今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年9月29日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 120円台前半で取引が始まったドル円は、株価の大幅下落や、長期金利の低下に120円を割り込み、119円70銭までドル安が進む。
  • ユーロドルでもドル安が進み、1.12台半ばまでユーロが買い戻される。
  • 株式市場は大幅に下落。日欧で株価が下げたことや、中国景気への不透明感からダウは312ドル下落し、約1ヶ月ぶりの安値となる1万6000ドル台まで売られる。
  • 債券相場は続伸。株安や商品相場の下落を背景にリスク回避の債券買いが進んだ。長期金利は2.1%を割り込む水準まで低下。
  • 金は続落し、原油は反落。

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    8月個人所得     → +0.3%
    8月個人支出     → +0.4%
    8月PCEコアデフレーター  → +1.3%
    8月中古住宅販売成約指数  → −1.4%
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    ドル/円 119.70 〜 120.33
    ユーロ/ドル 1.1146 〜 1.1248
    ユーロ/円 133.94 〜 134.89
    NYダウ −312.78 → 16,001.89ドル
    GOLD −13.90 → 1,131.70ドル
    WTI −1.27 → 44.43ドル
    米10年国債 −0.062 → 2.098%

    本日の注目イベント

    • 独  独9月消費者物価指数(速報値)
    • 欧  ユーロ圏9月景況感指数
    • 欧  ユーロ圏11月消費者信頼感指数(改定値)
    • 米  7月ケースシラー住宅価格指数
    • 米  9月消費者信頼感指数

    ドル円は120円を挟んだ展開が続いています。先週末のNYでは121円24銭まで買われたドル円は、週明けの日欧の株式市場で、株価が大きく下落したことを受けて、NYダウなど主要株価指数が大幅安となり、つられてドルが売られて対円でも119円70銭までドル安が進行しました。中国の工業利益が前月比大幅に減少したことで、再び中国景気への不安が台頭し、世界の主要株価下落へとつながっています。

    中国の経済成長がどの程度減速しているのかが不透明なことが、市場の不安心理を増幅しているとの指摘もある中、今朝の経済紙は、日本経済研究センターが試算した中国GDPは公式の7%から大きく減速していとる報じています。試算は「銀行貸し出しの伸び」などの数字を使い試算したものですが、それによると中国の4−6月期の実質GDPは4.6%〜6.5%の範囲内だったとしています。中国政府が発表した同期間のGDPは7.0%だったわけですが、やはりかなりの開きがあるのは事実のようです。以前、中国の経済専門機関からも実質GDPは4%台との試算もありました。

    昨日は二人の地区連銀総裁の講演があり、年内の利上げには前向きな考えと、先延ばしすべきだという認識を示しています。市場への影響はなかったようですが、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、年内の利上げ予想を繰り返しましたが、不動産価格の急激な上昇には警告を発していました。

    一方ハト派の重鎮であるシカゴ連銀のエバンス総裁は、「利上げ開始を遅らせ、その後の金融政策正常化へのアプローチを緩やかなものにすることで、経済は今後直面し得る課題に最もうまく対応できるようになる」として、利上げ開始を先延ばしすることが得策との認識を示しました。

    利上げが10月か12月か、あるいは来年以降になるのか見方は分かれていますが、その重要な判断材料となる雇用統計は、今週末のそれを含めて年内にあと3回確認することができます。当然ですが、これらは利上げ判断に非常に重要な影響を与えることになります。すでに9月の非農業部門雇用者数は20万人程度が予想されており、今後3回とも20万人程度であれば少なくとも雇用者数という観点からは、利上げを先送りする理由はみつからないと思われます。失業率も前月と同じ5.1%と予想されています。問題は賃金と広義の失業率の数字がFRBが安心する水準には戻っていないという点です。週末は、こちらの数値にも注目する必要がありそうです。

    本日も株価の大幅安を受けて、ドル円は下値を試す展開が予想されます。先ずは、昨日のNYのドル安値である119円70銭がサポートで、さらに先週記録した119円20銭が次のサポートでしょう。株価が大幅に下落する割には円高が急激に進まないイメージがありますが、上海株の急落には注意したいと思います。予想レンジは119円〜120円50銭程度とします。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
    8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和