2016年1月12日(火)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 前日116円台まで急落したドル円は、117円台から118円台で推移。株価がやや反発したことから118円03銭まで上昇する場面もあったが、上値は重く117円60−70銭で引ける。
- ユーロドルは1.09台では売り意欲も強く、1.08台半ばまで反落。ユーロ先安感と、リスク回避の綱引きが続く。
- 株式市場は午後に盛り返し反発。アップルやインテルなどIT株が買われ、ダウは52ドル高。
- 債券相場は反落。長期金利は2ヵ月ぶりの低水準から反発し、2.17%台まで上昇。
- 金は小幅に反落。原油価格は一時31ドル台を割り込み、30ドル88セントまで下落。引け値は31ドル台まで戻したが、30ドルを割り込むとの見方が優勢な状況。
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- 12月労働市場情勢指数(LMCI) → 2.9
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ドル/円 117.20 〜 118.03 ユーロ/ドル 1.0848 〜 1.0902 ユーロ/円 127.30 〜 128.47 NYダウ +52.12 → 16,398.57ドル GOLD −1.70 → 1,096.20ドル WTI −1.75 → 31.41ドル 米10年国債 +0.006 → 2.175% 本日の注目イベント
- 日 11月国際収支
- 日 12月景気ウォッチャー調査
- 英 英12月鉱工業生産
- 米 オバマ大統領、一般教書演説
- 米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
ドル円は日本が祝日の11日早朝に、116円70銭までドル安円高が進みました、日本勢が参加していなく、流動性が低下していたとは思われますが、中国株に対する不安や、原油安が止まらないことへの、市場心理の表れと見ることができます。市場は「リスク」に対して、極端に臆病になっている状況とも言えます。
先週末の雇用統計では、失業率は5.0%で、非農業部門雇用者数は市場予想を大きく上回る29.2万人でした。雇用者数は、11月分と10月分も上方修正されています。また労働市場全体の趨勢を表す、労働市場情勢指数(LMCI)も、「2.9」と、こちらも好調で、米労働市場は依然として拡大していることが確認されたことになります。
しかし、市場はそれでも極端にリスクを避ける行動を見せています。「好調な米労働市場も、原油安と中国の景気後退がいずれ影響して悪化する」と見られ、足元ではドル売り円買いに走っているのが現状です。そしてその先にあるのは、今年の米利上げ回数にも影響を与えるというものです。原油価格は、昨日のNYで一時31ドルを割り込んで、30ドル88セントまで下落し、12年ぶりの安値を記録しました。35ドルを割り込んでからの下落スピードは明らかに、ロングの投げと、投機的な売り浴びせと思われます。
その材料の一部になったのが、昨日の上海株の下げです。先週末に、今年2回目のサーキットブレイカーが発動された中国株でしたが、週明けの昨日も上海株は5%を超える下げを見せました。依然として原油安と中国不安が投資家のリスクに対する姿勢を抑制している状況です。
ドル円は昨日は117円台で推移しており、一時は118円台に乗せる時間帯もありました。ただ、ユーロ円などクロス円では依然として「円高傾向」が続いています。現状の極端な「リスク回避姿勢」を変えるには、上記2つの不安要因が落ち着きを見せるしかありませんが、ここからさらにドル安、株安が進むと、追加緩和が「期待」だけではなく、「催促」に変わってくることも考えられます。黒田総裁は「必要ならばちょうちょなく」という言葉を繰り返して来ましたが、足もとの状況はまさに「必要な時」ではないでしょうか。
原油安が続けば米国株が売られ、それに伴いドルが売られ、円が買われる展開が続いていますが、原油安は米景気にとって本当にマイナスだけなのかという点にも注意が必要です。原油安は世界中の物価を押し下げます。貿易赤字の米国にとって、赤字幅縮小の効果もあるはずです。
本日も原油価格と中国株、さらには人民元相場に注意が必要なことは言うまでもありません。昨日のNY株式市場はプラスで引けていますが、上昇の勢いは限定的でした。日本株も再び下値トライの予想です。ドル円のレンジは116円〜118円30銭程度と予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。 11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 -------- 11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 -------- 11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 -------- 12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 -------- 12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇 12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 -------- 12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む 1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 -------- 1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------



