今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年10月23日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はドラギECB総裁の発言をきっかけに上昇。約1ヶ月半ぶりに120円78銭までドルが買われる。
  • ドラギ総裁がさらなる緩和政策を示唆したことからユーロドルは急落。1.13台から1.11まで売られ、ユーロ円も133円台後半まで下落。
  • 株式市場は大幅に上昇。ドラギ発言を受け、欧州株が大幅に上昇したことや、企業決算も好調だったことからダウは320ドル上昇。
  • 債券相場は前日とほぼ変わらず。一時買われて金利が低下する場面もあったが、2.03%前後まで値を戻して取引を終える。
  • 金が続落。原油は小幅に反発。

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    8月FHFA住宅価格指数 → +0.3%
    新規失業保険申請件数  → 25.9万件
    9月中古住宅販売件数  → 555万件
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    ドル/円 119.74 〜 120.78
    ユーロ/ドル 1.1100〜 1.1323
    ユーロ/円 133.76 〜 135.62
    NYダウ +320.55 → 17,489.16ドル
    GOLD −1.00 → 1,166.10ドル
    WTI +0.18 →  45.38ドル
    米10年国債 ±0 → 2.029%

    本日の注目イベント

    • 独  独10月製造業PMI(速報値)
    • 独  独10月サービス業PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏10月製造業PMI(速報値)
    • 欧  ユーロ圏10月サービス業PMI(速報値)
    • 加  カナダ9月消費者物価指数

    ドル円は9月中旬以来のドル高となり、一時120円78銭まで上昇しました。先週、118円をテストして下値を試しましたが、抜け切れずに押し戻されています。今度は、ドルの上値を試す展開になっていますが、現時点では121円台に乗せて、ここを維持できるかどうかは、依然として微妙なところです。ただ、今回はドラギECB総裁のコメントがきっかけで、市場は再び日米欧の「金融政策の方向性の違い」に着目して来ました。来週27−28日のFOMCと30日の日銀決定会合の結果が、今後の相場展開に大きな影響を与えることになりそうです。

    ドル上昇のきっかけはECB理事会後の、ドラギ総裁の記者会見でした。総裁は「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」と述べ、年内に新たな刺激策を行う可能性を示唆しました。さらに総裁は「今日、事態は変わった。これは必ずしも、特定のこの手段を使うことを示唆しているわけではないが、議論は非常にオープンだった」とも述べています。発言内容から、今後国債などをさらに買い増すことや、準備預金のマイナス金利をさらに拡大させると見られます。総裁は発言の中で、「警戒を怠らずにいたい」をいう言葉を付け加えていましたが、この「警戒」という言葉は、トリシェ前総裁が政策変更が差し迫っていることを示唆するために使った言葉です。(ブルームバーグ)

    ドル円は約一月半ぶりに「雲」の上限を試しています。これまで、長い間この雲に上昇を抑えられていましたが、今回再び「雲抜け」を試していると思われます。ただ、一方で日足の「MACD」は、ゴールデンクロスを見せてはいるものの、依然として「マイナス圏」での推移です。上記「雲」を明確に上抜けすれば、「MACD」も「プラス圏」に入るでしょう。

    現時点では118−121円のレンジ内での取引が継続されていると見られます。米国の利上げ観測が強まり、日銀の追加緩和観測が強まるようだと、ドル円は121円を安定的に保ち、時間をかけながら123円程度まで上昇するのではないかと予想しますが、それはあくまで上記2つの条件が揃わなくてはなりません。

    昨日発表された経済指標でも、中古住宅販売件数も好調さを維持しており、失業保険申請件数も極めて低水準でした。4週平均では1973年以来最低を記録しています。また、懸念されていた米企業決算でもマクドナルドやイーベイなどは、市場予想を上回る決算を見せており、利上げの可能性が依然として残っているとも言えます。レンジ内取引が続いていますが、レンジが抜けた時には素直にその方向に「順張り」で望むことが有利かと思います。長い間溜め込まれたエネルギーは、予想以上に大きく、強い可能性があるからです。

    本日は堅調な株価を背景に120銭20銭−121円20銭のレンジを予想しますが、久しぶりのドル高水準であることから、ドル売り需要もそこそこ見込まれます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
    8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和