2015年8月27日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はNYの株価が急反発したことで緩やかに上昇。120円03銭まで買われたが、連銀総裁が9月利上げに否定的な発言をしたことで、株価の上昇の割りには上値が限られた。
- ユーロドルは利益確定のユーロ売りに押され反落。ドルが買われたこともあり、1.1290までユーロ安が進む場面も。
- 株価は急反発。連日の大幅な下げで値ごろ感も出、さらにNY連銀総裁が9月利上げに否定的な見方を示したこと、また耐久財受注も予想を上回ったことから、株価は2011年以来で最大の上昇を見せた。ダウは619ドル上昇し、1万6000ドル台を回復。
- 株価の急反発に債券相場は続落。長期金利は2.18%台まで上昇する。
- 金は3日続落。原油は小幅に反落。
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7月耐久財受注 → +2.0%
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ドル/円 118.93 〜 120.03 ユーロ/ドル 1.1290 〜 1.1438 ユーロ/円 135.44 〜 136.46 NYダウ +619.07 → 16,285.51ドル GOLD −13.70 → 1,124.60ドル WTI ー0.71 → 38.60ドル 米10年国債 +0.106 → 2.180% 本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏7月マネーサプライ
- 米 4−6月期GDP(改定値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 7月中古住宅販売成約指数
- 米 カンザスシティー連銀主催年次シンポジウム(ジャクソンホール)
昨日の日経平均株価の急反発もあり、ドル円も119円台半ばから後半で推移していたことから、NY株式市場の大幅反発を予想していましたが、結果は予想を上回る反発を見せました。NYダウは619ドル上昇し、2011年以降で最大の上げ幅を記録。ドル円は120円台に若干乗せる場面はありましたが、勢いはありませんでした。
株の急反発はある意味当然です。株価は6日連続で下げ、この間の下げ幅は1880ドルにも達し、率にして10.7%も下落したわけです。自律反発してもおかしくはない状況の中、日本株が急反発を見せ、この日はNY連銀のダドリー総裁が、9月利上げには否定的な発言をしたことも、株価を押し上げるのに十分な材料でした。
総裁はNYで記者会見し、「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」と述べました。一方、「米経済情勢に加え、国際・金融市場の動向に関する情報がもっと手に入るため、FOMC会合までに正常化への論拠が強まる可能性もある」と付け加え、仮に9月利上げがなかったとしても、年内利上げの可能性を残した発言と受け止めることが出きます。
この結果、利上げ観測が遠のいたことで株価が急上昇し、この日発表の7月の耐久財受注が予想を上回ったことも、引けにかけて上げ幅を拡大した要因と見られます。株価の急上昇にも関わらず、ドル円の反発がいまひとつだったのは、利上げ観測が後退したことが効いていると思われます。米利上げの先送りはドルにとっては下落要因になります。株価にとっては上昇要因で、ドルにとってはネガティブな材料でしたが、それでも株価の大幅上昇の方に引っ張られ、120円台をわずかにつけたと考えられます。
NY株式市場の大幅反発は本日の日本株にも好影響を与えます。ドル円はそのあたりを見越して、今朝はNYの高値を抜き、既に120円37銭あたりまでドル高が進んでいます。戻りの最初のレジスタンスは120円50銭近辺です。その上は120円70銭前後と、1時間足の120日移動平均線がある121円後ということになります。
ドル円は月曜日の116円15銭で、目先の底値を打ったと思われますが、このまま上昇するとも思えません。今回の混乱の震源地である中国景気の不透明さと、上海株の不安定さはまだ依然として解消されていません。昨日も述べましたが、基本的には米利上げ観測とチャイナ・リスクが今回の混乱の原因です。ダドリー総裁の発言で前者のリスクは排除されそうですが、後者のリスクはまだ存在します。今後1週間を見るならば、120円を中心に上下2円ほどのレンジをみておかなければならないでしょう。本日のレンジは119円30銭〜121円程度を予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 6/3 ドラギ・ECB総裁 「景気回復は裾野を広げ、内需は金融政策措置によってさらに支えられるはずだ。回復はわれわれの予想通りに進展している」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.12台後半、ユーロ円140円台に。 6/10 黒田・日銀総裁 実行為替レートについて、「ここからさらに円安はありそうにない」衆院財務金融委員会で。 ドル円、124円70銭から122円50銭近辺まで急落 6/16 チプラス・ギリシャ首相 「苦境に陥れた犯罪の責任者はIMFにある」「ECBは金融で窒息させる戦術とてっている」自国の議員に。 ------ 6/16 メルケル・ドイツ首相 「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャをユーロ圏にとどめるためできることは全てしたい」講演で。 ------ 6/18 シェリング・オーストリア財務相 「ゲームは終わった」ユーロ圏財務相会合前に記者団に。 ------ 6/23 パウエル・FRB理事 「米国の景気が十分回復して月に初回利上げを決定できる確率はだいたい半々だ」講演で。 ドル円123円台後半から124円台に 6/28 ダドリー・NY連銀総裁 「今後も経済指標が最近にように改善を続けるならば、9月の利上げは十分可能性がある」講演で。 ------ 7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------ 7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------ 7/31 ブラード・セントルイス連銀総裁 「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円123円台半ば →124円手前まで上昇 8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇 8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる 8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に



