今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年12月1日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は堅調に推移し、1週間ぶりに123円台前半まで上昇。3日のECB理事会での追加緩和観測が根強いことから、ドルが買われ円も売られた。この日のドルの高値は123円34銭。
  • ユーロドルは一時1.0558まで売られ、直近の安値を更新。追加緩和観測がユーロを押し下げる流れが続く。
  • 株式市場は続落。重要なイベントを控え、様子見気分が優勢だったが、経済指標の鈍化に売り物に押され、ダウは79ドル安。
  • 債券相場は小幅ながら続伸。金利低下が続いているドイツ国債とのスプレッドの拡大が顕著に。
  • 金は反発し、原油は続落。

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    11月シカゴ購買部協会景気指数 → 48.7
    10月中古住宅販売成約指数  → +0.2%
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    ドル/円 123.00 〜 123.34
    ユーロ/ドル 1.0558 〜 1.0585
    ユーロ/円 130.02 〜 130.30
    NYダウ −78.57 → 17,719.92ドル
    GOLD +9.10 → 1,065.30ドル
    WTI −0.06 → 41.65ドル
    米10年国債 −0.008 → 2.214%

    本日の注目イベント

    • 豪  RBA、キャッシュターゲット
    • 豪  豪7−9月期経常収支
    • 豪  豪10月住宅建設許可件数
    • 中  中国 11月非製造業PMI(速報値)
    • 中  中国 11月製造業PMI(速報値)
    • 中  中国 11月財新製造業PMI(確報値)
    • 中  中国 11月財新サービス業PMI
    • 中  中国 11月財新コンポジットPMI
    • 独  独11月雇用統計
    • 欧  ユーロ圏11月製造業業PMI(改定値)
    • 欧  ユーロ圏10月失業率
    • 英  英11月製造業PMI
    • 米  11月ISM製造業景況指数
    • 米  エバンス・シカゴ連銀総裁講演
    • 加  カナダ7−9月期GDP

    ドル円は11月23日以来となる123円台に乗せて来ました。特段材料があったわけではないものの、3日のECB理事会での追加緩和観測が根強く、ユーロドルが直近安値を僅かながら更新し、1.0558までユーロ安が進んだことで、「円も売られた」という側面が強いと思われます。

    ECB理事会では中銀預金のマイナス幅を拡大するとの見方も強く、そのためドイツ国債など、欧州の債券利回りは軒並み低下しています。ドイツの5年債利回りはマイナス1.85%で、米国の1.645%を大きく下回っています。そのため欧州の債券投資には慎重にならざるを得ず、運用難から米国や日本への投資が増えるといった見方もあります。

    今朝の経済紙などにも、欧州の債券資金が日本の株式市場に流入することで、年末にかけて日本株が上昇する一因になるとの指摘もありました。日本はともかくとして、米国へ欧州からの資金が流れているものと思われます。欧州の投資家とすれば、ユーロを売ってドルを買い、そのドルで米国債に投資すれば「高金利と為替益」の両方を享受することができ、この動きがユーロドルを押し下げていると見られます。

    ECB理事会に、イエレン議長の議会証言、さらには11月の雇用統計と、今週はビッグイベントが目白押しで、今後の為替水準に大きな影響を与えそうです。正直なところ、これらのイベントを通過した後、ドル円がどの水準にいるのか、なかなか予想できません。おそらく、それ程円高水準にはなっていないと思われますが、市場がどのような反応をみせるのか、予想しづらい状況です。

    雇用統計が多少下振れしたとしても、12月のFOMCでの利上げは揺るがないと予想していますが、反対に、利上げが見送られた場合には大きな「サプライズ」として捉えられます。もちろん、その可能性は低いと思われますが、昨日発表されたシカゴ購買部協会景況指数を見ると不安がつのるのは正直な印象です。

    同指数は「50」が好不況の分かれ目でさが、昨日発表された11月の指数は「48.7」でした。10月が「56.2」と、今年最も良好な結果だっただけに、景況感が急速に悪化したことを物語っています。雇用は良好でも、それ以外の経済指標はまだらで、特に製造業の鈍化傾向は続いています。

    本日は中国のPMIをはじめ、市場にインパクトのある指標が多く発表されます。まだ、足元の方向感のない流れを決定付けるとは思えませんが、それなりに値幅が出ることは十分あり得ます。予想レンジは122円70銭〜123円70銭程度と見ています。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    9/3 ドラギ・ECB総裁 「景気がさらに弱まりインフレは想定通りに回復しない場合はもちろん、QEを延長するだろう」記者会見で。 ユーロドル1.12台後半から1.10台後半に
    9/10 山本幸三・衆議院議員 「10月30日の金融政策決定会合に合わせて追加の金融緩和に踏み切るべきだ」ブルームバーグとのインタビューで。 ドル円120円台半ば〜121円33銭まで急騰
    9/17 イエレン・FRB議長 「海外での不確実性の高まりと、予想されるインフレの道筋がやや弱まったことを考慮し、(利上げのための)一層の証拠を持つことが適切だとFOMCは判断した」記者会見で。 ドル円121円近辺から120円割れまで下落
    9/24 イエレン・FRB議長 「自分自身を含めFOMC参加者の大半は年内の利上げを見込んでいる」講演で。 ドル円119円後半から、120円30銭近辺まで上昇
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和