今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年12月15日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 東京市場で121円台まで戻したドル円は、再び原油価格の下落を背景に、120円35銭までドルが売られた。その後は長期金利の上昇や、原油が36ドル台まで反発したことから121円前後まで値を戻す。
  • ユーロドルもドル売りが優勢となり、1.1048まで上昇。FOMCを前に、買戻しが入り易い状況が続く。
  • 株式市場は先週末の大幅安から反発。原油価格も引けにかけては、先週末比プラスに転じたことも安心感につながった。ダウは103ドル上昇。
  • 債券相場は反落。原油安が続いているものの、利上げのスタンスは変わらないとの見方が広がり債券は売られた。長期金利は2.27%台まで上昇。
  • 金は大幅に反落。注目の原油価格は一時34ドル58セントまで売られたが、その後は急速に買い戻され、36ドル31セントで取引を終える。
    ドル/円 120.35 〜 121.05
    ユーロ/ドル 1.0963 〜 1.1048
    ユーロ/円 132.44 〜 133.24
    NYダウ +103.29 → 17,368.50ドル
    GOLD −12.30 → 1,063.40ドル
    WTI +0.69 → 36.31ドル
    米10年国債 +0.100 → 2.227%

    本日の注目イベント

    • 豪  RBA議事録
    • 独  独12月ZEW景況感指数
    • 英  英11月物価統計
    • 英  英11月生産者物価指数
    • 米  12月NY連銀製造業景気指数
    • 米  11月消費者物価指数
    • 米  12月NAHB住宅市場指数

    昨日の東京時間では、先週末のNY株の大幅安を受けて株価が急落しましたが、その割にはドル円は堅調に推移したと言えます。121円台を回復し、欧州市場では121円35銭までドルが買われましたが、NYではそこから1円も振り落とされました。

    ドル急落の引き金を弾いたのは、この日も原油価格でした。WTI原油価格はイランへの経済制裁が解除になると、市場への供給量が増えるとの見方から、朝方から下げ基調を強め、一時は35ドルを割り込み、34ドル58セントまで下落しました。

    ただ、その後は積みあがったショートポジションが高水準であることや、米議会上院では40年ぶりとなる原油輸出解禁での合意がまとまりそうだとの情報から、買戻しが優勢となり、結局先週末比69セント高い、36ドル31セントで引け、7日ぶりの上昇となりました。原油価格の行方が為替だけではなく、株式や債券あるいはその他の商品相場にも影響を与える展開がますます強まった印象です。

    原油の大幅安や株式市場の下落を前にして、今日から今年最後のFOMCが開催されます。利上げが意識され、各市場が動揺を見せてはいますが、それでも会合での利上げは動かないと思われます。利上げが決まれば、約9年半ぶりの金融引き締めということになり、2008年9月のリーマンショックから米国が完全に立ち直ったことを意味します。政策発表は日本時間17日の朝方4時で、4時半からはイエレン議長の記者会見が行われることになっています。

    ドル円は一時120円割れを試すのではないかと思われる動きを見せましたが、121円前後まで値を戻しています。11月2日に記録した120円26銭を割りこまずにいたことで、目先は120円の大台はサポートとして意識されそうです。ただ、まだ予断は許しません。原油価格が落ち着きを取り戻し、株価の安定を見るまでは乱高下は続くと考えるべきで、これはFOMC後も続く可能性があります。心配なのは、FOMCが終わると、欧米ではクリスマス休暇に入る市場関係者が多いと思われ、マーケットが薄くなることです。そのため、ちょっとした情報でも値が飛びやすくなる恐れがあります。ポジションの管理には十分注意が必要です。

    本日はNY連銀製造業景気指数と消費者物価指数の発表に目を向けながら、原油価格の動きにも引き続き注意をしましょう。レンジは120円50銭〜121円50銭程度と予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和