今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年1月29日(金)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は耐久財受注が悪化するなど、冴えない経済指標があったものの底堅く推移。本日の日銀の金融会合での緩和期待もあり、119円目前までドル高が進む。
  • ユーロドルではドル売りユーロ買いが進む。1.0940近辺までユーロが買われ、ユーロ円も約1ヶ月ぶりに130円台を回復。
  • 株式市場は下落して始まったが、原油価格が上昇したことを好感して反発。ダウは125ドル高で取引を終える。
  • 債券相場はもみ合い後に上昇。7年債入札が好調だったこともあり長期金利は再び2%台を割り込む。
  • 金は反発。原油価格はOPECとロシアが生産レベルを協議するとの報道から34ドル台まで急反発したが、その後否定する報道もあり乱高下。結局92セント高の33ドル台前半で落ち着く。

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    新規失業保険申請件数 → 27.8万件
    12月耐久財受注   → −5.1%
    12月中古住宅販売成約指数 → +0.1%
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    ドル/円 118.57 〜 118.99
    ユーロ/ドル 1.0892 〜 1.0968
    ユーロ/円 129.52 〜 130.22
    NYダウ +125.18 → 16,069.64ドル
    GOLD +0.30 → 1,116.10ドル
    WTI +0.92 → 33.22ドル
    米10年国債 −0.016 → 1.985%

    本日の注目イベント

    • 豪  豪第4四半期生産者物価指数
    • 日  12月消費者物価指数
    • 日  12月鉱工業生産
    • 日  12月失業率
    • 日  12月エネルギーと生鮮食品を除く消費者物価指数(日銀)
    • 日  日銀金融政策決定会合
    • 日  黒田日銀総裁記者会見
    • 仏  仏10−12月期GDP(速報値)
    • 欧  ユーロ圏1月消費者物価指数(速報値)
    • 欧  ユーロ圏12月マネーサプライ
    • 米  10−12月GDP(速報値)
    • 米  1月シカゴ購買部協会景気指数
    • 米  1月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値)
    • 米  ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
    • 加  カナダ11月GDP

    ドル円は底堅い動きを続けています。昨日のNY市場では119円に迫る水準までドルが買われ、この1ヶ月間を振り返ってみれば、原油や株が大荒れの中、ドル円は僅か1円を超える程度の下落に収まっています。特に昨日は、本日の日銀金融政策決定会合を控えて、買っていた円を売り戻す動きが顕著で、ユーロ円は130円台、ポンド円は171円台、さらに豪ドル円も84円台と、円が最安通貨になっています。追加緩和はないと予想されるものの、「万が一」の場合に備えて、「保険」をかける動きや、そもそもクロス円のショートを手仕舞う動きが中心だったと思われます。

    確かに、各市場の動きはやや落ち着きを見せ始めて来ました。年初から大荒れに荒れていた原油価格も26ドル台を記録してから1週間で33ドル台まで戻し、1万6000円を割り込む勢いだった日経平均株価の方も、1万7000円台の攻防に変わっています。ただ、これらの動きは日米欧中銀の金融政策会合があり、そこで市場沈静化への政策が取られるのではといった見方もあったからです。従って、全ての金融会合が終わる来週の動きが、今後の相場を見ていく上で重要なヒントを与えてくれるのではないかと思います。

    やや落ち着きを取り戻した市場ですが、引き続き「台風の目」になっているのは原油価格と中国ということに変化はありません。原油価格は昨日、ロシアのエネルギー相の発言を受けて、OPECと他の産油国が減産に向けて協議を行うのではないかとの観測が広がり、急速に買い戻しが入りWTI原油価格は34ドル台まで急騰しました。このことは、減産に合意できなければ価格は戻らないということも示唆していると言えます。

    本日は何と言っても注目は日銀の金融会合です。発表は「終了次第」ということになっているため、通常なら11時半くらいから12時半くらいには発表されるため、遅れれば遅れるほど「緩和観測」が強まります。昨年12月には午後1時近くまで発表がなかったため、その後の「補完措置」発表直後に相場が乱高下したことは記憶に新しいところです。発表時間に注意して下さい。

    個人的には追加緩和はないと思っていますが、そうなるとドルが売られて株も売られることになると思われます。ただ客観的には追加緩和が決定されても不思議ではなく、一部にはそういった予想をしているエコノミストもいます。多くの専門家が「緩和なし」を予想していることから、もし「緩和があったら」円売りが相当加速すると見られます。反対に、「緩和なし」が決まった場合でも、、ドルと株の下落は限定的かもしれません。いずれにしても、「8対2」あるいは「9対1」の割合で「万が一」に備えることは必要です。本日のドル円は予想しにくい状況ですが、ワイドに117円50銭〜120円程度にします。

    今年も始まって1ヶ月が終わろうとしています。「想定外」という言葉しか思いつかないほど、この1ヶ月の為替、株、原油は大荒れしました。「落ちてくるナイフは拾うな」とか、「中銀とは戦うな」など、リスクテイクを戒める言葉が飛び交ったのもこの1ヶ月でした。「もう1ヶ月が過ぎたのか」と思う人もいれば、「まだ1ヶ月なのか」と感じる人もいるでしょう。年末には「あそこが絶好の買い場だった」なんてことにならなければいいのですが。良い週末を・・・・・。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
    12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む
    1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 --------
    1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------
    1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------
    1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和