今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年9月2日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 日米の株価が再び大幅に下落したことで、ドル円も下値を試す展開に。NYでは一時119円25銭までドルが売られ、1週間前のリスクオフが再燃。
  • ユーロドルもドルが売られユーロが買われたが1.1320まで買われたものの、上昇力は鈍く、その分ユーロ円は下落。
  • 株式市場は大幅に続落。ISM製造業が予想を下回ったことや、世界的な株価の下落が影響し、ダウは469ドル安。
  • 債券相場は上昇。株安に引っ張られ、10年債利回りは2.15%台まで再び低下。
  • 金は買われ、急反発を見せていた原油価格は大幅に反落し45ドル台に。

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    8月ISM製造業景況指数 → 51.1
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    ドル/円 119.25 〜 120.18
    ユーロ/ドル 1.1233〜 1.1320
    ユーロ/円 134.66 〜 135.45
    NYダウ −469.68 → 16,058.35ドル
    GOLD +7.30 → 1,139.80ドル
    WTI −3.79 → 45.41ドル
    米10年国債 −0.042 → 2.159%

    本日の注目イベント

    • 日  8月マネタリーベース
    • 豪  4−6月期GDP
    • 欧  ユーロ圏7月生産者物価指数
    • 米  8月ADP雇用者数
    • 米  ベージュブック(地区連銀経済報告)

    昨日の日経平均株価が700円を超える下げでNYダウも469ドル下げ、再び先週のようにリスクオフ再燃の雰囲気です。先週もこの欄で述べましたが、FRBによる利上げの可能性はほとんどなくなったと考えており、その意味では不安材料の一つは排除されたとみることができそうですが、もう一つの中国リスクは依然として存在しており、昨日からの混乱も、震源地はここでした。

    昨日発表された中国の製造業PMIが3年ぶりの低水準に落ち込んだことで、ドルが下落。世界景気の先行きに再び不透明感が増してきました。やや小康状態をみせていた上海株が再び下げ基調に転じたことで、世界の主要株式市場がその影響を受け再び「世界同時株安」が起こるのではなかとの不安が浮上してきました。

    今日のドル円も日経平均株価の行方を睨んだ展開でしょう。そして、10時半に始まる上海総合指数の動きが日経平均株価との相関を強めているため、上海株にも注目です。ドル円は先週24日に116円17銭まで急落し、その後28日には121円75銭まで反発するなど、荒っぽい動きを見せています。今週に入って再び下げ足を強めてきていますが、すぐに上記116円を試すとも思えません。

    まずは上記上げ幅の半値が意識され、計算すると118円96銭というレートが導き出されます。本日も日経平均株価がNYダウの影響から再び大幅に下げるようなら、まずこの前後が最初のサポートレベルかと思います。直ぐに116円台を試すとは思えませんが、日米の株価がキャッチボールをしながら下げるようだと、「負のスパイラル」におちいり、その場合には116円台を試すこともないとは言えません。

    ボストン連銀のローゼングレン総裁は昨日NYで講演し、「現状および予測される状況を考慮すれば、ペースは緩やかになる可能性が高いだけでなく、フェデラルファンド(FF)金利は長期的に見ても前回の引き締めサイクルと比べて低い水準になるかもしれない」と述べ、緩やかなペースの利上げが正当化されるとの認識を示しています。(ブルームバーグ)同総裁はどちらかと言えば「ハト派」に近いとされているため、この発言はやや意外感もあります。この辺りが、9月16−17日のFOMCでの利上げを巡る予想を困難にさせているとも言えます。同総裁は今年のFOMCでは投票権を有していることも、利上げ見通しを難しくしています。

    本日も神経質で難しい相場展開になりそうですが、予想レンジは118円90銭〜120円30銭程度にしたいと思います。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
    7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------
    7/31 ブラード・セントルイス連銀総裁 「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円123円台半ば →124円手前まで上昇
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
    8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和