今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年9月18日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • FOMCで利上げが見送られたことからドル円は大きく反落。海外市場ではドルがじり高となり、121円近辺まで買われたが政策金利発表後はドル売りが強まり、119円80銭まで下落。
  • 利上げがなかったことから、ユーロドルは大幅に上昇。約3週間ぶりに1.14台半ばまでユーロ高が進む。
  • 株式市場は利上げ見送りを好感し上昇したものの、イエレン議長が10月利上げの可能性を否定しなかったことから下げに転じた。ダウは65ドル下落し、ナスダックは4ポイント上昇。
  • 債券相場は反発。FOMC声明文で、インフレ圧力が低下すると記述されたことで、債券に買いが集まる。長期金利は2.19%台まで低下。
  • 金、原油はともに下落。

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    8月住宅着工件数      → 112.6万件
    8月建設許可件数      → 117.0万件
    9月フィラデルフィア連銀景況指数  → −6.0
    新規失業保険申請件数     → 26.4万件
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    ドル/円 119.80 〜 120.99
    ユーロ/ドル 1.1294〜 1.1441
    ユーロ/円 136.56 〜 137.45
    NYダウ −65.21 → 16,674.74ドル
    GOLD − 2.00 → 1,117.00ドル
    WTI −0.25 → 46.90ドル
    米10年国債 −0.105 → 2.190%

    本日の注目イベント

    • 日  日銀金融政策決定会合議事要旨(10月6、7日分)
    • 米  8月景気先行指標総合指数
    • 加  カナダ8月消費者物価指数

    今朝方のFOMCでは、予想通り利上げを見送りました。声明文では「最近の世界的な経済・金融情勢は経済活動をやや抑制する可能性があり、短期的にインフレに一層の下向き圧力をかける可能性が高い」と指摘しました。やはり、中国の景気減速を巡る混乱など、外部環境を考慮したことから、FOMCでは政策金利据え置きを決めたものと判断できます。

    この結果を受けて、121円近辺まで買われていたドル円は急速に値を崩し、119円80銭までドル売りが強まり、ユーロドルでもドル売りユーロが買いが活発となり、1.14台半ばまでドル安が進行しました。また株式市場では、利上げが見送られたことを好感し株価が急伸しましたが、その後のイエレン議長の記者会見を受けてマイナス圏に沈み、ダウは65ドル下落し、ナスダックは4ポイント上昇と、「大山鳴動してねずみ一匹」といった格好で、今年最大のイベントを終えることになりました。

    イエレン議長は記者会見で、景気回復の手ごたえを感じ、今回、金利引き上げの可能性について議論したことを明らかにしています。しかし、海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、さらに(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断したと、利上げを見送った理由を述べています。また議長は、今後の利上げのタイミングについて「10月が含まれるのは確かだ」とも語っています。

    昨日この欄でも述べたように、利上げを行うかどうかが第一波で、イエレン議長の記者会見が第二波になると予想しましたが、結果的にはその通りでしたが、波の高さは予想よりも低かったと言えます。同時に、今回は利上げを見送りましたが、年内にあと2回あるFOMCで利上げを行う可能性は、依然として残っています。10月の利上げのタイミングも否定しませんでしたが、果たしてこれから1ヶ月以内に中国の混乱が収まるかどうかは不透明で、結局今後も米利上げを巡る市場の混乱は残ることになります。FRBとしても、一日でも早く正常な金融政策への道筋をつけたかったに違いありませんが、外部環境を考慮して今回の決断を行ったことは理解できます。

    今後の予想ですが、引き続き変動率の高い相場展開が続く思われますが、変動幅は徐々に低下していくのではないかと思います。来週25日には習近平中国国家主席が訪米し、オバマ大統領と首脳会談を行います。中国とすれば、少なくともそれまでは「中国発の世界同時株安」は避けたいとの思惑もあるはずです。中国株価が安定すれば世界同時株安の可能性は低く、ひいては為替の安定にもつながると予想します。

    結局相場は元の水準に戻った格好ですが、クロス円を見ると、円安傾向が続いていることが窺えます。本日のドル円のレンジは、119円50銭〜120円80銭程度を予想します。

    シルバーウィークが始まります。気温もちょうど暑くも寒くもなく、すごしやすい季節です。連休中も為替の変動があるかもしれませんので、注意は必要です。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
    8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和