今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2016年2月1日(月)

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 日銀が金融会合でマイナス金利の導入を決めたことでドル円は急騰。NYでは121円70銭までドルが買われ、121円前半で越週。
  • ユーロドルもドル買いユーロ売りが進んだが、ユーロ円の買い戻しなどもあり、1.08台は割り込めず。
  • 株式市場は大幅に続伸。日銀の決定を好感し株価は急上昇。ダウは400ドル近い上昇を見せ、1万6400ドル台を回復。
  • 債券相場は続伸。日銀の決定を受け世界的に低金利が続くとの見方から買い物を集める。長期金利は1.92%まで低下し約4ヶ月ぶりの低水準を記録。
  • 金は小幅に続伸し、原油価格も上昇。

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    10−12月GDP(速報値)    → +0.7%
    1月シカゴ購買部協会景気指数    → 55.6
    1月ミシガン大学消費者信頼感指数(確定値) → 92.0
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    ドル/円 120.92 〜 121.70
    ユーロ/ドル 1.0810 〜 1.0922
    ユーロ/円 130.81 〜 132.25
    NYダウ +396.66 → 16,466.30ドル
    GOLD +0.30 → 1,116.40ドル
    WTI +0.40 → 33.62ドル
    米10年国債 −0.065 → 1.920%

    本日の注目イベント

    • 中  中国1月製造業PMI
    • 中  中国1月非製造業PMI
    • 中  中国1月財新製造業PMI
    • 欧  ユーロ圏12月製造業PMI(改定値)
    • 英  英12月製造業PMI
    • 米  12月個人所得
    • 米  12月個人支出
    • 米  12月PCEコアデフレーター
    • 米  1月ISM製造業景況指数
    • 米  フィッシャー・FRB副議長講演

    先週金曜日、とうとう日銀は動きました。追加緩和はなかったものの、日銀に預ける預金に対して「マイナス0.1%」を適用する政策を導入しました。この政策は、予想された選択肢の一つに挙げられてはいましたが、総裁はこれまで導入には明確に否定していたことから、結果的には「サプライズ」として市場に受け止められたようです。

    金曜日の午後に発表されると、ドル買い円売りが進み、121円44銭までドルが急騰しましたが、そこからは再び2円ほど落とされ119円台前半まで売られる場面もありました。日経平均株価も500円ほど上昇した後、マイナス200円を超える場面もあり、このあたりが前回の追加緩和決定時とは大きく異なり、市場への影響を懐疑的に見る向きも多かったことを示しています。

    欧州を経て、NY市場まで見渡せば、結果的には市場を落ち着かせる効果は十分ありました。マイナス金利導入に反応して日本国債は買われ、長期金利は0.1%を割り込み。0.09%台まで急落し、過去最低を更新しています。これが世界的にも金利が低下するとの観測を強め、欧州各国の国債も軒並み上昇し、米長期金利も約4ヶ月振りの低水準を付けています。

    筆者は今回追加緩和はないとみていましたが、それでもない場合のドルの下落は限定的で、政策変更があった場合のドル上昇リスクの方がが高いと予想をしましたが、これで121円台を回復し、昨年12月22日以来のドル高水準に戻っています。ここからさらに上昇して125円に向うのか、それとも再び120円以下に押し戻されるのか、もう少し状況を見極める必要がありますが、125円に戻るのは、元に戻って、原油価格の安定と中国の先行き不安が払拭される必要があり、そう簡単ではないと思われます。今週は中国の経済指標が多く発表されることから、その影響もありそうです。

    一方で国内の機関投資家にとって、10年国債でも0.1%を割り込んだ金利水準を考えると、非常に運用環境が厳しくなっていると言わざるを得ません。そのため、リスクをとって資金を株式市場に向けるのか、あるいはより高利回りを求めて海外に資金を向けるのかということになり、ここからドル高株高も想定できなくはありません。日銀が想定していることの一つには、このようにドル高が安定的に続き、輸入物価を押し上げる効果と、ドル高によって企業業績を押し上げ、今春の賃上げに結び付けたいことにもあるようです。

    日銀が動き、その前にはECBが3月の追加緩和を示唆し、さらにFRBは3月に利上げを行うのか、見送るのか、ニュートラルな姿勢を見せ、今後の世界景気には注視するとの声明文を発表しています。2016年も、結局中銀の金融政策に一喜一憂する展開は変わらず、2013年以降続いています。中国をはじめ、新興国の景気後退が低金利を導いたとも言えますが、この間に新興国の景気がある程度好転するのかどうかは予断を許しません。

    引き続き不安定な相場展開が予想されます。慎重な対応と、リスクコントロールを徹底するしかありません。本日は日経平均株価が続伸すると予想され、その際にドルがどこまで買われるのかに注目です。予想レンジは120円50銭〜122円程度と見ます。

    What's going on?

    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
    日時発言者内容市場への影響
    12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 --------
    12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇
    12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 --------
    12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む
    1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 --------
    1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 --------
    1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 --------
    1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和