今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年12月7日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は11月の雇用統計が良好だったことと、ドラギ総裁が講演で、さらに行動する用意があると発言したことで123円台に上昇。一時は123円38銭までドルが買われ、ほぼ高値圏で引けた。
  • ユーロドルでもドルが買われ、ユーロが売られたが、前日のユーロ急騰の影響もあり、1.08台前半まで下落。
  • 好調な労働市場を好感し、株式市場は3日ぶりに大幅高。ダウは369ドル上昇し約3ヶ月ぶりの値を記録。
  • 債券相場は反発。利上げ後も金利の上昇は緩やかになるとの見方から債券は買われ、長期金利は2.26%台まで低下。
  • 金は22ドル買われ大幅に反発。原油価格は再び40ドルを割り込む。

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    11月失業率    → 5.0
    11月非農業部門雇用者数 → 21.1万人
    10月貿易収支   → −438.9億ドル
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    ドル/円 122.75 〜 123.38
    ユーロ/ドル 1.0836 〜 1.0951
    ユーロ/円 133.54 〜 134.59
    NYダウ +369.96 → 17,847.63ドル
    GOLD +22.90 → 1,084.10ドル
    WTI −1.11 → 39.97ドル
    米10年国債 −0.051 → 2.269%

    本日の注目イベント

    • 日  10月景気動向指数
    • 独  独10月鉱工業生産
    • 米  11月労働市場情勢指数(LMCI)
    • 米  10月消費者信用残高
    • 米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演

    11月の米雇用統計は市場予想を上回り、さらに10月分と11月分も上方修正されたことから、来週15日から16日に行われるFOMCでは、利上げは確実な状況になったと思われます。平均時給も+0.2%と、力強さはないものの、まずまずの内容で、ここから利上げを阻むものはありません。

    ドル円は123円台を回復し、123円38銭まで上昇しましたが、そこから上値のテストは今回もできてはいません。12月の利上げはすでに織り込んでいることに加え、初回利上げ後の上昇ペースも極めて緩やかになることが確認されていることが背景です。また、ユーロドルでも前日急反発した後遺症が残っており、ユーロがそれ程売られなかったこともドル円の上値を抑制したと思われます。

    ドラギ・ECB総裁がNYの講演で、ECBの行動に限界はあり得ないと発言しました。総裁は、「債務の範囲内でわれわれが手段を講じたいとする意思において、限界はあり得ない」と語り、「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」と述べています。(ブルームバーグ)前日発表されたECBの追加刺激策は市場が予想していたよりも「小粒」であったため、ユーロが大きく買い戻されました。ドラギ総裁のこの発言は、さらに追加緩和の用意があることを示唆したものでしたが、市場へのインパクトは限定的でした。

    米国では雇用は順調に伸びているものの、製造業を中心に景気の伸びはいまひとつ、という状況が続いています。上でも述べたように、利上げはほぼ確実ですが、フェデラル・ファンド(FF)金利の上昇は、 2016年末でも1%を下回っていると予想されています。今後、ドルがさらに上昇するには、製造業の回復が利上げペースを早めるといった好循環が必要かと思われます。

    今週米国では、週末のミシガン大学消費者マインドと小売売上高以外には重要な指標はありません。さらにこの二つの指標で、利上げが延期される可能性もほとんどないと思われます。利上げが徐々に織り込まれている状況下であることを考えると、好材料には反応しにくく、悪材料には反応しやすいかもしれません。その意味では、今週は中国の経済指標が多く発表されることから、焦点は「中国」ということかもしれません。ここしばらくは「中国」を忘れかけていただけに、再び脚光を浴びることも予想されます。本日のドル円は、122円60銭〜123円60銭程度と予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和