今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年12月14日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は連日の原油価格の下落や株安の影響から「リスクオフ」の流れが強まり大幅に下落。一時は11月3日以来となる120円59銭まで売られ、120円80−90銭で越週。
  • ユーロドルはドル売りが強まる中、再び1.10台までユーロが買い戻される。
  • 株式市場は大幅に反落。原油安に加え、鉄鉱石などの商品相場も下落したことから、エネルギーや素材株が下落を牽引。ダウは309ドル下げ、S&P500も2ヵ月ぶりの安値を記録。
  • 債券相場は大幅に上昇。株価が急落し、VIX指数も大幅に上昇したため債券に資金が向った。長期金利は2.12%台まで低下。
  • 金は小幅に反発。原油価格は続落。OPEC総会以来6日続落し下落に歯止めが掛からず、35ドル62セントで取引を終える。

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    11月小売売上高              → +0.2%
    11月生産者物価指数            → +0.3%
    12月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)→ 91.8
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    ドル/円 120.59 〜 121.65
    ユーロ/ドル 1.0935 〜 1.1031
    ユーロ/円 132.62 〜 133.35
    NYダウ −309.54 → 17,265.21ドル
    GOLD +3.70 → 1,075.70ドル
    WTI −1.14  → 35.62ドル
    米10年国債 −0.107  → 2.127%

    本日の注目イベント

    • 日   12月日銀短観
    • 欧   ユーロ圏10月鉱工業生産

    先週金曜日のコメントでも、「原油価格がもう一段下落するようだと、120円台もありえる」と書きましたが、先週末のNYでは原油価格がさらに下げ35ドル台まで売られたことから、ドル円は一時120円59銭まで下落しました。NYダウは300ドルを超える下げを演じ、米長期金利も2.12%台まで下落するなど、典型的な「リスクオフ」状態となり、円買いが進んだものです。

    株価の大幅下落で、恐怖指数と呼ばれる「VIX指数」は急騰し、この日は前日比26%も上昇し、「24.39」まで上昇しました。今週のFOMCではほぼ利上げが見込まれている上に、原油価格だけではなく、商品相場全体が下げ基調を強めていることから、リスクの高い株式を売却し、安全資産の債券を購入する動きが加速しました。

    ドル円は120円59銭まで売られ、11月3日以来の円高水準ですが、ここから120円を割り込むのかどうかが注目されます。120円を割り込むようだと、市場参加者の相場観にも影響を与え、戻りを売る姿勢に変わってくることも予想され、現時点では123円台半ばから上値が「壁」になりつつありますが、その水準が円高方向に修正されてくることも予想されます。

    さらに120円を割り込むと、テクニカル的にも「雲」を下抜けし、さらに「MACD」でも「ゼロの軸」を抜け、「マイナス圏」に突入することになりそうです。つまり、テクニカルでも「ドル下落」を示唆することになり、その意味でも120円の大台は重要な水準であると言えます。

    本日の下値のメドは、近いところでNYの底値の120円60銭前後で、その下はやはり120円の節目が意識されます。個人的には120円割れはそれほど簡単ではないと予想していますが、もちろん、それには原油価格が下げ止まることが不可欠です。

    今週は今年最後の大荒れ相場になるかもしれません。米国ではFOMCで利上げが決められる可能性が高く、この決定を受けて市場がどのように反応するのかなかかな読みにくい状況です。シカゴ通貨先物市場での建て玉を見ると、さすがに円の売り持ち枚数は減少していますが、利上げを「材料出尽くし」と見て、円を買い戻して来るのかどうか注目されます。

    また、週末には日銀の今年最後の金融政策決定会合が開催されますが、ここでの政策変更はないものと思われますが、今朝発表の「日銀短観」が予想を下回っているようだと、緩和観測がやや強まることも予想されます。本日のドル円は120円20銭〜121円50銭程度と予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和