今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年12月8日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は123円台前半から半ばで小動き。原油価格や株価の値動きには反応せず、123円30−40銭で引ける。
  • ユーロドルは徐々に上値を切り下る展開に。1.08台半ばから1.08台前半までユーロが売られる。
  • 株式市場は反落。原油価格が大きく値下がりしたことを受け、エネルギー株を中心に素材株なども下げた。ダウは117ドル下げ、他の株価指数も下げる。
  • 債券相場は続落。株価の下落や、原油価格の下落で債券への需要が高まった。長期金利は2.22%台へ低下。
  • 金は反落。原油価格はOPEC総会で減産で合意できなかったことが影響し、2ドルを超える下げとなり、約6年10ヶ月ぶりとなる37ドル台半ばまで売られる。

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    11月労働市場情勢指数(LMCI)→ 0.5
    10月消費者信用残高    → 159.8億ドル
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    ドル/円 123.20 〜 123.46
    ユーロ/ドル 1.0805 〜 1.0860
    ユーロ/円 133.37 〜 133.84
    NYダウ −117.12 → 17,730.51ドル
    GOLD −8.90 → 1,075.20ドル
    WTI −2.32 → 37.65ドル
    米10年国債 −0.041 → 2.228%

    本日の注目イベント

    • 日  7−9月GDP(改定値)
    • 日  10月国際収支
    • 日  11月景気ウォッチャー調査
    • 中  中国11月貿易収支
    • 欧  ユーロ圏7−9月期GDP(改定値)
    • 英  英10月鉱工業生産
    • 加  カナダ11月住宅着工件数
    • 加  カナダ10月建設許可件数

    昨日の市場の中心は原油価格でした。上値が重い中、それでも40ドル台を割り込むと買いが入り、一進一退を続けていた原油価格でしたが、昨日は一気に売り込まれ、先週末比2ドル32セント(5.8%)安い、37ドル65セントで取引を終えています。

    この水準は約6年10ヶ月ぶりのレベルで、OPECが生産抑制を通じた価格コントロールを事実上放棄したと見られ、今後も供給超過が長引くとの見方が広がったことが背景です。また政治的な思惑もあり、サウジアラビアなど、生産コストの安い湾岸諸国は、コストの高い生産国を市場から締め出す戦略を強化したためだという見方もあるようです。

    原油価格の一段の低下は、われわれの日常生活にはプラスに働きますが、2016年後半ごろには、2%の物価上昇を目指す日銀にとっては「逆風」がさらに強まったと言えます。米国のとっても、生産コストの高いシェールオイルを抱えていることから、厳しい状況が続きます。原油価格の下げは、米株式市場でエネルギー株が売られ、これが市場全体の雰囲気を悪くして、NYダウやナスダックなどの下落につながり、安全資産の債券が買われ、金利低下を招きます。

    昨日はまさに、このような展開になっていましたが、通常このような状況下では安全通貨の円が買われますが、昨日のNYではほとんど反応していません。来週のFOMCで利上げをするとの見方がドルを支えていると思われ、昨日の講演でもアタランタ連銀総裁は利上げの環境は整っているとの認識を示し、利上げが秒読み段階に入っていることをにおわせています。

    本日は株価がやや下値を試すと思われますが、ドル円はそれ程反応するとも思えません。NY時間に原油がもう一段下げるのかどうかが注目され、その動きを見て各市場がどのように反応するのかを見極めたいところです。利上げという、過去10年ほどで一度もなかった政策変更に市場が注目しているとしても、もう少し値幅のある値動きを期待したいと思います。

    本日は朝方発表の日本の7−9月期GDP改定値と、中国の貿易収支が注目されます。ドル円のレンジは122円70銭〜123円60銭程度と予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和