今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年1月19日(火)

ひと目で分かる昨晩の動き

欧州市場

  • NY市場が休場のためドル円は小動き。117円台前半から半ばで推移し、欧州株の下落からドルが売られる場面もあったが、117円台は維持。
  • ユーロドルは緩やかに反落。依然として1.10近辺を天井に上値の重い展開となり、1.09台を割り込む場面も。
  • 24時間取引可能なWTI原油市場では1オンス29ドルを割り込み、直近安値を更新。
    ドル/円 117.03 〜 117.44
    ユーロ/ドル 1.0869 〜 1.0909
    ユーロ/円 127.60 〜 127.93
    NYダウ ----- → 15,988.08ドル
    GOLD ----- → 1,090.70ドル
    WTI ----- → 29.42ドル
    米10年国債 ----- → 2.035%

    本日の注目イベント

    • 中  中国10−12月GDP
    • 中  中国12月鉱工業生産
    • 中  中国12月小売売上高
    • 独  独1月ZEW景況感指数
    • 英  英12月生産者物価指数
    • 英  英12月消費者物価指数
    • 米  1月NAHB住宅市場指数
    • 米  IMF、最新の世界経済見通し公表
    • 米  企業決算 → バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレ−、IBM、ネットフリックス

    日本株が先週末のシカゴ先物市場の下げ程下落しなかったことで、昨日のドル円は早朝の116円台半ばを除けば終始117円台での取引でした。それでも上値は重く、NY市場が再開する本日が重要な1日になりそうです。再び原油安、株安を材料にドルを売ってくるのか、あるいは、116円台半ばが底堅いとみて、ドルを買い戻してくるのか注目したいところです。

    本日はさらに、足元の混乱の震源地である中国の重要経済指標も発表されます。11時に、10−12月期GDP速報値に、小売売上高、さらに鉱工業生産も発表されます。特にGDPには注目していますが、事前予想は「6.9%」とされており、この数字との比較になります。市場関係者の多くは、中国景気が悪いのは理解していますが、問題は「どの程度悪いのか」を知りたいということです。悪ければ悪いなりに、いずれ市場に吸収されて行くはずです。市場が最も嫌うのは、「不確実性」です。中国景気の実態が明らかになることが、足元の混乱を収める特効薬になるかもしれません。

    ドル円は先週末から昨日の早朝までに116円台半ばを記録し、日経平均株価は1万7000円を大きく割り込みました。昨日で今年の営業日は10日目になりましたが、その間の騰落は「1勝9敗」と、極めて異常な状況が続いています。原油価格や中国不安が安定しないようだと、今後まだ下げることは十分考えられます。

    この悪循環を断ち切るには、もちろん上記2つの混乱要因が落ち着きを取り戻すことがまず重要ですが、同時に米国の成長見通しが維持され、今年の利上げ回数が予想以上に多くなるという見方も、重要です。ただこの部分については、年初から期待を打ち消す内容の指標が相次いでおり、現時点では「力不足」という他ありません。

    もう一つの期待は、日銀の追加緩和です。昨日も黒田総裁は衆議院予算委員会で答弁を行い、「予想物価上昇率はやや長い目で見れば全体として上昇している」と述べ、追加緩和への言及はありませんでした。総裁はサプライズを好むタイプと言われているため、国会の場で追加緩和を匂わすことはないとは思いますが、反対にこのまま市場が下落を続けると、市場から催促されることにもなりかねません。その場合、市場は追加緩和を織り込み始めることから、その効果も限定的になる可能性があります。ある程度気勢を制する形で行うことも必要かと思います。

    中国の経済指標に加え、依然として下落基調の原油価格。連休明けのNY市場の参入もあり、本日もボラティリティーの大きな展開が予想されます。ドル円は116円70銭〜118円銭程度を予想します。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。
    11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 --------
    11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 --------
    11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 --------
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
    12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む
    1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 --------
    1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------
    1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和