2016年1月22日(金)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は116円台半ばと117円台を何度も繰り返す神経質な展開。ECB総裁発言からドルの買戻しが進み、117円75−80銭近辺と、この日の高値で引ける。
- ユーロドルは急落。ドラギ総裁が次回会合での追加緩和に言及したことで、1.09台から1.0776までユーロ売りが進む。
- 株式市場は反発。ドラギ総裁の発言に加え、原油価格が急速に値を戻したことから、売られ過ぎた銘柄を買い戻す動きが拡大し、ダウは115ドル高で取引を終える。
- 債券相場は反落。株価の上昇やリスクオフの流れが後退したことから利益確定の売りものに押された。長期金利は2.03%台まで上昇。
- 金は反落。原油価格は在庫がそれほど増えていなかったことや、石油施設が爆破されたとの情報などから急反発。一時は30ドル台を回復。
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新規失業保険申請件数 → 29.3万件
1月フィラデルフィア連銀景況指数 → −3.5
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ドル/円 116.87 〜 117.81 ユーロ/ドル 1.0776 〜 1.0922 ユーロ/円 126.17 〜 128.19 NYダウ +115.94 → 15,882.68ドル GOLD −8.00 → 1,098.20ドル WTI +2.98 → 29.53ドル 米10年国債 +0.042 → 2.031% 本日の注目イベント
- 独 独1月製造業PMI(速報値)
- 独 独1月サービス業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏1月製造業PMI(速報値)
- 欧 ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)
- 米 12月中古住宅販売件数
- 米 企業決算 → GE
- 加 カナダ11月小売売上高
- 加 カナダ12月消費者物価指数
原油価格が反発し株価も上昇。ドル円も117円台後半まで買われ、リスクオフも一服といったところです。ECBのドラギ総裁の発言に注意が必要だと、昨日のこの欄でも指摘した通り、理事会後の記者会見で総裁は「状況の変化に応じて政策手段を調整する」と発言し、3月の理事会での追加緩和の可能性を示唆しました。
総裁は「金融政策姿勢を修正する準備がなければ、ECBへの信頼が揺らぐことになる」とも発言し、中国経済の減速と原油価格の下落がデフレ圧力を強め、景気の下振れリスクが増大しているとの認識を示しました。この発言を受けドル買いユーロ売りが強まり、ユーロドルは一時1.0776近辺まで急落しています。同様にドル円でもドルの買い戻しが進み、117円80銭辺りまで円が売られました。
ドルが買い戻されたもう一つの理由が原油価格の急反発です。一時26ドル台半ばまで売り込まれたWTI原油価格は、在庫が予想以上に増加していなかったことや、テロ組織が石油施設を爆破したとの情報、さらには上記ECBのによる追加緩和観測などから急激に買い戻しが入り、30ドル台まで急騰しました。このように、これまでの一連のリスクオフの巻き戻しが進んだことで市場に安心感が広がっています。
昨日も指摘したように、今回のECB理事会では政策変更は見送られましたが、それでも3月の理事会では何らかの対応策が講じられる可能性が高まりました。これで、日銀も動きやすくなると考えられます。1週間後の金融政策決定会合では追加緩和が検討されることになると思われますが、実施されるかどうかは依然不透明です。ただ、ここである程度の行動を起こさないとドラギ総裁も語ったように「日銀への信頼が揺らぐ」ことにもなりかねません。「中央銀行とは戦うな・・・」そんな言い伝えも想起されます。
本日はさすがの日本株も反発が予想されます。ドル円が118円台に乗せるかどうかと、さらに118円台を回復したら、どこまで上昇できるかに注目します。リスクオフの流れは一旦小休止してはいますが、リスクオンへのトレンド転換にはほど遠い状況かと思われます。NYダウが引け際に上げ幅を縮小したことからも、株式投資家のスタンスには依然として腰が引けていることを見て取ることができます。
予想レンジは117円〜118円50銭程度とします。
ブルームバーグの世界の資産ランキングに関するニュースを読んで、驚きました。世界の資産ランキング上位1%の富裕層が今では、残る99%の人々を合わせたよりも多くの富を保有しているという記事です。記事によると、資産ランク下位半分に当たる35億人の合計と同額の資産を持つ金持ちの数はわずか62人だそうです。この数は5年前には388人だったということで、格差の拡大がさらに進んでいるということです。62人=35億人という数式はなかなか理解できません。良い週末を・・・・・。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 -------- 12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇 12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 -------- 12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む 1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 -------- 1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 -------- 1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 -------- 1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。



