今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2015年12月21日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 原油安と株価の大幅下落を受けて、ドル円は121円台前半まで売られる。日銀会合の結果を巡り、東京時間では乱高下したが、追加緩和なしに反応した格好。
  • ユーロドルは1.08台で推移。1.0809まで下げる場面もあったが、この日も1.08台は割り込めず。
  • 株式市場は大幅に続落。NYダウは2日間で620ドルも下げる。先週の利上げを消化している過程との見方で、この先も混乱が続くとの声も。
  • 債券相場は続伸し、長期金利は利上げ前の水準まで低下。株安、原油安を材料に買いが続く。
  • 金は反発したが、原油価格は続落。米国で石油リグ稼働率の増加が続いていることで供給過剰が見込まれ、34ドル73セントまで売られる。
    ドル/円 121.15 〜 121.76/td>
    ユーロ/ドル 1.0809 〜 1.0874
    ユーロ/円 131.20 〜 131.91
    NYダウ −367.29 → 17,128.55ドル
    GOLD +15.40 → 1,065.00ドル
    WTI −0.22 → 34.73ドル
    米10年国債 −0.019 → 2.204%

    本日の注目イベント

    • 独  独11月生産者物価指数
    • 欧  ユーロ圏12月消費者物価指数(速報値)

    先週金曜日は為替も株も乱高下しました。今年最後の日銀金融政策決定会合の結果を巡って、ドル円は2円以上、日経平均株価も上下で800円を超える大波乱でした。

    今回の会合では 金融政策の変更は、まずないというのがコンセンサスでしたが、通常、結果発表は11時半から12時半の時間帯に発表されることが多いのが、今回は なかなか発表されず、12時半を過ぎても発表がなかったことから、「何か変更があるかもしれない」いった見方から、ドル円はじりじりと上昇に向かい、株価も12時半から後場の取り引きが開始されるとマイナス圏から急速にプラスに転じました。

    そこに、「日銀ETFを3000億円増額」との見出しが飛び込んできたことで、「追加緩和決定」と見た、ディーラーが飛びついたようです。「ヘッドラインに踊らされた」、そんな状況だったわけで、その直後、内容が明らかになると、ドル円も急速に値を下げ、結局この日の安値圏で引けています。

    現在実施されている追加緩和の「補完策」として、新たに日銀が行うものですが、「戦力の逐次投入はしない」と明言していた黒田総裁の言葉とは整合しないとの印象は残ります。今月初旬のECBの追加緩和では、内容が小粒と受け止められ、ユーロ急騰劇を演じ、先週のFOMCでは発表後、声明文を好感する反応は見せたものの、翌日からは株価の急落が始まり、そして今回は日銀会合の結果を巡ってのドタバタです。

    結局、中央銀行の政策発表に投資家が右往左往されられたことになります。今年も残り僅かですが、2015年で最も注目されたのが日米欧の中央銀行ということになります。「中央銀行とはけんかをするな」という言葉が思い起こされます。

    はっきりしていることは、米国が金融引き締めに入り、日欧では依然として量的緩和が続いているということです。ここを基本とすれば、今後もしばらくはドルに対して円やユーロが売られやすい地合いは続くとみることができます。まだトレンドが変わり、円高へと推移する展開は予想しずらいと思われます。同時に2012年末に第2次安倍政権が発足し、2014年末まで急激なドル高円安が進んだ、あのトレンドも、最終局面にいると考えています。どのタイミングでドル高のピークを迎えるのか、2016年の大きなテーマの一つです。

    本日のドル円は120円50銭〜122円程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
    12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和