2016年1月21日(木)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円はアジア株の大幅下落を受け、欧州時間には116円を割り込む。NYでは原油安と株安が進んだがドル円は反発し117円台に乗せる。
- ユーロドルは小幅に反落。ECB理事会での緩和観測もありユーロを売る流れが強まり、1.0877までユーロ安が進行。
- アジア、欧州の株安を受けて、ダウなど主要株価指数は軒並み大幅下落。ダウは一時500ドルの下げを見せたが、引けにかけては買い戻しが入り、前日比249ドル安。
- 原油安、株安が止まらないことから債券相場は大幅続伸。長期金利は約3ヶ月ぶりとなる2%台割れ。
- ドルが売られたことで、金が大幅続伸。原油価格は大幅に続落し、下値のメドが付かないとの声も。前日比2ドル近く下落し、26ドル55セントで取引を終える。
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12月住宅着工件数 → 114.9万件
12月建設許可件数 → 123.2万件
12月消費者物価指数 → −0.1%
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ドル/円 116.20 〜 117.05 ユーロ/ドル 1.0877 〜 1.0936 ユーロ/円 126.64 〜 127.63 NYダウ −249.23 → 15,766.74ドル GOLD +17.10 → 1,106.20ドル WTI −1.91 → 26.55ドル 米10年国債 −0.063 → 1.989% 本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏12月消費者物価指数(改定値)
- 欧 ユーロ圏1月消費者信頼感(速報値)
- 欧 ECB金融政策発表
- 欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 1月フィラデルフィア連銀景況指数
原油安と株安に世界中がパニックに陥っているように見えます。日経平均株価は昨日、一時660円程下げ今年最大の下げ幅を記録し、これで年初来の成績は「2勝10敗」と反転のきっかけをつかめないまま、売りが売りを呼ぶ展開が続いています。
ドル円も欧州市場に入ると直ぐに116円を割り込み115円台後半まで下落し、円は主要通貨に対して、再び全面高の展開です。NY市場では原油価格が下げ止まらず、一時は26ドル19セントまで売られる場面がありました。これまで通り供給過剰に加えて中国の景気鈍化が、その理由に挙げられていますが、昨日は住宅着工件数の低水準も取りざたされていました。
ただ、ドル円は115円98銭を底値に反発しています。NY市場ではクロス円が軒並み売られましたがドル円は底堅く、117円台に戻す場面も見られました。そのため日足では「長い下ひげ」を形成しており、昨年8月のチャイナショックの形に似ていると見て取れないこともありませんが、その時の底値である116円17銭を割り込んだのも事実です。
世界的な株価の下落と原油安の嵐が吹き荒れていますが、こうなると最早、政策当局の出番を待つしかありません。投資家心理は極めて冷え込んでおり、不安感に覆われている状況です。日経平均株価の1万6000円と115円のドル円が定着するようだと、日銀の追加緩和観測も急速に盛り上がってきそうです。個人的には上記前提が続けば、追加緩和実施の可能性はあると思います。
円高の進行は、企業業績の悪化につながり、今春闘への悪影響も避けられなくなります。黒田総裁は、賃上げが物価を押し上げるとのシナリオに期待している面が強いとも伝えられており、その前提も危うくなります。また株価の下落が個人消費にブレイキをかけることは必然で、2%の物価上昇どころか、アベノミクスそのものの崩壊にもつながりかねません。その結果、デフレから抜けかけた景気が再び逆戻りすることにもなります。まさに、「躊躇なく行動する」時ではないでしょうか。
本日はECBの今年最初の理事会が開催されます。日銀よりも先に、ECBが動く可能性もあります。ユーロ圏も物価下落圧力に直面しており、昨年12月の追加緩和策実施の割りにはユーロ安が進みません。2%の物価上昇達成のため、さらなるユーロ安が必要です。政策変更がないとしても理事会後のドラギ総裁の発言には注意が必要です。
本日も原油価格と株価の動きに翻弄される展開でしょう。ただ、今朝8時現在のWTI原油価格はNYのクローズよりも上昇しており28ドル台前半までは反発して取引されています。単なるショートカバーなのか、反転の兆しなのか見極める必要もあります。ドル円も値幅が大きくなりレンジ予想も簡単ではない状況ですが、本日は116円00銭〜117円50銭程度と予想します。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 11/4 イエレン・FRB議長 「現時点では、米経済は順調だと判断している」12月利上げの舞台は整っているとの認識を示す。(議会証言で) ドル円121円前半から121円72銭まで上昇。 11/7 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 「失業率が5%となっており、この尺度に基づけば私が完全雇用だと推定する状況に達している」講演で。 -------- 11/9 ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「経済が予想通りに改善し続ける限り、12月を含む将来のFOMC会合すべてが利上げに適切なタイミングとなり得る」講演で。 -------- 11/12 エバンス・シカゴ連銀総裁 「FF金利誘導目標を2016年末まで1%を下回る水準に抑えることが適切だとみている」講演で。 -------- 12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 -------- 12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇 12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 -------- 12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む 1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 -------- 1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 -------- 1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------



