2016年1月13日(水)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はNY株が反発したことで118円08銭まで上昇したが、原油価格が30ドルを割り込むと徐々に売られ117円38銭をつける。株価と原油価格に翻弄される展開が続く。
- ユーロドルはユーロ売りがやや優り、1.0819まで下落。
- 株式市場は荒っぽい動きが続く。ダウは朝方は200ドル近辺まで反発したが、原油価格が下げるとマイナスに。引けにかけては再び上昇に転じ、結局117ドル高で引ける。
- 債券相場は上昇。原油安を受けてインフレ期待が低下した。長期金利は2.11%台まで低下。
- 金は続落し1085ドルに。原油価格は中国景気の不透明さを背景に30ドルを割り込む。引け値は若干戻して30.44ドル。
ドル/円 117.38 〜 118.08 ユーロ/ドル 1.0819 〜 1.0877 ユーロ/円 127.45 〜 127.88 NYダウ +117.65 → 16,516.22ドル GOLD −11.00 → 1,085.20ドル WTI −0.97 → 30.44ドル 米10年国債 −0.061 → 2.114% 本日の注目イベント
- 中 中国12月貿易収支
- 米 12月財政収支
- 欧 ユーロ圏12月鉱工業生産
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 グアテマラ・ボストン連銀総裁講演
- 米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
欧州市場では原油価格が32ドル台まで反発したことから、欧州株が上昇し、ドル円も118円台に乗せる場面もありました。NY市場でも朝方はその動きを好感し、ダウは大きく上昇して始まりましたが、原油価格がジリジリと下げ始め、30ドルの大台を割り込むと株価もマイナス圏に反落。引けにかけては再びプラスで引けるなどかなり大きな値動きが続いています。ドル円は117円台半ばまで売られていますが、前日同様116円台への下落は回避されています。
引き続き株価の行方と原油価格の動きが全ての価格を決定しているような状況が続いていますが、その震源地が中国であることは言うまでもありません。中国の景気が予想以上に落ち込んでいるとすれば、原油需要が急激に減少するとの見立てから、昨日のWTI原油価格は、ついに30ドルの大台を割り込んで、一時は「29ドル93セント」まで売られました。
原油価格は昨年末が37ドル台でしたので、すでに19%ほど下落したことになり、急落といってもいいと思います。そもそも供給過剰状況なところに、イランの経済制裁解除に伴う増産。さらに、価格が50ドルを下回れば米国のシェールオイルもコストが見合わず、生産を中止すると見られていましたが、実際にはリグの稼動は想定よりも中止に追い込まれていません。借入金の返済のために、損が出ても生産を中止できないといった情報もありますが、さすがに30ドルを下回ると、生産中止に追い込まれるところも出てくると思われ、今後はその種のニュースにも注意したいところです。
原油価格の30ドル割れは米国のシェールオイルだけではなく、サウジなど石油大国にもその影響が出ます。膨大な「オイルマネー」を保有するサウジなどは、収入が大きく減少するため、投資資産の切り崩しを始めているとも言われています。これが米国や欧州株が大きく売られている要因の一つでもあるようです。
しかしもっと売られているのが昨日の日本株です。日経平均株価は一時は前日比500円を超える下げを見せ、1万7150円あたりまで下げました。引け値でも479円安と、これで年初からの営業日は全て下げるという異常な状況になっています。今朝の新聞では「買い手不在」といった見出しが目につきました。原油価格の下落は日本にとってプラスマイナス両面がありますが、総体的にはプラスと見られます。実際メーカーにとっては生産コストが下がり、販売価格が変わらない限り収益を底上げします。来週から始まる日本企業の決算発表でも、その影響が確認されると見ています。そんな状況でも大きく下げる日本株は、まさに「買い手不在」なのかもしれません。
株価や原油価格の下げに比べれば、ドル円の下げは今のところ小幅です。それでも115円の大台を割り込むと、下げがきつくなることも予想されます。中国に対する不安が払拭されないと今回の混乱は治まりませんが、本日は中国の貿易収支が発表され、市場はその輸入額に注目しています。輸入額の減少は中国国内の景気の鈍化を示唆することになるからです。日本株の下げも今日は一服でしょう。予想レンジは117円30銭〜118円50銭程度とみます。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。 11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 -------- 11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 -------- 11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 -------- 12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 -------- 12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇 12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 -------- 12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む 1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 -------- 1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 -------- 1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------



