今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年11月12日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は引き続き小動きながらも、徐々に上値を切り下げる展開。123円17銭までドルが買われたが、その後はジリ安となり、この日の安値近辺で取引を終える。
  • ユーロドルは1.07台前半から半ばで小動き。材料難から様子見気分が強まった。
  • 株式市場は反落。百貨店大手メーシーズが通期の利益を下方修正したことや、原油が下落し、エネルギ−セクターが売られた。ダウは56ドル下落し、他の株価指数も揃って下落。
  • 債券市場は休場。
  • 金は3日にぶりに反落。原油も続落し2ヵ月ぶりに42ドル台を記録。
    ドル/円 122.86 〜 123.17
    ユーロ/ドル 1.0706 〜 1.0746
    ユーロ/円 131.65 〜 132.21
    NYダウ −55.99 → 17,702.22ドル
    GOLD −3.60 → 1,084.90ドル
    WTI −1.28 → 42.93ドル
    米10年国債 ----- → 2.334%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪10月雇用統計
    • 欧  ユーロ圏9月鉱工業生産
    • 米  新規失業保険申請件数
    • 米  10月財政収支
    • 米  エバンス・シカゴ連銀総裁講演
    • 米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演
    • 米  ダドリー・NY連銀総裁講演
    • 米  イエレン・FRB議長講演

    先週金曜日の雇用統計を受けて123円台までドル高が進みましたが、それ以来ほとんどの時間帯は123円台での取引です。昨日のNYで4営業日連続で123円台を見ています。今週月曜日のコメントでも触れましたが、123円台から125円にかけては、ドルの上値は重く、12月利上げを材料にドルが買われても、その上昇スピードは緩やかなものになるだろうと予想しました。

    それは、仮に12月の利上げが決められても、その後の引き上げスピードは極めてゆっくりとしたものになるであろうということと、125円に近づけば、「黒田ライン」も意識されること、さらにドル高による米企業への影響などを考慮したものです。123円台は維持してきたものの、上値が徐々に切り下がって来ました。その結果、短期的な動きを示す「1時間足」では既に「雲」を下抜けしています。もっとも、今回の「雲の下抜け」は相場が急速に下げて雲を抜けたものではなく、雲の水準が切り上がったことで、雲抜けが完成した、いわば「他力本願的」な結果であり、このままドルが下げるかどうかは不明です。

    ドルが下がってきたとはいえ、今週に入ってまだ122円台半ばは割り込んでいません。この水準を割り込めば、下落に勢いがつくことも考えられますが、それでも上昇トレンドが崩れるわけではありません。ここは慎重に、買い場を探る戦略でいいと思います。

    本日は、失業保険申請件数以外、これといった重要な経済指標はありませんが、FOMCの主要メンバーによる講演が多くあります。イエレン議長、フィッシャー副議長、それにダドリーNY銀総裁の、いわゆる「ビッグスリー」の講演が予定されています。3人は、ともに年内利上げには前向きと思いますが、先週末の雇用統計でのサプライズを受けて、どのようなニュアンスの発言をするのかによっては、相場への影響もあるでしょう。

    個人的には、エバンス・シカゴ連銀総裁の発言に注目しています。同総裁は、「ハト派」の重鎮で、これまでは一貫して年内利上げはすべきではないと主張してきました。ただ、ブルームバーグなどのニュースによると、年内利上げ支持に傾いてきたと伝えられていますが、雇用者数の大幅増加を受けて、どのように変化したかを見極めたいと思います。

    今朝のドル円は122円台後半で取引されています。やや、下値を試すのではないかと予想して、レンジは122円30銭〜123円30銭程度を考えてます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和