今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年10月28日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は、株安や軟調な経済指標、さらに米軍が南シナ海に駆逐艦を航行させたことでドルが下落。120円前半から半ばでの動きに終始し、サプライズはない、としながらもFOMCの結果を見極めたいとする姿勢が強まった。
  • ユーロドルも1.10台でもみ合い。ユーロが上昇した際には将来のユーロ安を見込んだ売りも根強いため、上値も1.1080で抑えられる。
  • 株式市場は続落。経済指標の結果や原油価格の下げで、石油株を中心に下げる。ダウは41ドル下げ、S&P500も5ポイン下落。
  • 債券相場は続伸。耐久財受注など経済指標が冴えず、FOMCでは利上げはないとの見方が強まった。長期金利は2.04%前後まで低下。
  • 金は反落し、原油は3日続落。

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    9月耐久財受注      → −1.2%
    8月ケースシラー住宅価格指数   → +5.09%
    10月消費者信頼感指数    → 97.6
    10月リッチモンド連銀製造業景気指数 → −1
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    ドル/円 120.16 〜 120.48
    ユーロ/ドル 1.1030 〜 1.1080
    ユーロ/円 132.73 〜 133.21
    NYダウ −41.62 → 17,581.43ドル
    GOLD −0.40 → 1,165.80ドル
    WTI −0.78 → 43.20ドル
    米10年国債 −0.021 → 2.037%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪7−9月消費者物価指数
    • 米  FOMC 政策金利発表

    昨日発表された米経済指標は軒並み予想を下回る結果で、明日の未明に発表されるFOMC声明分では利上げ観測がますます遠のいて来ました。加えて、米国が南シナ海に駆逐艦を航行し、哨戒活動を行ったことで、円が買われた面もあり、ドル円は120円16銭までドル売りが進行しました。

    つい先日、オバマ大統領と習主席のトップ会談があったばかりですが、そこでも南シナ海を巡る問題で歩み寄りをみせなかった中国に対して、哨戒活動という目に見える形で圧力を加えているものと見れます。今のところ、軍事衝突に至る可能性は低いと見られますが、南シナ海問題は簡単には解決しそうもないため今後緊張が高まれば円高要因になることも予想されます。

    ドル円は週明けの早朝に121円59銭まで上昇したものの、その後はじり安の展開が続いており、120円割れが意識される状況になっています。先週のドラギECB総裁の、年内の追加緩和を示唆する発言や、それに続く中国の利下げを背景に、今週末の日銀金融政策決定会合での追加緩和観測が急速に高まったことが、ドル円を押し上げましたがここに来て、その期待も徐々にしぼみ始めてきた感があります。

    「2%の物価上昇を達成するためには何でもする」と繰りかえし、「必要ならばちゅうちょなく行動する」と公言してきた言葉を考慮すれば、目標達成がほぼ困難な状況下では、「ちょうちょなく行動する」と考えても不思議ではありません。特に今回は展望レポートで、成長率と物価見通しを下方修正すると見られているだけに、タイミング的には適切だと思われている面もあります。

    ただ、それでも日銀は動かないとする見方が増えてきています。手持ちのカードが限られている日銀にとって、最後のカードはできるだけ緩和の効果が最大となるタイミングを模索していると思われます。足元のドル円と日経平均株価の水準からは、すぐに行動する必要性があると思えないのも事実です。「黒田総裁はサプライズが好きだ」というだけでは、説得力には欠けます。

    ドル円は120円台を保ってはいますが、依然として上値の重い展開に変わりはありません。仮に、週末の会合で追加緩和が見送られた場合には、やはり円が買い戻されるのはやむを得ないと思われます。どこまで円高が進むかはわかりませんが、119円半ばを割り込むようだと、今回もレンジ上抜けが失敗に終わり、再び元のレンジ相場に戻ることになりそうです。FOMCと日銀決定会合が無風で終われば、それなりに失望感も出てくるものと思われます。

    明日の未明にFOMC声明文が発表されることから、今日は無風であっても動きにくいことには変わりありません。本日の予想レンジは119円80銭〜120円80銭程度とします。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    8/4 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「私の個人的見解は、現在のところ行動しないことへのハードルは高い」WSJ紙とのインタビューで。 ドル円124円→124円40銭まで上昇
    8/5 パウエル・FRB理事 「時は近づいている。6月のFOMC会合では大半のメンバーが、年内いずれかの時点で利上げする状況になったとの認識を持っていたと思う」CNBCとのインタビューで。 ドル買いが強まる
    8/27 ダドリー・NY連銀総裁 「現時点での私の考えでは、9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は、数週間前に比べやや弱くなっているようだ」記者会見で。 NYダウ619ドル上昇の一因に
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和