今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年9月25日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 欧州時間に入ると下げ足を早めたドル円は、NYの朝方には119円21銭まで下落。株安、金利低下に反応したが、株価が下落幅を縮小したことで買い戻しが入り、今朝方のイエレン議長の発言に120円30銭近辺まで反発。
  • ユーロドルも朝方はドル安の流れに1.13に届くレベルまで買われたが、その後のイエレン発言にドルが買われ、1.11台後半までユーロ安が進む。
  • 株式市場は独フォルクスワーゲンの不正問題の影響もあり、大幅な下落で始まったが、原油が上昇したことでエネルギー株が買い戻され、下げ幅を縮小。それでもダウは78ドル下落し、1万6200ドル台まで下げる。
  • 株価が下落したことから、債券には資金が集まり価格は上昇。長期金利は一時2.1%を割る場面も。
  • 金は大幅に続伸し1153ドルと、約1ヶ月ぶりの高値に。原油も反発。

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    新規失業保険申請件数  → 26.7万件
    8月耐久財受注   → −2.0%
    8月新築住宅販売件数  → 55.2万件
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    ドル/円 119.21 〜 120.10
    ユーロ/ドル 1.1205〜 1.1296
    ユーロ/円 134.24 〜 134.93
    NYダウ −78.57 → 16,201.32ドル
    GOLD +22.30 → 1,153.80ドル
    WTI +0.43 →  44.91ドル
    米10年国債 −0.025 → 2.128%

    本日の注目イベント

    • 日  8月消費者物価指数
    • 欧  ユーロ圏8月マネーサプライ
    • 米  米中首脳会談
    • 米  4−6月期GDP(確定値 )
    • 米  9月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)
    • 米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演
    • 米  ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演

    独フォルクスワーゲンの排ガス試験を巡る不正問題が、米国だけではなく欧州でも行われていたことが明らかになり、ドイツDAXをはじめ、欧州株が軒並み下げたことで、リスクオフから円が買われる展開となり、ドル円は119円21銭まで下落しました。昨日の東京の朝方からは1円以上の円高が進みましたが、その後買い戻しが入り、今朝方のイエレン議長の発言から120円30銭近辺まで値を戻し、結局「往って来い」の相場展開でした。

    イエレン議長は、日本時間今朝方、マサチューセッツ州で講演し、自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいると述べ、ただし経済面で「予想外の出来事」が生じた場合はこうした見通しが変わり得ると語っています。

    イエレン議長のこの発言で、先週は見送られた利上げが、依然として年内あと2回あるFOMCで決定される可能性もあることが確認できたことになります。外部環境の変化が政策判断に与える影響は大きいものの、FRBとすればできるだけ早い段階で正常化への筋道はつけておきたいとの考えがあることが窺えます。

    ドル円は1円の値幅で「往って来い」の展開となりましたが、120円を挟み、まだ明確な方向性は見極めにくい状況です。ただ、じっくりとチャートをみれば、8月の後半から始まった世界同時株安の割にはドル円は健闘していると言えないこともありません。因みに、NYダウが4日間で1086ドル下げた8月23日ごろのドル円は121円台後半でした。

    株価が大きく売られ、債券が買われたことで米金利が低下しました。典型的なリスクオフの動きのなかで、ドル円は一時116円台前半まで売られる場面もありましたが、それも「瞬間風速」で、概ね119円〜121円のレンジ内で動いています。先週のFOMCで利上げが見送られたにも関わらず、ドルの下値はそこそこ堅いと見ることもできます。この背景には、 日米欧では景気が順調に拡大している米国が、いずれ利上げに踏み切るとの見方があるということです。

    米国の利上げ観測、中国景気の減速と通貨切り下げ、そして今度はフォルクスワーゲンの不正問題など株式市場は大混乱が続いています。多くのヘッジファンドにとっても、2015年度は「困難な年」になりそうです。個人投資家の皆さんもここは守りの時期と割り切って、株式市場をはじめ、金融市場が落ち着きを取り戻すまでは、大きな損をしないように心がけるべきでしょう。

    本日もドル円の上値は重い展開が続くと思われます。安倍首相の「GDP600兆円」も具体策や達成時期はまだ不明です。株価が急反発しないという前提にたてば、ドル円のレンジは119円30銭〜120円70銭程度と予想します。

    ラグビー、ワールドカップで日本代表が南アフリカを破ったことで、翌日のテレビはどこもラグビー一色でした。実は筆者も40年以上ラグビーを見てきて、今回の勝利は快挙だと思います。野球で言えば、高校生チームがプロ野球チームを破ったとは言いませんが、社会人チームを破ったくらいの快挙ではないでしょうか。かつて大西鉄之助氏が考案した「カンペイ」のように、体力的に劣る日本人には独創的な戦略が求められますが、今回のモールからのスクラムトライも日本的な攻撃方法に見えました。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
    8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和