今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年11月18日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は小動きながら堅調に推移。利上げ観測を背景にユーロドルに引っ張られる形で123円49銭までドル高が進み、高値圏で引ける。
  • ユーロドルは続落。欧米中銀の金融政策を背景に、ユーロ安が進み、一時は1.0630と、約7ヶ月ぶりの水準を記録。
  • 株式市場はまちまち。ダウは50ドル以上上昇する場面もあったが、上げ幅を縮め6ドル高。一方、S&P500は2ポイントマイナス。
  • 債券相場は横ばい。長期金利の水準も2.26%台と、前日とほぼ変わらず。
  • 金は利上げを嫌気され続落。原油も反落し40ドル台半ばに。

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    10月消費者物価指数   → +0.2%
    10月鉱工業生産    → −0.2%
    11月NAHB住宅市場指数 → 62
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    ドル/円 123.19 〜 123.49
    ユーロ/ドル 1.0630 〜 1.0677
    ユーロ/円 131.22 〜 131.63
    NYダウ +6.49 → 17,489.50ドル
    GOLD −15.00 → 1,068.80ドル
    WTI −1.07 → 40.67ドル
    米10年国債 −0.005 → 2.264%

    本日の注目イベント

    • 米  10月住宅着工件数
    • 米  FOMC議事録(10月27、28日分)
    • 米  カプラン・ダラス連銀総裁講演

    ドル円は底堅い動きを見せてはいますが、これはやはりユーロドルが連日下値を試していることによる影響と見ています。欧州市場に入ると、ユーロを売ってドルを買う動きが強まり、これに引っ張られる格好で円売りドル買いが誘発されているものと思われます。

    日米中銀の金融政策の方向性よりも、欧米中銀の政策の方がより、その違いが鮮明で、これがユーロドルの方向性を決定付けています。米国では12月の利上げがかなり確実視される一方、ECBはドラギ総裁が12月の追加緩和を示唆する発言を繰り返していることが、その背景です。

    昨日発表された、米10月の消費者物価指数(CPI)がプラスに転じたことも、利上げを後押しすると見られています。またそれに加え先週末にはフランスで、大規模なテロが発生し、今後のフランスの経済成長にも影響を及ぼす可能性も出てきました。ただヘッジファンドなど、投機筋のユーロの売り持ち額も膨らんでいます。商品先物取引委員会(CFTC)の10日までのデータによれば、大口投機家の8主要通貨に対するドルの買い越し額は過去3週間で19万8491枚増と、2013年3月以来の大幅な増加となっています。(ブルームバーグ)

    12月の利上げの可能性がさらに高まり、利上げが秒読み段階になるまではドルが堅調に推移すると思われます。今回のフランスで起きたテロで、一瞬緊張が高まり、安全通貨の円が買われる場面がありましたが、その動きも、線香花火のように消えています。引き続きユーロドルに引っ張られる格好で、ドル高円安が緩やかに進むものと思われます。

    日本の株式市場もドル高の影響を受け、堅調に推移しています。本日も日経平均価株価は上値を試す展開が予想され、1万9800円〜2万円のレベルが見込まれます。ただこちらも9月の中間決算発表を終え、2015年度下期の業績に市場の目が移ります。懸念されるのは、先日のGDPでも明らかになったように、企業の設備投資が伸びていないことです。好調な企業業績にも関わらず、経営者は先行きに慎重な見方を変えていないということになります。中国の景気鈍化、米国の利上げ観測、さらには今回のテロなどが、企業経営者の行動を慎重にさせていると思われます。

    本日も株価が堅調に推移すると見れば、ドル円も先週の戻り高値である123円60銭を試すと予想されます。レンジは123円〜124円といったところでしょうか。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和