今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年8月24日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は株価の大幅安と長期金利の低下を材料に連日下値を試す展開。NYダウが500円を超える下げを見せたことで、ドル円は121円82銭までドル売りが進み、その後は若干値を戻すがほぼ安値圏で引ける。
  • ユーロ圏PMIが好調だったことと、ドル安が進んだことで、ユーロドルは約2ヵ月ぶりに1.13台後半まで買われる。
  • 株式市場は大幅続落。世界的な株価の下落にダウは前日比530ドル下げる。約10ヶ月半ぶりに1万6400ドル台まで下落。
  • 債券相場は続伸。株安にリスク回避の流れが加速し、債券に資金が流れる。長期金利は2.03%台まで低下。
  • ドル安に反応し金は続伸。原油は一時40ドルを割り込んだが、引け値では40ドル台に戻す。
    ドル/円 121.82 〜 122.76
    ユーロ/ドル 1.1272 〜 1.1389
    ユーロ/円 138.20 〜 138.91
    NYダウ −530.94 → 16,459.75ドル
    GOLD +6.40 → 1,159.60ドル
    WTI −0.69 → 40.45ドル
    米10年国債 −0.043 → 2.030%

    本日の注目イベント

    • 米  ロックハート・アトランタ連銀総裁講演

    中国に端を発した景気減速懸念は、世界景気の減速懸念へと広がり、世界同時株安を引き起こしています。NYダウは4日続落し、この間の下げ幅は1,086ドルにも達しています。リスク回避の流れは原油など、資源価格の下落にもつながる一方で、安全資産の債券が買われ、金利が全般的に低下しています。また、比較的安全資産の金にも資金が流れているようです。その結果、為替ではスイスフランや円などの安全通貨が買われ易い状況ですが、現時点では2008年のリーマンショクの時の様な「円買い一辺倒」ではないようです。

    ドル円はNY市場で一時121円82銭まで売られました。今の所それほど勢いはありませんが、それまでのサポートレベルを緩やかに下抜けして、現在は120日移動平均線で下げ止まっている状況です。7月8日にドル円が120円41銭まで下落した際にもこの移動平均線でサポートされていましたが、ここが抜けると下落に弾みがつくことも予想されます。

    株価がどこで下げ止まるのかがポイントになりますが、NYダウもS&P500も、テクニカル上のサポートを切ってきています。個人的には9月利上げを予想してきましが、先週の一連の混乱で、利上げの可能性はかなり後退したと思われます。ここで利上げを実施すると、株価にさらに悪影響がでることも考えられ、FRBとしてもそれは望まないはずです。

    来週には8月の雇用統計が発表されますが、ここでよほどの上振れがない限り9月利上げの可能性は低くなってきたと考えられます。ドル円は120円台が一つの重要なサポートと考えられますが、仮にこの先120円台を割り込むことがあってもそのままドルがさらに下落するとも思えません。

    NY株式市場もここからさらに下げれば、割安感も出てくるでしょう。また日本の主要企業は2016年3月期も最高益を更新すると見られ、こちらもさらに下げればPERなどから割安感もでてきます。また今朝の経済紙にもありましたが、活発なM&Aで、ドル買い需要も相当あると考えられます。そのように考えると、120円割れがあれば、少しづつドルを拾っていく戦略も十分考えられます。

    一方で今後確認して行かなければならないのは6月5日に記録した125円86銭で、当面ドルが天井をつけたのかどうかという点です。米利上げが先延ばしになっても、果たして12月には利上げがあるのかどうかということと、日銀の2%インフレ目標の達成が可能なのかどうか、また中国の景気動向などをしっかりと見ていかなければなりません。本日の予想レンジですが、120円40銭〜122円30銭程度にしたいと思います。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。
    6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落
    6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------
    6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------
    6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------
    6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に
    6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
    7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------
    7/31 ブラード・セントルイス連銀総裁 「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円123円台半ば →124円手前まで上昇
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和