今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年10月2日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はアジアから欧州にかけては120円台を維持していたものの、NYではISM指数が軟調だったことから下落。一時119円49銭までドル売りが進んだが、株価が持ち直したことで120円近辺まで戻して引ける。
  • ユーロドルは1.12前半を上値にもみ合い。欧州景気の下振れ懸念を背景に1.11台半ばまで売られるも、方向感がつかめない展開。
  • 株式市場はまちまち。朝方は経済指標の悪化に、ダウは200ドルを超える下落を見せたが、午後には下げ幅を急速に縮める。 ダウは12ドル下落し、S&P500は3ポイント上昇。
  • 債券相場はほぼ横ばい。雇用統計の結果を見極めたいとする姿勢の中、小動きに終始。
  • 金は小幅ながら5日続落。原油も続落し45ドルを割り込む。

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    新規失業保険申請件数  → 27.7万件
    9月ISM製造業景況指数 → 50.2
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    ドル/円 119.49 〜 119.96
    ユーロ/ドル 1.1152〜 1.1209
    ユーロ/円 133.52 〜 134.25
    NYダウ −12.69 → 16,272.01ドル
    GOLD −1.50 → 1,113.70ドル
    WTI −0.35 → 44.74ドル
    米10年国債 米10年国債 +0.003 → 2.038%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪8月小売売上高
    • 日  8月失業率
    • 日  9月マネタリーベース
    • 米  9月雇用統計

    ドル円はますます動きが鈍くなり「三角保ち合い」(さんかくもちあい)の展開が強まってきました。昨日は日本株の急伸を背景に、120円台での時間帯が長く続きましたが、上値を試す勢いもなく、NYでは9月のISM製造業景況指数が予想を下回る「50.2」と、2013年5月以来の低水準であったことから、119円台半ばまでドル売りが進んでいます。その後は120円近辺まで戻したことから、120円台半ばから上値は重いが、119円台前半は底堅いという展開が続いています。注目は、今夜の雇用統計で「三角保ち合い」のどちらかに抜けきれるかというところです。

    昨日の昼前あたりからドル高が進み、同時に株価が急速に上昇しましたが、ブルームバーグ・ニュースに、岩田元日銀副総裁のコメントが流されたことが原因と見られます。ブルームバーグ・ニュースによれば、岩田氏は、実体経済は日銀の想定以上に悪化しており、エネルギーを除く物価の上昇もそろそろピークアウトする可能性があるとした上で、経済・物価情勢は「日銀が何かをやらざるを得ない方向に動いている」との認識を示しました。

    追加緩和を行うべきだという認識を示したわけですが、その内容としては、より長い期間の国債の購入や地方債なども購入すべきとしています。また準備預金の付利を引き下げる選択肢もあるともしています。今回の報道だけではなく、このところ追加緩和観測に関連した報道が多いことも特徴的です。

    それは先ず、今月6−7日に日銀金融政策決定会合が開催され、さらに30日にも展望レポートの公表と伴に、会合が開催されることが背景です。特に30日の会合では、昨年も同じタイミングで「サプライズ緩和」があったことから、いやが上にも期待は高まります。ただ、日銀は追加緩和に関しては非常に慎重です。

    8月の消費者物価指数は、ついにマイナス圏に沈みましたが、黒田総裁はその後の会見でも「物価の基調は変わっていない」と、これまでの姿勢を堅持しています。個人的には、まだ追加緩和の機は熟していないと考えていますが、「戦力の逐次投入はしない」と公言している黒田総裁ですから、どこかで再び「サプライズ」がないとは言い切れません。

    今夜は雇用統計です。予想レンジはややワイドに、119円〜120円80銭程度にしたいと思います。

    10月です。1年で最もすごしやすい季節です。スポーツの秋、読書の秋、あるいは旅行の季節でもあります。皆さんは、どんな秋を満喫しますか?そうそう、食欲の秋でもあります。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
    8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和