2015年11月6日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は続伸。12月利上げを織り込むように、ドルがゆっくりと買われ、一時122円丁度までドル高が進む。その後は株安や、失業保険申請件数が軟調だったことを受け121円台半ばまで下げる。
- ユーロドルは1.08台前半では、利益確定の買いが優り底堅い動きを見せたものの、方向感のない展開となり小動き。
- 株式市場は続落。一時はプラス圏で推移する場面もあったが、引けにかけては小幅安。ダウは4ドル下げ、ナスダックも14ポイント下落。
- 債券相場は小幅ながら続落したが、今夜の雇用統計を見極めたいとの空気が優勢。長期金利は2.24%近辺まで上昇。
- 金は6営業日続落。原油も続落し45ドル台に。
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新規失業保険申請件数 → 27.6万件
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ドル/円 121.52 〜 122.00 ユーロ/ドル 1.0858 〜 1.0898 ユーロ/円 131.99 〜 132.73 NYダウ −4.15 → 17,863.43ドル GOLD −2.00 → 1,104.20ドル WTI −1.12 → 45.20ドル 米10年国債 +0.011 → 2.239% 本日の注目イベント
- 豪 豪第3四半期金融政策報告
- 日 9月景気動向指数
- 日 黒田日銀総裁、内外情勢調査会で講演
- 独 独9月鉱工業生産
- 英 英9月鉱工業生産
- 英 英9月貿易収支
- 米 10月雇用統計
- 米 10月消費者信用残高
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 加 カナダ10月失業率
ドル円は、今週に入ってからは緩やかに底値を切り上げていく展開が続いており、昨日のNYではついに122円丁度までドル高円安が進んできました。ただその後はこの水準が天井となり、121円台半ばまで下げる場面もありましたが、依然としてドル堅調な地合いは続いています。
昨日のこの欄で、122円を明確に抜けないと上昇トレンドは加速しないと述べましたが、昨日は122円を頭に上昇が止まっています。この水準の直ぐ上に、重要な「120日移動平均線」があることが意識されたことは言うまでもありません。ドル円は東京市場では上値が重く、じりじりとドル売りに押されますが、海外市場に入るとドル買いが活発となり、上値も抜いて行く展開が先週末から続いています。
ユーロドルで、ドル高ユーロ安が続いている影響もあると思いますが、米長期金利も徐々に上昇しており金が連日売られていることも、12月利上げを織り込んでいる動きと理解することができます。今夜の雇用統計次第というところもありますが、利上げの舞台は整っていると思われ、今夜の雇用統計が上振れるようなことがあれば、「当確」かもしれません。予想は、非農業部門雇用者数が18.5万人で、失業率は5.0%です。どこまで上振れしたら「当確」かの判断は難しいところですが、20万人を超えるようなら、その可能性が極めて高くなり、予想通りでも「当選圏内」というところでしょうか。反対に、15万人を下回れば、限りなくグレーに近いと思われます。
利上げの舞台が整っていると思われるのは、今週のイエレン議長の議会証言が大きな要因でした。経済指標次第としながらも、米経済は「順調」だとの判断を示し、現在低水準のインフレ率についても、徐々に目標に近づいて行くと、楽観的な見方を示していました。この言葉の裏には「皆さん、いよいよ利上げをしますから準備を怠らないように」という警鐘と受け止めたのは、筆者だけではないと思われます。
NY連銀のダドリー総裁も会見で、イエレン議長の認識を支持していましたが、昨日はアトランタ連銀のロックハート総裁も、政策金利の引き上げが必要になるだろうとの認識を示しました。総裁はスイスのベルンで講演し、「利上げ開始が近く適切になるだろう」と語っています。(ブルームバーグ)また、シカゴの金利先物市場に織り込まれている12月利上げの確率は60%近くあるとの報道も伝えられています。
もっとも、12月に利上げがあったからといって、そのままドルが上昇するかどうかはまた、別の話です。利上げが確実視されるようになれば、ドルが上昇することにはなります。しかし、実際に利上げが決定されたら、「材料出尽くし」と捉えられ、利益確定のドル売りに押されることも十分想定されます。この辺りが、為替の難しいところと言えます。本日のドル円は、雇用統計ということもあり、120円50銭〜122円50銭程度を予想します。
中国発の世界同時株安も、その後の中国人民銀行の利下げなどで、混乱は小康状態です。直近のGDPは6.9%で、向こう5年間の政府目標も6.5%と、7%を下方修正したとはいえまあまあの数字です。ところが、ブルームバーグによると、一部専門家の中には中国の年間成長率は3%で、ハードランニングに向っているとの見方があることを紹介しています。これがもし事実だとしたら、今後まだチャイナ・リスクを意識しないわけにはいきません。良い週末を・・・・・。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に 9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰 9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落 9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇 10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 -------- 10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。 10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。 11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。



