今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年9月10日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 昨日は日経平均株価が21年振りの大幅高を見せたことでドル円は大きく上昇。欧州株も続伸し、朝方のNYでも株高、金利高が続いたことからドル円は121円20銭まで上昇。ただ、午後から株価が急落したことでドル円も下落に転じ、120円台半ばまで売られる。
  • ユーロドルは1.1132まで売られた後反発し、1.12台に乗せる。ユーロ円も135円19銭まで続伸。
  • 株式市場は寄り付き直後から上昇したものの、午後にアップル株が下落に転じると急速に下げ、ダウは結局239ドル下げる荒っぽい動きとなる。前日今年2番目の上昇率を記録したS&P500はこの日、上昇分の半分強を失う。
  • 債券相場は朝方売られ、長期金利も2.2%台まで上昇したが、午後には買い戻され、長期金利は前日とほぼ同水準に。
  • 金は続落。原油も売られ、2週間振りに45ドルを割り込む。
    ドル/円 120.42 〜 121.20
    ユーロ/ドル 1.1132〜 1.1209
    ユーロ/円 134.65 〜 135.19
    NYダウ −239.11 → 16,253.37ドル
    GOLD −19.00 → 1,102.00ドル
    WTI −1.79 → 44.15ドル
    米10年国債 +0.009 → 2.195%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪8月雇用統計
    • 中  中国 8月消費者物価指数
    • 中  中国 8月生産者物価指数
    • 英  BOE金融政策発表
    • 米  新規失業保険申請件数

    株価が連日荒っぽい動きを見せています。前日、年初来安値を記録した日経平均株価は、昨日は大きく切りかえし、終わってみれば21年ぶりの上昇幅となる1343円もの急騰でした。ドル円も株価の動きに連動するように上げ足を速め、欧州からNY市場では121円台前半までドル高が進んだものの、その後は再び軟調な展開になっています。

    結局株価の動きに翻弄されているドル円ですが、その株価の動きも、やはり本命はNY株式市場で、ここでの株価の動きが、世界の株式市場の方向性を決定付けていると言ってもいいと思います。前日急騰したNY株式市場の影響で、昨日は上海を含むアジアの株式市場が大きく上昇しました。昨日のNY株式市場では、結局最後は大幅安で引けていることから、今日の日本を含むアジア株は昨日とは打って変わって軟調な展開が予想されます。株価がまだまだ落ち着きを見せない以上、為替の乱高下も続くと見るしかありません。

    昨日一時大きく上昇していたNY株式市場がその後軟調に推移した理由の一つが、この日発表された7月の求人件数でした。7月の求人件数は前月比43万件増えて、過去最高となる575万件でした。小売や工場、レストランなどの求人が増えたとブルームバーグは伝えています。これらの業種では新規雇用者の確保が難しくなる状況で、その結果賃金が上昇することが予想されます。

    8月の雇用統計では失業率が5.1%と、ほぼ完全雇用に近い状態になっており、職種さえ選ばなければ仕事に就ける状況と見られます。このように良好な労働市場を背景に、依然として「9月利上げ」が有力だという見方が広がり、株価を押し下げたようです。ブルームバーグによれば、「9月利上げ」を予想する向きは、2〜3割程いるようで、この見方が相場のかく乱要因になっていると見られます。やはりこの変動率の大きい相場は、来週のFOMCで「白黒がはっきりするまでは」続くと見るべきでしょう。

    上述のように、本日も株価を巡る動きが中心なります。加えて、本日は中国の経済指標とオーストラリアの雇用統計も発表されます。場合によっては、昨日の雰囲気が一変することも予想されるため、慎重にポジション管理を行うことが必要です。本日のドル円は119円50銭〜121円程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
    7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------
    7/31 ブラード・セントルイス連銀総裁 「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円123円台半ば →124円手前まで上昇
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
    8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和