1.1152 〜 1.1245
    ユーロ/円 138.14 〜 138.72
    NYダウ −358.04 → 16,990.69ドル
    GOLD +25.30 → 1,153.20ドル
    WTI +0.34 → 41.14ドル
    米10年国債 −0.046 → 2.073%

    本日の注目イベント

    • 欧  ユーロ圏8月消費者信頼感(速報値)
    • 英  英7月財政収支
    • 加  カナダ7月小売売上高
    • 加  カナダ7月消費者物価指数

    124円を挟んで一進一退だったドル円は、NYでは株価の急落と、長期金利の低下を背景に123円33銭までドル売りが進みました。昨日の東京市場では123円台80銭前後では底堅い動きを見せていましたが、やはりNYで一気に方向が決められてしまう展開です。

    昨日は、米経済指標は良好でした。失業保険申請件数は増加していたものの、住宅関連の指標は相変わらず良好でしたが、それらにはほとんど反応せず、株価に集中していたと言えます。NYダウは358ドル下げ、年初来安値更新どころか、昨年10月の水準まで下げてきました。ちょうど1ヶ月前には、1万8100ドル台まで買われましたが、既にそこから1200ドル余り下げたことになります。

    利上げ観測に加え、中国景気への不安と原油安が重石となり、株価はジリジリと値を崩してきましが、昨日の下げは、これに世界景気の減速見通しというネガティブな材料が加わったようです。先日FOMC議事録が公表されて以来、9月利上げの可能性は依然として排除できませんが、一時に比べ後退して来ました。ブルームバーグは今朝のニュースの見出しに「さようなら、9月利上げ説」という記事を配信しており、9月のFOMCで政策金利を引き上げると読んでいたトレーダーらは、7月のFOMC議事録で利上げを正当化できるだけの力強さが米経済に備わっているとの確信を得られなかったとして、スタンスを変えている。と報じています。

    9月利上げがないとすれば、本来株価にとってはプラス材料のはずですが、株価は3日続落で、この間の下げ幅も少なくはありません。原油安など資源価格の下落と、中国の景気鈍化が相当足を引っ張っていると見られます。

    株価の下落に比べれば、ドル円の下げは軽微です。またユーロ円などクロス円では、必ずしも円高ではありません。先日の新聞記事にもありましたが、「安全通貨としての円」は徐々にその地位が失われているのかもしれません。NY株式市場が大幅な下落を見せたことで、今日の日本株も大幅下落が避けられないと思われます。日本株に加え、10時から始まる上海総合指数にも注意が必要です。予想レンジは122円80銭〜123円90銭程度にしたいと思います。

    ブルームバーグニュースによると、最近米ステーキ店ではバイソンの肉が人気だそうです。人気の秘密は、草が飼料で、バイソンの肉はカロリーやコレステロール、脂肪が牛肉よりも少ないということのようです。ステーキ店でのバイソンのひれ肉は47ドル(約5800円)で、高級ステーキと同じ位の値段ですが、大きさは半分ほどとのこと。バイソンは牛よりも体が大きく、見ばえも獰猛に見え、たとえヘルシーだとしてもとても食指は動きません。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
    7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------
    7/31 ブラード・セントルイス連銀総裁 「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円123円台半ば →124円手前まで上昇
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和