今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年11月19日(木)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は、米株式市場が大幅な上昇を見せたことからドル高が進み、123円76銭までドルが買われた。FOMC議事録でも12月の利上げの可能性がさらに高まったとの認識が広がる。
  • ユーロドルは下げが一服。1.0617まで下げる場面があったが、利益確定のユーロ買いに押し戻される。
  • 株式市場は大幅に上昇。FOMC議事録では利上げの可能性が高まったものの、利上げのペースは緩やかなものになることが強調されており、安心感が広がった。ダウは247ドル上昇し、主要株価指数も揃って上昇。
  • 債券相場はFOMC議事録にも反応は限定的。12月利上げ観測が高まったが相場は堅調。長期金利も小幅に上昇したものの、2.27%台に留まる。
  • 金、原油は小幅に上昇。

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    10月住宅着工件数   → 106万件
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    ドル/円 123.36 〜 123.76
    ユーロ/ドル 1.0617 〜 1.0658
    ユーロ/円 131.21 〜 131.78
    NYダウ +247.66 → 17,737.16ドル
    GOLD +0.10 → 1,068.70ドル
    WTI +0.08 → 40.75ドル
    米10年国債 +0.007 → 2.271%

    本日の注目イベント

    • 日  10月貿易収支
    • 日  日銀金融政策決定会合
    • 日  黒田日銀総裁記者会見
    • 欧  ECB議事要旨
    • 英  英10月小売売上高
    • 米  新規失業保険申請件数
    • 米  11月フィラデルフィア連銀景況指数
    • 米  10月景気先行指標総合指数
    • 米  ロックハート・アトランタ連銀総裁講演

    12月の利上げ観測がさらに高まって来ました。昨日公表された10月のFOMC議事録では、早ければ12月に利上げを開始しても、米経済には乗り切れる力があると政策当局者が考えていることが示唆され、利上げのペースは緩やかなものになることも強調されていました。(ブルームバーグ)

    議事録では、「メンバーらは、この変更が、事前に決定されていないものの、次回会合で正常化へのプロセスを開始することが恐らく適切になるという見解の伝達を意図したものであることを強調した」と記されています。また、経済情勢に関する政策当局者の見解が3つに割れたことも明らかになりましたが、大半の参加者は利上げの条件が「12月には満たされる可能性が高い」と予想しています。 さらに、アトランタ連銀のロックハート総裁は、12月利上げは適切だとの認識を示し、新しく就任したばかりのカプラン・ダラス連銀総裁も、緩和的な金融政策をしばらく維持すべきだが、必ずしも政策金利はゼロで維持される必要はないと述べています。このようにFOMCメンバーの認識も、概ね12月利上げでまとまってきたような印象です。

    今朝のテレビで、ある株式の専門家も言っていましたが、昨日のNY株式市場では株価が大きく上昇しました。利上げは本来、株価にとっては悪材料であり、利上げ観測が高まる度に嫌気され株価の下落を引き起こして来ましたが、昨日は全く逆の反応を見せています。利上げをするのか、しないのか不透明の時には、利上げ観測が株価の足を引っ張るが、いざその可能性が確実性に変わると、景気の良さを材料に株価が急伸しました。相場の難しさでもあり、ある意味おもしろさである、と言えるかもしれません。

    ドル円はNY市場で123円76銭まで買われましたが、週初に予想したとおり、その上昇スピードは極めて緩やかなものです。123円半ばから124円には、実需を含めたドル売り注文が多くあると思われます。12月利上げが徐々に市場に織り込まれていることから、125円を大きく超えていくにはまだ時間がかかると見ています。125円を超えていく可能性がないわけではありませんが、それにはユーロのもう一段安などの「追い風」が必要と思われます。

    本日はNY株の大幅高を材料に、日経平均株価も2万円の大台を試しに行きそうです。株価は大幅高が見込まれますが、ドル円はゆっくりと上昇しそうです。NY市場での高値である123円76銭が抜けるかどうかと、その上の124円の壁を超えられるかどうかが焦点です。いつものように、東京市場では上値が重くても、海外市場ではあっさりと抜けることも考えられます。予想レンジは123円10銭〜124円10銭程度でしょうか。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和