今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年10月5日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 米雇用統計が予想を大きく下回ったことから、ドル円は急落し、一時は118円68銭までドル安が進む。ただ、その後は株価が急速に値を戻したことから、119円90銭近辺までドルが買い戻される。
  • ユーロドルも同じように、雇用統計発表後には1.13台前半までユーロ高が進んだが、その後は急速に値を崩し1.11台半ばまで反落。
  • 株式市場は荒っぽい展開を見せながらも続伸。低調な雇用統計の結果を受けて、ダウは一時250ドルほど下落したが、その後は利上げが先送りになるとの見方が株価を押し上げ、結局ダウは200ドル上昇。
  • 債券相場は続伸。年内の利上げは難しいとの見方が拡大。長期金利は2%を割り込み、約5週間ぶりの低水準を記録。
  • 金は大幅に反発。原油も小幅に反発。

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    9月非農業部門雇用者数 → 14.2万人
    9月失業率  → 5.1%
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    ドル/円 118.68 〜 120.41
    ユーロ/ドル 1.1153〜 1.1319
    ユーロ/円 134.13 〜 134.88
    NYダウ +200.36 → 16,472.37ドル
    GOLD +22.90 → 1,136.60ドル
    WTI +0.80 → 45.54ドル
    米10年国債 −0.048 → 1.990%

    本日の注目イベント

    • 欧  ユーロ圏9月サービス業PMI(改定値)
    • 欧  ユーロ圏8月小売売上高
    • 英  英9月サービス業PMI
    • 米  9月ISM非製造業景況指数
    • 米  9月労働市場情勢指数(LMCI)

    雇用統計の結果には驚きました。非農業部門雇用者数は、市場予想の20万人に対して、14.2万人と、今年3月以来の低水準でした。このところ平均すれば順調に20万人程度は維持してきた雇用者数でしたが、一気に減速しましたが、特に製造業の減少が目立ち、ドル高による影響が出ている可能性が高いと思われます。非農業部門の雇用者数は、7月分と8月分も下方修正されています。

    さらに労働参加率も62.4%で、先月の62.6%から0.2ポイント低下し、1977年10月以来の低水準です。好調だった労働市場がここまで鈍化すると、年内利上げがないのではないかとの見方が急速に台頭してきました。個人的には12月利上げを予想していますが、修正を迫られる状況になってきました。仏銀最大手のBNPパリバは今回の雇用統計の結果を受けて、12月利上げを予想していましたが、来年3月に見通しを変更しています。

    ただ12月のFOMCまでには、まだ2回雇用統計の結果を確認することができます。今回の結果だけで米労働市場がピークアウトしたとするのは、まだ時期尚早といえると思います。セントルイス連銀のブラード総裁は今回の雇用統計を受けた上で、年内の利上げを支持する発言を行っています。

    今回の低調な雇用統計を受けて、再び利上げ時期を巡って市場が混乱するのは必至でしょう。また、為替に与える影響も先週末のNY市場で見られたように、利上げ先送りで米金利が低下すればドル売りで反応しますが、利上げ先送りを好感して株価が上昇すれば、ドル買い材料になるため、ポジション管理も簡単ではありません。

    FRBが今回の雇用統計の結果を注視することは十分予想できますが、FOMCメンバーの中でも見方が分かれていることも、地区連銀総裁の発言などで明らかです。今週からは米企業の7−9月期決算も始まります。トムソンロイターは、7−9月期の決算は、前年同期比4%の減益になると予想しています。米企業決算が上記4%以上の減収になるようだと、企業の資金調達にも影響を与える「利上げ」は先送りになることも予想されることから、決算の結果にも目配りが必要です。

    今朝の報道では、TPPが大筋合意と伝えられています。困難を極めた交渉でしたが、ようやく合意に達するようです。本日の株価が自動車株を中心にこの結果をどこまで好感するかで、株価の動きも変わってきます。株化の上昇に、ややドルが買われる場面があるかもしれませんが、上値は限られるのではないかと予想します。ドル円のレンジは119円30銭〜120円50銭程度とします。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
    8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和