今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年1月5日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はアジアや欧州株が大幅安だったことから急落。欧州市場では118円70銭まで下げたが、NYでは119円台で推移。大幅に下げた株価が下げ幅を縮小したことで119円45銭近辺で引ける。
  • ユーロドルは続落。ユーロ円などの売りが活発だったこともあり、ユーロドルは1ヶ月ぶりに1.07台後半まで売られる。
  • 株価は大幅に続落。中国景気の鈍化を示す経済指標に加え、ISM製造業景況指数が2ヵ月連続で「50」を下回ったことで、ダウは一時400ドルを超える下落。引け際にはやや反発したものの、276ドル下落し、昨年から3営業日連続で100ドルを超える大幅な下げが続く。
  • 債券相場は続伸。株安や、景気鈍化の指標を受け買い物を集める。長期金利は2.23%台まで低下。
  • ドルが売られたことで金は大幅に上昇。原油は中国の経済指標を受け続落。

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    12月ISM製造業景況指数 → 48.2
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    ドル/円 119.00 〜 119.50
    ユーロ/ドル 1.0782 〜 1.0907
    ユーロ/円 128.67 〜 129.86
    NYダウ −276.09 → 17,148.94ドル
    GOLD +15.00 → 1,075.20ドル
    WTI −0.28 → 36.76ドル
    米10年国債 −0.032 → 2.237%

    本日の注目イベント

    • 日  12月マネタリーベース
    • 独  独12月雇用統計
    • 欧  ユーロ圏12月消費者物価指数(速報値)
    • 英  英12月サービス業PMI

    金融市場は2016年の先行きを予感させるような波乱に満ちたスタートを切りました。昨日の東京時間では、日経平均株価が一時600円を超える下げを見せ、ドル円も120円を切ると下げ足を早め、119円台半ばまで下落。欧州タイムでは118円70銭までドルが急落する場面もありました。

    中国の製造業PMIが予想を下回ったことや、上海株式市場ではサーキットブレイカーが発動されたことで、日本株が急落し、円が買われたようです。もっとも、NYダウは昨年30、31日の2日間で、300ドルに迫る下げを演じたことで、既に日本株が下げる予兆もあり、結局今年も、米中の経済指標や金融市場の動きに、大きく影響されることになりそうです。

    日欧で株価が急落した流れを受けたNYでは朝方から株価は下げ、ダウは一時400ドルを超える下げを見せ、1万7000ドルの大台を割り込む場面もありました。ただ、ドル円は118円台後半から119円台まで反発したことから、引け値では276ドル安に留まっています。

    原油価格も、サウジアラビアがイランとの国交断絶を発表したことで、アジア時間では買いが優勢となり反発したものの、中国景気の鈍化が意識され、NYでは結局昨年末比下落して取引を終えています。ドル円は昨年10月中旬以来となる118円台半ばまで下げ、NYダウも一時は1万7000ドル割れとなるなど、今年の相場も波乱含みです。特に中国の景気動向には、今後も一喜一憂させられることになり、さらに今年は地政学的リスクが極めて高い状況が続きます。

    基本的には、米国が今年追加の利上げが出来ない状況にならない限り、金融政策の差がドル円をサポートする構図は変わらないと予想していますが、中東などの混乱から原油価格が乱高下し、そのたびに円が買われる事態は避けられそうもありません。一部には米国一国が世界の景気を牽引できるはずもなく、いずれは中国や欧州景気鈍化の影響を受け、失速するという見方もあります。その可能性もなくはありませんが、個人的にはそのような事態は極めて低いという見立てです。雇用を中心に米景気の緩やかな拡大は続くと見ています。

    世界的な株安連鎖が始まったことから、今日の東京株式市場も売りが優勢の展開でしょう。ただドル円が目先118円台半ばで下げ止まったことから、昨日のような大幅な下げはなさそうです。注目はサーキットブレイカーが発動され取引が停止された中国株が、さらに下げるのかどうかという点です。昨日のような大幅下げを見せるようだと、日本株のもう一段の大幅な下げがあるかもしれません。目先、118円台半ばは「短期的な底値」を見たようにも思えますが、まだ安心はできません。本日のドル円は118円70銭〜119円80銭程度を予想します。昨日この欄でも述べたように、これまで強力なサポートだった120円を大きく割り込んだことで、今度は120円が上昇を阻むレジスタンスになる可能性が高いと思われます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
    12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和