2016年2月2日(火)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 121円台で堅調に推移していたドル円は、経済指標が不調で原油価格が31ドル台まで下げたことから120円68銭まで下落。ただその後は底堅く121円前後まで戻して取引を終える。
- ユーロドルは1.09台前半まで買われたが、ドラギ総裁の議会証言を受けて1.08台半ばまで値を下げる。
- 債券相場は反落。前日の急騰から利益確定の売りに押される。長期金利は1.95%台に上昇。
- 株式市場はプラスマイナスを繰り返しまちまち。ダウは原油価格の下落もあり、17ドル下げたが、ナスダックは6ポイント高い。
- 金は続伸し約3ヶ月ぶりの高値。一方原油は中国のPMIの悪化などもあり、2ドル下げ31ドル台に。
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12月個人所得 → +0.3%
12月個人支出 → 0.0%
12月PCEコアデフレーター → +1.4%
1月ISM製造業景況指数 → 48.2
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ドル/円 120.68 〜 121.32 ユーロ/ドル 1.0875 〜 1.0913 ユーロ/円 131.60 〜 132.03 NYダウ −17.12 → 16,449.18ドル GOLD +11.60 → 1,128.00ドル WTI −2.00 → 31.62ドル 米10年国債 +0.032 → 1.952% 本日の注目イベント
- 豪 RBA、キャッシュターゲット
- 日 1月マネタリーベース
- 独 独1月雇用統計
- 欧 ユーロ圏12月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏12月失業率
- 米 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
- 米 企業決算 → ダウ・ケミカル、エクソンモービル、ファイザー
ドル円は先週末のマイナス金利導入の影響も残り121円台で堅調に推移したものの、先週末のNY市場で付けた121円台後半を試す動きでもなく、次の材料を探す展開でした。それでもやはり、相場の行方を決める重要な材料である原油価格が値を下げると、121円台を割り込み、120円68銭まで下げる場面もありました。
WTI原油価格は週明けのNY市場で、インドネシアがOPECに再加盟したこともあり、昨年12月の産油量は、日量3311万バレルと増加していたことが嫌気され、先週末比2ドルの急落でした。昨日発表された中国のPMIが予想を下回ったことも売り材料と見られたようです。
先週末の金融政策会合で決定した「マイナス金利」の影響は昨日の債券市場にも大きな影響を与え、10年国債の利回りは、ついに0.05%まで低下してきました。既に、5年債まではネガティブ金利になっており、国債を購入したら金利を支払らわなければならない、異常な状況です。決定会合前の長期金利の水準が0.19%前後だったことを考えると急低下と言え、この影響は銀行預金やMMF、さらには住宅ローンの金利にも影響を及ぼします。単純に言えば、お金を持っている人にはマイナスで、借金をしている人にはプラスだということです。
お金を運用する機関投資家にとっても厳しい環境が続きます。このままでいけば10年債までもがマイナス金利になる可能性が高く、ここからはトランプの「ババ抜き」の世界に入ると見ています。いきおい、機関投資家は国内には安全で利回りの高いものはなく、価格リスクをとって株式市場への運用をさらに増やすか、あるいは為替リスクをとって海外へ出て行くしか方法はありません。量的緩和を進めている日銀にとっても、年間80兆円もの国債を市場から購入しているわけで、ここからはかなりのリスクが残ることになりそうです。このまま国債の価格が上昇し、金利が低下し続けることはありません。かつて「高所恐怖症」という言葉が頻繁に使われたことがありましたが、足元の水準はかなりの「高所」であることは間違いないと思われます。
このように、多くの機関投資家などが為替リスクを取って外物に投資をしなければならないことで、ドル円は再び125円に向かうという見方もでてきたようですが、原油価格と、中国景気の先行き、あるいは昨日のISM製造業に見られた様に、米景気そのものへの懸念も残ります。このことが今後の米利上げ回数に直接つながってくるだけに、目が離せません。フィッシャーFRB副議長は昨日の講演で、「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」と述べており、まだ安心してドルを買えばいいというわけではないようです。日銀の「サプライズ」がどこまで効果を維持できるのかをしっかりと見極める必要があります。先ずは120円台が維持されるかどうかですが、120円が底堅く、維持されるようなら120−125円のレンジに戻ったと言えるかもしれません。
本日のドル円は120円40銭〜121円40銭程度と見ます。
What's going on?
「What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。日時 発言者 内容 市場への影響 12/1 エバンス・シカゴ連銀総裁 「利上げ開始の具体的な時期にかかわらず、フェデラルファンド(FF)金利が2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高いと考えられる」講演で。 -------- 12/2 イエレン・FRB議長 「10月のFOMC会合以降の経済と金融のデータは全般的に見て、労働市場の改善が続くというわれわれの見通しと整合的だ」講演で。 ドル円123円前半から、123円68銭まで上昇 12/4 ドラギ・ECB総裁 「物価安定の責務を全うする上で措置を強化する必要があれば、間違いなくそうする」NYでの講演で。 -------- 12/16 FOMC声明文 「引き上げ後も金融政策のスタンスは引き続き緩和的であり、それにより労働市場の状況の一層の改善とインフレ率2%への回復を支えていく」利上げ後の声明文で。 ドル高、株高が進む 1/6 フィッシャー・FRB副議長 「(年4回の利上げは)だいたい妥当な線」CNBCとのインタビューで。 -------- 1/7 ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「この先、想定外のショックがなければ、インフレ率が近い将来に2%に戻っていくと引き続き確信している」講演で。 -------- 1/12 ラガルド・IMF専務理事 「FOMCとECB・日本銀行との間の政策かい離が続けば、ドルはさらに上昇する可能性がある」パリでの会議で。 -------- 1/21 ドラギ・ECB総裁 「状況の変化に応じて政策手段を調整する」3月の理事会での追加緩和を示唆。 ユーロドル1.09台から1.07台に。 2/1 フィッシャー・FRB副議長 「最近の金融市場の混乱や中国を巡る不透明感が米経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局は次の行動を決められない」講演で。 --------



