今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年1月27日(水)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 欧州市場ではドル売りが強まり117円65銭あたりまでドル安が進んだが、NYでは原油価格の反発と、株価の大幅上昇に118円68銭までドルが買い戻される。FOMC声明文で市場安定化への文言が盛り込まれるとの期待も。
  • ユ−ロドルは1.80台前半まで売られたがその後は買い戻しが優勢となり、1.0871まで上昇。ユーロ円など、クロス円の買い戻しが目立った。
  • 株式市場は大幅反発。3Mやコーチなどの決算が好調だったことに加え、原油価格が反発し、消費者マインド指数も上振れしたことが材料となった。ダウは282ドル上昇し、7週間ぶりの高値を記録。
  • 債券相場は小幅に続伸。株価が上昇した割には底堅く推移し、長期金利は2.00%台と、月初来の低水準付近で取引を終える。
  • 金は続伸し1120ドル台に。原油価格はOPECとロシアが生産を見直すとの観測から大幅に反発し、31ドル台まで上昇。

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    11月ケースシラー住宅価格指数 → +5.83%
    1月消費者信頼感指数 → 98.1
    11月FHFA住宅価格指数 → +0.5%
    1月リッチモンド連銀製造業指数 → 2
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    ドル/円 118.28 〜 118.63
    ユーロ/ドル 1.0822 〜 1.0871
    ユーロ/円 128.09 〜 128.72
    NYダウ +282.01 → 16,167.23ドル
    GOLD +14.90 → 1,120.20ドル
    WTI +1.11 → 31.45ドル
    米10年国債 ー0.011 → 2.004%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪第4四半期消費者物価指数
    • 中  中国 12月工業利益
    • 米  FOMC 政策金利発表
    • 米  12月新築住宅販売件数
    • 米  企業決算 →フェイスブック、ボーイング、サンディスク

    昨日から今年最初のFOMCが始まりました。今回は政策変更はないと予想されますが、焦点は年初来大きく揺れ動いている市場の混乱に対して何らかの言葉が声明文に盛り込まれるかどうかです。FRBとしても、中国の景気不安がことの発端だとしても、このまま放置できないほど、その影響を受けていることから、混乱を鎮めるコメントを盛り込むことは十分考えられます。

    昨日のNY市場はその期待感もあり、原油価格が上昇し、株価は急速に値を戻しています。特徴的だったのは、ドル円だけではなくクロス円での買い戻しが活発だったことです。ユーロ円は128円台後半に、豪ドル円は83円台近辺まで上昇し、ポンド円も170円を窺う水準まで戻っています。

    また年初から株価が大幅に下落し、原油価格も一時は26ドル台まで売られ、企業業績も冴えないわりには、昨日発表された消費者マインドは落ち込んでいません。景気に対する楽観的な見方も株価にプラスだったようです。

    ドル円は昨日の欧州市場では117円65銭近辺まで売られました。昨日の日経平均株価が400円を超える下げを見せ、上海株も大きく下落したことで、先週前半に見られたような「リスク回避」の動きが強まったことが円買いを促がしたようです。しかしよく見ればこの動きは、1時間足の「雲」の中を上下したにすぎません。「雲の下限」で下落を止められ、反発しても「雲の上限」を抜けてはいません。結局118円を挟んだ動きに終始しています。

    上で述べているように、本日のFOMC声明文がどのような内容になるかが重要ですが、仮に市場を落ち着かせる何らかの文言が挿入されたとしたら、今度は日銀の出番です。ECBが動き、FRBも足並みを揃えたら、日銀に対するプレッシャーもかかりそうです。追加緩和はないにしろ、何らかの行動を見せないと、金曜日には再び失望感からドルが売られ、株価が大きく下落する展開も想定されます。追加緩和についても、安倍総理や菅官房長官などは「日銀がしっかり対応してくれると考えている」と、圧力とも、圧力ではないとも思える微妙な言い回しをしています。追加緩和期待はかなり高まってはいますが、個人的には見送られる可能性の方が高いと予想しています。ただし、それもFRBの行動次第であるということは、上述の通りです。

    NY株の上昇を背景に、ドル円は底堅く推移すると見ていますが、FOMCを控えてどちらか一方的に動く状況ではなさそうです。従って、株価が大幅に上昇しても東京時間内では119円台乗せは難しそうです。予想レンジは117円50銭〜119円程度と見ています。明日朝4時に発表されるFOMC声明文の内容に失望するのか、あるいは好感するのかで上記レンジをどちらにも抜ける可能性もありそうです。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
    12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む
    1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 --------
    1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------
    1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------
    1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和