今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年12月9日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はリスクオフの流れが強まったことから、122円72銭まで売られる。原油価格が36ドル台まで下落したことで、株価も下げ、円を買い戻す動きが強まった。
  • ユーロドルは小幅に反発。ドルが売られたことで、1.09台前半までユーロ買戻しが進む。ECBの緩和策発表後は、ユーロの先安感と買い戻しのせめぎ合いが続く。
  • 株価は続落。原油価格が36ドル台まで売られたことで、エネルギーや素材関連銘柄が売られる。ダウは162ドル安の1万7500ドル台に。
  • 債券相場はほぼ横ばい。長期金利も2.22%台と前日と同水準。
  • 金は小幅に反発。原油価格は一時36ドル65セントまで売られた後、やや値を戻し37ドル51セントで引ける。
    ドル/円 122.72 〜 123.10
    ユーロ/ドル 1.0863 〜 1.0903
    ユーロ/円 133.49 〜 133.95
    NYダウ −162.51 → 17,568.00ドル
    GOLD +0.10 → 1,075.30ドル
    WTI −0.14 → 37.51ドル
    米10年国債 −0.0001 → 2.227%

    本日の注目イベント

    • 中  中国 11月消費者物価指数
    • 中  中国 11月生産者物価指数
    • 独  独10月貿易収支

    NYのWTI原油先物市場では原油価格が下げ止まらず、一時は36ドル65セントまで売られました。NY株式市場では、原油安を嫌気してエネルギーや素材関連銘柄が幅広く売られ、ドル円はリスクオフから円を買い戻す動きが強まり、122円72銭まで円高が進みました。もっともドル円は、このところの膠着感は払拭できず、その後は123円台まで戻しましたが、122円台後半で引けています。

    原油価格はその後値ごろ感から37ドル台まで戻していますが、ファンドなどが先物で売り建てを増やしており、原油の動きが為替や、株式、あるいは債券市場にも影響を与える展開になって来ました。専門家の見方では30ドル程度まで下落する可能性があるという見立てですが、これ以上下げると、「オイルマネー」の大幅な減少につながり、サウジなど生産コストの低い国々にも財政への影響が避けられなくなります。しばらくは「燃える水」の行方に注目が集まりそうです。

    それにしてもドル円は動きません。ここ1ヶ月の値幅は1円50銭程度で、先週からは123円の攻防が続いています。来週のFOMCで利上げが実施されれば、タイミング的にも多くの欧米のトレーダーたちは「クリスマス休暇」入りすると見られます。一部には今年は予算を達成できていないトレーダーが多いことから、最後まで市場に参加して、「悼尾の一振」にかけるのではと言った見方もありますが、残っていても勝てる保障はないわけで、そこは割り切ってバケーションを取る人が多いと見ています。そうなると、ここからは2016年の相場をどう読むかのということが重要になってきます。

    ブルームバーグによると、米大手2社は2016年は円が強くなると予想していることを伝えています。それによると、JPモルガンとモルガン・スタンレーは、過去4年でドルに対して40%下落した円は下げ止まり、来年は主要通貨に対して上昇すると予想しています。

    その理由としてあげているのが、日本の経常収支の黒字額が増加することで、日銀による景気刺激策を通じた通貨押し下げの効力が鈍っているためとし、1年間日銀のバランスシート拡大につながる緩和措置は予想しないとしています。原油価格の大幅低下で、原油代金やLNGの代金が劇的に減少することも想定され、一方で自動車など、輸出の拡大傾向が見込めます。ただ、中国や欧州の景気見通しが不透明なことから、輸出が拡大傾向を維持できるかどうかは予断を許しません。

    本日のドル円は122円50銭〜123円30銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和