今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年11月9日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は雇用統計の発表をきっかけに急伸。121円90銭辺りから123円27銭までドル高が進んだ。非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回ったことで、12月利上げの可能性が急速に高まった。
  • 雇用統計受け、ユーロ売りドル高が進み、ユーロドルは1.0705まで下落。今年4月末以来、約半年ぶりの安値を記録。
  • 株式市場は反発。雇用統計を受け利上げ観測が高まったものの、景気そのものがいいとの見方が広がり、ダウは46ドル上昇。
  • 債券相場は大幅に続落。2年債利回りは2010年5月以来の上昇を記録し、長期金利も2.32%台に乗せる。
  • 金は続落し、1100ドルを割り込む。原油も続落し44ドル台に。

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    10月非農業部門雇用者数  → 27.1万人
    10月失業率  → 5.0%
    10月消費者信用残高  → +289.1億ドル
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    ドル/円 121.87 〜 123.27
    ユーロ/ドル 1.0705 〜 1.0880
    ユーロ/円 131.48 〜 132.59
    NYダウ +46.90 → 17,910.33ドル
    GOLD −16.50 → 1,087.70ドル
    WTI −0.91 → 44.29ドル
    米10年国債 +0.081 → 2.320%

    本日の注目イベント

    • 日  10月マネタリーベース
    • 独  独9月貿易収支
    • 欧  OECD経済見通し
    • 米  10月労働市場情勢指数(LMCI)
    • 米  グアテマラ・ボストン連銀総裁講演
    • 加  カナダ10月住宅着工件数

    10月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回る27.1万人だったことで、来月のFOMCで利上げが実施される可能性が大きく高まり、ドルは主要通貨に対して全面高の展開になりました。失業率も5.0%と、先月より0.1ポイント改善し、「完全雇用」に近い状態になっています。

    それにしても雇用統計のぶれの大きさには、市場関係者は悩まされます。9月の数字は、20万人の予想に対して14.2万人だったことで驚かされましたが、今度は反対に予想よりも9万人増加の「ポジィティブ・サプライズ」でした。

    イエレン議長は先週の議会証言でも、12月の利上げには前向きな発言を行っていましたが、それでも「経済指標次第」というのが基本でした。今年に入って最も良好な数字をたたき出したことで、12月利上げの可能性は「当確」とみています。もともと、9月での利上げを想定していましたが、8月の中国発の世界同時株安や、新興国への影響、さらに米国自身の景気低迷懸念などから利上げを見送った経緯がありましたが、利上げを遅らせるリスクも意識されていました。FRBとすれば、早い時期に「金融引き締め」への筋道をつけておきたいと考えていたことは、この欄でも何度も述べた通りです。

    12月のFOMCは15−16日に行われるため、それまでにもう1度雇用統計を確認することができます。11月の雇用統計が、またどちらかにぶれることも考えられますが、よほど下振れしないかぎり利上げ実施に向うかと思います。サンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁は、雇用統計が発表された翌日の講演で、「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」と指摘し、インフレ率についても「インフレ率が今後2年以内に2%の目標に戻りつつあるとみている」と述べています。

    ドル円は「122円を超えれば上昇トレンドが加速する」と、先週ここで記述しましたが、その抵抗線を大きく上抜けして来ました。これで124円30−50銭あたりまでは、大きな抵抗線はありませんが、このまま125円に向うかどうかは不明です。ドル高による米企業の業績が懸念されるからです。今回の雇用統計は良好だったとはいえ、サービス業による部分が大きく、製造業ではむしろ成長が鈍化している見方もあります。目先ドルは堅調に推移すると予想しますが、123−125円の水準でのドルロングは、今後の経済指標をしっかりと確認していかないと、リスクを伴うと思われます。

    本日の予想レンジは122円60銭〜123円80銭程度とします。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和