2015年12月4日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は123円台から反落。ユーロドルで急激なドル安が起きたことでドル円でもドル売り円買いが優勢となり、122円30銭まで下落。
- ECB理事会で追加緩和を決定したものの、市場の期待には届かなかったことでユーロの買戻しを誘発。ユーロドルは1.06台半ばから1.0981まで急騰。ユーロ円も134円台まで反発。
- 株式市場は大幅に続落。ECBの追加緩和を受けて、欧州株が軒並み下落したことが影響した。ダウは252ドル下げ、1万7500ドルを割り込む。
- 債券相場も反落。ECBの緩和策が市場予想に満たなかったことで、売りが優勢となった。長期金利は2.32%台まで上昇。
- ドルが売られたことで金は反発。原油も41ドル台まで反発。
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新規失業保険申請件数 → 26.9万件
10月耐久財受注 → 2.9%
11月ISM非製造業景況指数 → 55.9
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ドル/円 122.30 〜 123.40 ユーロ/ドル 1.0646〜 1.0981 ユーロ/円 131.44 〜 134.50 NYダウ −252.01 → 17,477.67ドル GOLD +7.40 → 1,061.20ドル WTI +1.14 → 41.08ドル 米10年国債 +0.142 → 2.320% 本日の注目イベント
- 米 11月雇用統計
- 米 10月貿易収支
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 加 カナダ11月失業率
- 加 カナダ11月就業者数
ECBは理事会で追加緩和を決定したものの、一部市場が期待していた内容に届かなかったことで失望感からユーロドルが急激に買い戻され、ユーロが全面高の展開でした。追加緩和の内容に失望した流れは、欧州株だけではなく、NY株式市場をも直撃し、株価は大きく売られ、本日の日本株にも大きな影響を及ぼしそうです。
ECBは、少なくとも2016年9月までとしていた実施期間を、少なくとも2017年3月に引き延ばし、さらに中銀預金のマイナス金利を現行の0.2%から0.3%に拡大しました。ここまでは市場予想通りでしたが、市場からの債券購入額を現行の600億ユーロに据え置いたことで市場は反応しました。ドラギ総裁は何度も「できることは何でもやる」と述べていたことで、市場は大胆な緩和策を期待していただけに、失望感につながりました。
またドラギ総裁は、提案に対して多くのメンバーが賛成したものの、ドイツ連銀総裁などが反対したことを認めており、追加緩和を実施するかどうかを巡ってはECB内部でも意見の対立があることが露呈した形です。ドラギ総裁らの提案に反対したのはドイツ連銀やオランダ中銀総裁など、5人いた模様です。(ブルームバーグ)
それにしても、ユーロドルの反発はすさまじいものでした。ユーロのショートポジションが積み上がっていたことは分かっていましたが、発表後ユードルは400ポイント以上急騰し、ドル安ユーロ高が進み、約1ヶ月ぶりの水準を記録しています。ユーロドルに引っ張られる形でドル円でもドル売り円買いが見られましたが、円の買われ方が緩やかだったため、ユーロ円も急騰し、134円50銭まで買戻しが進みました。
一方、イエレン議長は上下両院合同経済委員会の公聴会で証言を行い、米経済については慎重ながらも楽観的な見通しを示し、利上げ開始に必要な条件は満たされていると述べました。また利上げは、ゆっくりとしたペースで動くことが重要だとも述べており、前日の講演とほぼ同じ内容でした。これで、次回FOMCでの利上げは確実になったと考えられます。
ドル円は122円30銭まで下げました。昨日も、前日も123円台半ばまで何度も上昇しましたが、結局今のところ、123円台後半には届いていません。本日の雇用統計がどのような内容になるかによって、再び為替市場は大きく反応すると思いますが、米利上げはほぼ織り込んでいると思われます。従って、本日の雇用統計で雇用者数は上振れしたとしても、「利上げ→ドル買い」という構図にはなりにくいのではないでしょうか。利上げは確実であり、その後のペースも緩やかであるということまでは織り込まれつつあることからドル円への影響は軽微のものになるかもしれません。
本日のレンジは121円70銭〜123円70銭程度と、ワイドレンジを予想します。
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いよいよ12月です。今年は年初に予想した通り「むずかしい相場」展開でした。まだ米利上げまでは2週間ほどありますが、ここでバタバタして「9回裏の逆転ホームラン」を狙うより、来年に備える方が得策かもしれません。昨日のユーロの動きを見て、「相場は本当に難しいね・・・」今朝はそんな声が聞こえて来ました。良い週末を・・・・・。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 -------- 10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。 10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。 11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。 11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 -------- 11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 -------- 11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 -------- 12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 -------- 12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇



