2015年12月2日(水)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 123円台で推移していたドル円は、ISM製造業景況指数が予想を下回ったことや、シカゴ連銀総裁の発言などで反落。122円台後半まで下げたが、株価の上昇で下落も限定的。
- ユーロドルは買戻しが優勢となり、1.0637まで反発。ECBの理事会を前に、利益確定の買いが優った。
- 株式市場は大幅に反発。ヘルスケア株が上昇を牽引し、ダウは168ドル高。ナスダックは高値を更新。
- 債券相場は小幅に上昇。30年債が大幅高となったが、10年債は前日とほぼ変わらず。
- 金は小幅に反落し、原油は小反発。
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11月ISM製造業景況指数 → 48.6
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ドル/円 122.77 〜 123.17 ユーロ/ドル 1.0597 〜 1.0637 ユーロ/円 130.29 〜 130.81 NYダウ +168.43 → 17,888.35ドル GOLD −1.80 → 1,063.50ドル WTI +0.20 → 41.85ドル 米10年国債 +0.001 → 2.215% 本日の注目イベント
- 豪 豪7−9月期GDP
- 欧 ユーロ圏10月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏11月消費者物価指数(速報値)
- 米 11月ADP雇用者数
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
- 米 イエレン・FRB議長講演
- 米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 加 カナダ中銀政策金利発表
ドル円は、なかなか123円台が定着できず、昨日も東京市場では株価が2万円の大台を回復したにも関わらず、122円後半まで押し戻され、その後のNYでも123円台までドルが買われたが、結局維持できず、122円台後半での取引になっています。
日経平均株価は約3ヵ月半ぶりに2万円の大台を回復し、NYダウも168ドルの大幅上昇。それでもドル円は123円半ばを試すどころか、123円台さえも維持できずに押し戻される展開が続いています。ドルが底堅いのか、あるいはドルの上値が重いのか判断しかねる状況です。
昨日は11月のISM製造業景況指数が予想外の低水準でした。好不況の分かれ目である「50」を大きく下回り「48.6」でした。この水準は2009年6月以来の水準となり、製造業の鈍化を如実に物語っています。言い換えれば、足元の米景気はサービス業に牽引されており、雇用の増加もサービス業中心と言えます。
また、昨日はFOMCメンバーのエバンス・シカゴ連銀総裁の講演があり、総裁は「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」と述べ、利上げのペースは極めて緩やかになる見通しを示唆しました。エバンス総裁は11月にも同様な発言を行っており、FOMC全体の意見を代弁しているようにも思えます。因みに同総裁は今年のFOMCでの投票権を持っています。
12月のFOMCで仮に利上げが決められても、その後のペースは非常に緩やかなものになるといった見方や、昨日は経済指標の鈍化がそれを正当化するような結果だったため、株価が大きく反発しました。例年12月は株価が上昇する傾向が強く、今年は加えてECBによる緩和の可能性がさらに、株式市場への資金流入を促がしている面もあります。ただそれでも昨日の動きに見られたように、ドル円との相関度が低下している状況です。
123円台半ばから上値が「壁」になっている状況ですが、ここを打ち破るには米利上げとECBの追加緩和という「二つのクリスマスプレゼント」が必要ではないかと思われます。一つだけでは、もらった方も「期待はずれ」との印象を強め、反応も限られるかもしれません。その第一弾が明日のECB理事会です。
本日はイエレン議長の講演が予定されており、利上げをある程度織り込んでいることから、初回利上げ後のペースについてヒントが得られる可能性があります。予想レンジは122円50銭〜123円30銭程度と見ています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 -------- 10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。 10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。 11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。 11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 -------- 11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 -------- 11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 -------- 12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------



