2015年10月26日(月)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は株高と長期金利の上昇を背景に、8月末以来となる121円49銭までドル高が進む。中国が追加緩和に踏み切ったことで日銀の追加緩和観測がさらに高まった。
- ドル高の流れに、ユーロドルは一時1.10を割り込み、1.0997までユーロ安が進む。先週のドラギ総裁の発言から12月にも追加緩和が実施されるとの見方が優勢。
- 中国が追加緩和を実施したことや、マイクロソフトなどIT企業の好決算を受けて株価は続伸。ダウは157ドル上昇し1万7600ドル台を回復。
- 中国の利下げを受けて債券は売られる。10年債利割りは2.08台まで上昇し、2週間ぶりの高水準となる。
- 金、原油はともに下落。
ドル/円 120.66 〜 121.49 ユーロ/ドル 1.0997〜 1.1100 ユーロ/円 133.37 〜 133.94 NYダウ +157.54 → 17,646.70ドル GOLD −3.30 → 1,162.80ドル WTI −0.78 → 44.60ドル 米10年国債 +0.051 → 2.080% 本日の注目イベント
- 中 中国 5中総会
- 独 独10月IFO景況指数
- 米 9月新築住宅販売件数
中国が予想外の政策金利と預金準備率の引き下げを決めたことで、NY市場では株価が一段高をみせ、ダウは157ドル高、S&P500は8月以来の下げ幅を埋める結果となり、債券が売られ上昇した長期金利に反応する形で、ドル円も121円台半ばまで上昇しました。
先週末の東京市場では、予想通り120円台半ばではドル売需要が強く、日経平均株価が大幅な上昇を見せたにも関わらず、上値が抑えられていました。しかし、その後の海外市場では上述のようにドルが一段高となり、ドル円は8月末以来の121円台半ばまで上昇してきました。
市場のセンチメントも、ユーロ安を軸に、ドル高を予想する声が徐々に高まってきています。円についても、今週のFOMCでは利上げを予想する見方は少ないものの、週末の日銀の金融政策決定会合では、展望レポート(経済・物価情勢の展望)を発表することもあり、「追加緩和」観測が高まっています。これがドル円を押し上げている部分もあり、逆に、仮に日銀が動かなかった場合には、その反動も予想されます。
今週末の日銀会合での追加緩和観測は確かに高まってはいます。ECBが12月にも追加緩和に踏み切るとの見方や、中国でも追加緩和を実施したことも期待が膨らむ背景となっていますが、日銀内部には依然として追加緩和には慎重な見方が強いという報道もあります。筆者も、その可能性は低いと予想しています。
それは、現在のドル円と株価の水準が、追加緩和を催促していないと思われるからです。一時118円割れ目前まで進んだドル円は、2ヵ月ぶりに121円台半ばまで値を戻しています。同様に、一時は1万7000円を割り込んだ日経平均株価も、どうやら今日にも1万9000円台を回復しそうな勢いです。これらの水準からは追加緩和を実施する必要性は高くはありません。ただ、それでも2016年前半には「2%の物価上昇」を何としても達成したい日銀にとっては、多くの専門家が「達成は非常に困難」と予想している中、追加緩和で物価を押し上げる効果も見込めるためその実施には微妙なところもあります。
もっとも、2%達成目標を先延ばしすることも考えられため、すぐさま政策出動と言うわけにはいかない面もあります。現時点では政策出動はないと予想しますが、その前に29日に発表される9月の鉱工業生産が非常に注目されそうです。決定会合直前の指標ということもあり、最終判断に影響を与えそうだからです。事前予想は「−0.5%」と予想されています。
本日も株価の上昇が見込まれ、ドル円は堅調に推移すると思われますが、先週末と同様に上値は重いと見ています。先週末に比べ1円ほどの円安水準です。ドル売りが出てもおかしくはありません。期待は海外市場でしょう。8月下旬に記録した121円75銭がひとつのメドと考えますが、その上にある「120日線」は122円前後にあり、最終的にはこの水準を抜けて上昇できるかどうかが目先の焦点です。予想レンジは120円80銭〜121円80銭程度にしたいと思います。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇 8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる 8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に 9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に 9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰 9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落 9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇 10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 -------- 10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。



