今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年1月6日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は119円を挟んでもみ合い。中東の地政学的リスクや株価が意識されたが、118円台半ばを試すには至らず119円前後で引ける。
  • ユーロ圏のCPIが予想に届かなかったことを受け、ユーロ売りが強まりユーロドルは1.0711まで下落。ユーロ円も約8ヶ月ぶりに127円台半ばまでユーロ安が進行。
  • 株式市場はまちまち。原油価格が下落したことから売りが優勢だったが、ダウは引けにかけてプラスに。ナスダックは11ポイント続落。
  • 債券相場は大きな値動はなかったものの、やや売り物に押され軟調。10年債利回りは2.24%台へと小幅に上昇。
  • 金は続伸し1078ドル台に。原油価格は続落し、2週間ぶりに35ドル台に。明日の在庫統計で、在庫が増加していることへの警戒感が台頭。
    ドル/円 118.84 〜 119.27
    ユーロ/ドル 1.0711 〜 1.0758
    ユーロ/円 127.51 〜 128.13
    NYダウ +9.72 → 17,158.66ドル
    GOLD +3.20 → 1,078.40ドル
    WTI −0.79 → 35.97ドル
    米10年国債 +0.012 → 2.249%

    本日の注目イベント

    • 中  中国12月財新サービス業PMI
    • 中  中国12月財新コンポジットPMI
    • 欧  ユーロ圏12月製造業PMI(改定値)
    • 欧  ユーロ圏12月サービス業PMI(改定値)
    • 欧  ユーロ圏11月生産者物価指数
    • 米  12月ADP雇用者数
    • 米  11月貿易収支
    • 米  12月ISM非製造業景況指数
    • 米  FOMC議事録(12月15、16日分)

    前日のNYで118円70銭まで急落したドル円は、昨日は日本株や、中国の株価対策の発表などを受け買戻しが優勢となり、119円70銭まで値を戻しましたが、その後欧州では再び118円台後半まで押し戻され、なかなか浮上のきっかけがつかめない展開です。これまでの強力なサポートであった120円が、今度はレジスタンスとして機能していることが意識されます。

    ユーロ円が昨年4月以来の127円台半ばまで下落が進んで来ました。昨日発表されたユーロ圏の12月の消費者物価指数が「+0.2%」と、市場予想に届かなかったことから、さらなる追加緩和観測が高まり、ユーロ売りが強まった結果です。2016年には4回程度の利上げが見込まれている米国との金融政策の方向性が改めて意識されたもので、ドル買いユーロ売りが活発になり、ユーロドルは下落。一方ドル円では、地政学的リスクの拡大や、不安定な株価の動きから、安全通貨の円が買われ易い地合いから、ドル売り円買いが優勢となっていることが背景です。

    ユーロ円は既に「週足」でも雲を下抜けしており、現在は「120週線」にサポートされている状況です。ここを明確に割り込むようだと、昨年4月14日に記録した126円08銭の水準が意識され、125円の大台も視野に入ってきます。ECBが昨年12月に追加緩和策を発表し、資産購入プログラムを2017年3月まで延長し、中銀預金金利をマイナス0.3%に引き下げましたが、この内容が「予想外に小粒」だったことから、急激にユーロを買い戻す動きが活発になり、ユーロドルは1.10近辺まで急反発した経緯があります。再び追加緩和観測が強まってくれば、ユーロドルも、ユーロ円も下値を試す展開が予想されます。ユーロ圏の経済指標と、ECB要人の発言には注意が必要です。

    ドル円は上値が徐々に重くなっているのは事実ですが、118円台半ばもサポートを形成しつつあります。不安定な株価と中東の混乱、さらには不透明な中国景気など、円が買われ易い環境にあります。今週は週末に雇用統計があり、ここで、米雇用市場の順調な拡大が確認されれば、市場のセンチメントも一変する可能性もあると見ていますが、雇用の拡大にブレイキが掛かっているようだと、118円を割り込み115円を目指すことがないとも言えません。そうなると、2016年4回程度の利上げというシナリオが大きく修正されることになるからです。

    本日は引き続き、日本、中国の株価の動きがポイントになります。NY株式市場がやや下げ止まりの気配を見せていることから、反発することも考えられますが、それでも東京時間のドル円は119円半ば超えが一杯でしょう。大きな動きはNYのADP雇用者数を確認してからということになります。予想レンジは118円50銭〜119円80銭程度とみます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    10/12 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「定義の仕方にかかわらず完全雇用という観点からゴールにとても近づいている」講演で。 --------
    10/22 ドラギ・ECB総裁 「金融緩和の度合いを、最新のマクロ経済予測が手に入る12月に再検証をする必要がある」記者会見で。 ユーロドル1.13台から1.110に急落。
    10/28 FOMC声明文 「次回会合で(政策金利の)目標レンジ引き上げが適切になるかどうかを判断する」 ユーロドル1.1095から1.0896まで急落。
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
    12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和