2016年1月18日(月)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は原油安と株価の大幅安にひきづられ続落。リスク回避から主要通貨に対しても円買いが進み、ドル円は昨年8月以来となる116円51銭まで売られ、117円近辺まで戻して引ける。
- ドルが売られたことから、ユーロドルも約2週間ぶりに1.0985までユーロ高が進行。
- 株式市場は大幅に反落。原油価格が再び30ドルを割り込んだことや、NY連銀製造業など、経済指標が予想を下回ったことも売りにつながった。ダウは390ドル下落し、1万6000ドルの大台を割り込む。
- リスクオフが進んだことから債券市場は続伸。長期金利は2.03%台まで低下。
- ドル安から金は買い物を集め17ドル高。原油価格は再び30ドルを割り込み、29ドル42セントで取引を終える。
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12月小売売上高 → −0.1%
12月生産者物価指数 → −0.1%
1月NY連銀製造業景気指数 → −19.37
12月鉱工業生産 → −0.4%
1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 93.3
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ドル/円 116.51 〜 117.33 ユーロ/ドル 1.0906〜 1.0985 ユーロ/円 127.60 〜 128.24 NYダウ −390.97 → 15,988.08ドル GOLD +17.10 → 1,090.70ドル WTI −1.78 → 29.42ドル 米10年国債 −0.0052 → 2.035% 本日の注目イベント
- 日 日銀支店長会議
- 米 NY休場(キング牧師生誕記念日)
市場の混乱は止まりません。NY市場では経済指標が概ね冴えない結果だったことに加え、注目の原油価格が再び30ドルの大台を割り込んだことから、市場のセンチメントが急速に悪化し、株価が急落。ダウは一時530ドルを超える下げを見せ、長期金利も低下。ドル円も一気に昨年8月以来となる116円51銭までドル売り円買いが進みました。安全通貨の円は、ドル以外の主要通貨でも買われ、足元では「最強通貨」になっています。
それにしても、原油価格が下げると、直ぐに株価が下落で反応し、先週末NYダウはついに1万6000ドルの大台を割り込んできました。この流れを受けて、本日の日経平均株価の大幅下落も避けられない状況です。中国では景気鈍化がどこまで進むのか不透明な上に、上海株式市場が大幅安になっていることから、原油価格の大幅な下落要因の一つになっています。中国経済の減速懸念と原油価格下落の拡大が世界中の投資家心理を不安定にさせ、投資行動をリスクオフへと誘導している状況です。そのため、上記2つの市場で下げ止まり感が出てこないと、足元の混乱が止まらないということになります。
ドル円の116円台と日経平均株価の1万6000円台。ここまで来ると市場は日銀の追加緩和をいやが上にも期待します。先週の国会で、黒田総裁は「追加緩和はまったく考えていない」と発言し、これでドル円が円高方向に振れる場面もありました。もっともその後には「必要ならちゅうちょなく行動する」と、いつもの言葉はありましたが、内心はそうおだやかではないと推察します。
対ドルだけではなく、円は主要通貨全てに対して買われる「独歩高」の様相です。当然輸入物価に下落圧力がかかり、さらに原油安が追い討ちをかける状況です。このままでは2%の物価上昇はおろか、再びデフレに陥り、2017年4月からの「消費税10%」も、再度延期すべきという議論が出てくることも予想されます。ここで「行動」を起こさないと、タイミングさえ逸することにもなりかねません。
ドル円は下落したとはいっても、原油価格や株式市場の下落に比べればまだ浅いと言えます。ただこれも115円を割り込むようだと、市場のセンチメントが一変する可能性があります。115円を割り込むと、昨年のドルの安値を下回ることになり、長期的なトレンドの転換にも通じることになり、市場関係者の相場観も一変するリスクがあると考えます。
今朝の経済紙では、安倍首相への独占インタビューが一面を飾っています。アベノミクスによりデフレから脱却したものの、「再びデフレに戻る恐れがないという状況ではない」と、直面している混乱に対して首相自身も警戒感を持っているようです。ある意味、ここはアベノミクスにとっても「正念場」であると言えます。
本日は日経平均株価がどこまで下げるのかに再び注目です。このまま大幅に下げると、この流れが海外市場にも伝播し、下落の悪循環が回りまわって明日の東京市場にも再度影響することになります。この辺りで、日本株が下落スパイラルの流れを断ち切れるよならドル円が下げ止まる状況も考えられます。予想レンジは116円20銭〜117円50銭程度を見ています。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。 11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 -------- 11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 -------- 11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 -------- 12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 -------- 12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇 12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 -------- 12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む 1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 -------- 1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 -------- 1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------



