今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年1月25日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は株価の上昇を受け、これまで上抜けできなかった118円25−30銭を抜けると上昇に弾みが付き、118円88銭までドル高が進む。懸念された原油価格が急反発したこともドルを押し上げた。
  • ユーロドルもドル高ユーロ安が進む。1.0789までユーロが売られたが、前日の安値更新はならず。
  • 株価は大幅に続伸。エネルギー株が上昇を牽引する形で、ダウは210ドル上昇し、ここ3ヶ月では最大の上げ幅を記録し、1万6000ドル台を回復。
  • 債券相場は続落。株高や原油高の影響から、売り物が優り下落。長期金利は2.05%台まで反発。
  • ドルが買われたことで金は続落。原油はECBの追加緩和観測が高まっていることから買い戻しが入り、前日比2.66ドル上昇。32ドル台を回復。

    *********************
    12月中古住宅販売件数 → 546万件
    *********************
    ドル/円 117.86 〜 118.88
    ユーロ/ドル 1.0789 〜 1.0838
    ユーロ/円 127.41 〜 128.36
    NYダウ +210.83 → 16,098.51ドル
    GOLD −1.90 → 1,096.30ドル
    WTI +2.66 → 32.19ドル
    米10年国債 +0.01 → 2.052%

    本日の注目イベント

    • 日  12月貿易収支
    • 独  独1月IFO景況指数

    先週末のNY市場では連日大荒れしていた市場も落ち着きを取り戻し、原油価格が急反発し、株価も大幅に上昇。これらを好感してドル円も118円台後半まで上昇しています。今朝5時台のNYからの報告では「荒れていた市場は収まりましたが、今度は天候が荒れています」との声でした。NYのマンハッタンでは大雪に見舞われ、セントラルパークも雪に覆われていました。

    前日のドラギ総裁のコメントが効いているのか、市場はやや落ち着きを取り戻し、これまでのショートポジションを買い戻す動きが加速しました。WTI原油価格は2日間で5ドルを超える反発を見せ、NYダウも2日間で325ドル程上昇しました。ドル円もリスクオフの後退から買い戻しが入り、118円88銭まで反発しています。一息ついたといったところでしょうか。

    ドラギECB総裁が、次回3月の理事会で政策を見直すと言明したことが、今週開催される日米の金融政策にある程度影響を及ぼすのではないかと言った見方が広がってきました。今年最初のFOMCが26−27日に開催されます。昨年12月に利上げを決定してからの経済指標は雇用統計を除けば、ほぼ全敗です。ここまで経済指標が低迷している中で、今年の利上げ回数はせいぜい2回が一杯で、1回もありえるといった雰囲気が支配的になってきました。

    今回のFOMCはイエレン議長の記者会見は予定されていないため、声明文のみということになります。ここまで経済指標が弱含んできたことから、声明文では景気見通しを下方修正し、場合によっては可能性は低いと思われますが、「今年の利上げは一旦棚上げ」といった内容になることも予想されます。そこまではないとしても、「利上げのペースは想定されるよりもさらに緩やかになる可能性がある」といったニュアンスの文言が挿入されることも考えられます。いずれにしても、年初から始まった混乱を沈静化させるべく文言が加わると予想しています。

    そして28−29日には日銀金融政策決定会合が開かれます。ここでは展望レポートも発表されますが、物価見通しを下方修正し、2%の物価目標達成時期を「2016年後半ごろ」から、さらに引き延ばすのではないかと見られています。一部には追加緩和の実施もあると予想されていますが、上述のように、市場が落ち着きを取り戻している足元では、その可能性は低いのではないでしょうか。ダボス会議に出席中の黒田総裁にブルームバーグがインタビューを行った内容を読むと、「現時点で、金融市場の状況が企業行動にそれ程大きな影響を与えているとは思わない」として、「必要なら、ちゅうちょなく行動する」と言った、これまで述べてきた言葉を繰り返しています。期待があるだけに、もし見送られたら、市場はやはりドル売りで反応しそうです。

    本日はNY株高を受けて日本株も200円から300円程度上昇すると見られます。先週末に1000円近い上昇を見せただけに、期待されたほど上昇しなければ118円台前半を試すことも予想されますが、500円に迫るようだと119円台が見られるかもしれません。市場のセンチメントは依然として「戻り売り」のスタンスを維持しているように思えます。予想レンジは118円〜119円30銭程度と見ます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
    12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む
    1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 --------
    1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------
    1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------
    1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和