今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年9月16日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 欧州市場では一時119円40銭まで売られたドル円は、NYに入ると小売売上高が2ヵ月連続で上昇したことや、株高、金利高を反映しドルが買われる。120円49銭までドル高が進み、連日方向感のない展開が続く。
  • ユーロドルは膠着感が強まる。1.13を挟んだ展開が続き、この日も前日と同様なレンジ内に納まる。
  • 株式市場は小売売上高の伸びを好感し大幅に反発。ダウは228ドル上昇し、その他主要株価指数も揃って上昇。
  • 債券相場は反落。特に利上げの影響を受けやすい2年債が売られ、利回りは一時、4年半ぶりの高水準となる。長期金利も2.28%台と、大幅に上昇。
  • 金は反落し、原油は反発。

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    8月小売売上高    → +0.2%
    9月NY連銀製造業景気指数 → −14.67
    8月鉱工業生産    → −0.4%
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    ドル/円 119.59 〜 120.49
    ユーロ/ドル 1.1259〜 1.1329
    ユーロ/円 135.22 〜 135.88
    NYダウ +228.89 → 16,599.85ドル
    GOLD −5.10 → 1,102.60ドル
    WTI +0.59 →  44.59ドル
    米10年国債 +0.105 → 2.288%

    FOMCが間近に迫り、市場は連日「日替わりメニュー」のように上下を繰り返しています。昨日の日経平均株価は、一部に予想された日銀の追加緩和を期待した買いが株価を押し上げ、一時は360円を超える上昇を見せましたが、昼ごろ政策据え置きが発表されると上げ幅を全部吐き出すような展開でした。ドル円もその動きに歩調を合わせるように、120円65銭まで買われた後、120円を割る場面もありました。

    NYでは小売売上高が予想を下回ったものの、7月分が上方修正され、2ヵ月連続で上昇したことを好感して株価が急反発。さらに長期金利も大幅に上昇したことからドル円は堅調に推移しています。株価との相関感関係も「0.7〜0.8」程度まで上昇し、足元では為替が株価を引っ張るのではなく、株価の動きが為替を決めている状況が続いています。

    昨日のNYで特徴的だったのは、2年債の動きでした。政策変更の影響を最も受けやすいとされる2年債は大きく売られ、利回りは0.802%を超える場面もあり、これは2011年4月以来の高水準でした。市場が政策金利引き上げを織り込んだ動きと言えます。明日の会合では、約30%の専門家が利上げを予想していますが、それは少数派です。それでも2年債が売られたのは、単なるポジション調整なのか、あるいは今回見送られたとしても金融引き締めに舵を切ることへの布石なのか分かりませんが、注目すべき動きです。

    FOMCの政策変更は、日本時間18日の朝方3時に発表されます。上述のように、利上げを先送りするとの見方が優勢です。新興国やIMFに続き、世銀も利上げを回避するよう異例のコメントを発表しています。利上げ回避の包囲網が出来上がった感もあります。自国の利益を最優先する米国が、外部環境にそれほど考慮するとも思えない、というのが利上げを予想する専門家の一つの根拠にもなっていますが、本当にそうでしょうか。

    仮に利上げを行い再び世界同時株安がおこるようなら、今度は「米国発」の混乱と言うことになります。FRB議長は年に2回議会で証言を行うことになっています。仮に米国の利上げをきっかけに金融市場が大混乱したら、この議会でかなりの批判を浴びることは必至です。冷静に考えれば、FOMCメンバーがそのリスクをとるとも思えません。利上げがあってもなくても、その後のイエレン議長の発言は世界中から注目されることになります。

    本日は株価の上昇が予想されますが、その際に昨日の東京タイムに記録した120円65銭が抜けるかどうかに関心があります。予想レンジ゛は120円〜121円といったところでしょうか。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    7/7 メルケル・ドイツ首相 「解決策を見出すのにわれわれに残された時間はわずか数日だ」ユーロ圏首脳会議後に。 ------
    7/10 イエレン・FRB議長 「金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える。しかしながら強調しておきたいのは、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」講演で。 ------
    7/31 ブラード・セントルイス連銀総裁 「景気の見通しは引き続きかなり良好だ」、「25bpの利上げは経済にとっては大したことではない」」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円123円台半ば →124円手前まで上昇
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
    8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和